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大阪〜博多600km徒歩の旅(26)山口県下関市〜福岡県北九州市
大阪から博多へ 山陽道600km徒歩の旅
第26ステージ
山口県下関市〜福岡県北九州市(19km)
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下関には到達したものの、やはり風邪を引くなかで26kmも歩いたのは負担が大きかったのか、夜中は咳が止まらず、何度も目が覚めてしまい辛かった。喉も痛いし、しんどい。
江戸時代の大名行列でも、あれだけの人数が長旅をしたら、途中で体調を崩す人もきっと少なくなかったはずだ。江戸から最も遠かった薩摩藩(鹿児島県)の大名行列は、片道50日前後かけて江戸まで移動していたそうだ。ぼくが1ヶ月未満でこんなに苦労しているのだから、装備や設備が今ほど整っていなかった当時の人々の大変さはいかほどだっただろう。
今日はいよいよ九州入りする日。下関の宿をチェックアウトし、2kmほど歩いたところにあるスタバを訪れ、昼まで原稿を書いていた。
店内には韓国人のお客さんがたくさんいた。近いからたくさん来るんだろうな〜と思って調べてみると、なんと毎日1便、下関と釜山を結ぶフェリーが運行されているという。
ようやく更新作業を終えて、12時に出発。下関の名所、唐戸市場に向かった。
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「普通の市場と何が違うんだろう?」と思っていたが、賑わっているエリアに行ってみて、すぐにわかった。威勢の良い声とともに、新鮮な握り寿司が左右の店舗に並んでいるのである。
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「本日の目玉商品、炙りトロ100円だよ〜!」
色艶が良く、いかにもおいしそうだ。寿司は1個単位で買える。ネタによって100円、200円、250円、300円、400円、800円など異なるが、新鮮さと身の大きさを考えればお得な価格。
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ぼくはいくつかの店を物色したあと、炙りトロの店に戻り、炙りトロ2つ、大トロ1つ、炙りサーモン1つ、ネギトロ1つ、活たい1つ、えんがわ1つを購入。計1450円だった。それから200円のふく汁(ふぐの味噌汁)も飲んだ。便利なのは、PayPayで買えるところ。
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難点なのは、イートインスペースがほとんどなく、多くの人が外で立ち食いしているところ。ぼくもそうするしかなかった。この点が整備されたら、もっと快適で良い体験になるはず。今日は週末なので、多くの人で賑わっていた。若者も多い。
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それにしても、このようなシステムで寿司を提供する市場は、国内に他にあるのだろうか? こんな素晴らしい場所が下関にあるのだと今日まで知らなかった。
市場には韓国人や中国人も多くいたが、今後この魅力が欧米に気付かれてしまったら、さらにたくさんの外国人が訪れるのではないかと感じている。もう紹介されているかもしれないけど、外国人がYouTubeで取り上げたら、かなり注目されるんじゃないかな。日本人であるぼくですら驚きだったから。西日本では有名かもしれないけど、関東には知らない人がたくさんいるはず。またゆっくり食べに来たい。お寿司は最高においしかった。
外に出ると、雨が降っていた。1kmほど歩いて、関門橋の近くにある「関門トンネル人道」へ。
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全長780メートルの地下トンネルを通って北九州市に入ることができる。
そしてこの道は、ちゃんと国道2号線の一部なのだ。国道2号線は、トンネルを渡った先の北九州市の門司区で終わりを迎える。このあと終着地へ行ってみよう。
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トンネルの通行料は無料だから、ジョギングに利用する地元住民もいるそうだ。
道の途中に、県境があった。
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ありがとう山口県。たくさんの方と出会い、良い思い出がたくさんできて好きになったから、また必ず来たい。
そして8年ぶりの訪問です。こんにちは、福岡県。
13時15分、ぼくは本州から九州へと突入した。
トンネルをくぐり、エレベーターで地上階に出た瞬間、仰天してしまった。なんとそこに、ぼくの旅のイラストを掲げている男性が立っていたのだ。
「中村さん、ようこそ北九州市へ!」
驚きと嬉しさのあまり、言葉に詰まってしまった。
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彼は北九州市在住の長濱さん。昨年9月に出演したラジオ(J-WAVEでの葉加瀬太郎さんとの対談)を聴いてぼくのことを知り、以来noteで追いかけてくださっていたのだという。今日は仕事が休みだったから、手作りの歓迎ボードを準備して、ここで待ち構えてくださっていたそうだ。
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ぼくは差し入れでいただいた食べ物の消費が追いつかず、手荷物を2つ持って歩いていた。それなりに重さがあったし、大雨だったから、なおさらキツかった。すると長濱さんが、「歩くのに不要な荷物があれば車で運びますよ」と言って、今夜宿泊する小倉駅のホテルまで運んでくださることになった。これにはたいへん助かった。あの強い雨のまま荷物を持って15kmも歩いていたら、どうなっていただろう。
少し歩いて、国道2号線から、国道3号線に切り替わる交差点へ行ってみた。「ここが国道2号線の終点です」というわかりやすい標識こそなかったが、ひっそりと「国道2号線 大阪から537km」と書かれた小さな標識が存在した。粋じゃないか。ぼくをジーンとさせるには、これで十分だった。
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大阪の「始点」から、よく歩いてここまでやって来れた。この先は、北九州市門司区から博多、熊本を通って鹿児島市まで続く「国道3号線」が始まる。その道は、またいつかの旅で歩くことになるだろう。
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レトロな建物の門司港駅を訪れた。この中にあるスタバは、昔の「三等休憩室」をリノベーションした店舗。素敵な空間だった。店内には歴代のスタバのロゴが展示されていた。
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そこからは、国道199号線をまっすぐ12km歩くだけ。大雨と寒さがキツかったけど、レインウェアで完全武装して、2時間15分、無心で歩き続けた。
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小倉の街が見えてきたときはホッとした。17時に小倉駅にゴール。
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北九州市は『銀河鉄道999』の松本零士さんの出身地だから、メーテルと鉄郎の銅像がある。
小倉駅で待っていてくれていたのは、4年前からぼくのnoteを読んでくださっていたという博美さん。元客室乗務員でもある彼女は、昨年秋に「ファーストクラスの世界一周航空券」で11カ国13都市を旅されたそう。ぼくも検討したことのある旅の方法なので、駅前で興味深く伺った。ファーストクラスの世界一周航空券は、意外なほどに安いのだ。
お土産もたくさんいただいた。節分の日だから、豆もあった。感謝です。
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駅近くの東横INNにチェックインして、急いでお風呂に入り、身体を温めた。
夜は、先ほど門司で歓迎してくれた長濱さんが、鰻の名店「田舎庵」に連れて行ってくださった。
初めて食べた鰻の「せいろ蒸し」は、抜群においしかった。福岡県柳川の名物だそう。タレで味の染み込んだご飯は、いつまでも冷めず、熱々のままだった。これがせいろ蒸しか。なんておいしい食べ物なのだろう。
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葉加瀬太郎さんとのラジオ対談の中で、ぼくが「若い人こそ、もっと旅をしてほしい」と話したこと、それから番組最後の「中村さんにとって旅とは?」という問いかけに対して、「自分の心と可能性を広げてくれる経験」と話したこと。その2つの言葉に、長濱さんは強い共感を覚えたという。
彼もまた、大学3年生のときに人生初の海外旅行として、1ヶ月間かけてイギリスを周遊した。さらに1社目の会社を退職したあとは、3ヶ月間オーストラリアとニュージーランドを旅したという。20代の頃に旅を通して自分の価値観が変わるような経験をしているからこそ、きっと身に沁みて「そうだよなあ」と思ってくれたのだと思う。そしてそのことが、今日この日の出会いにつながっている。素敵なことじゃないか。
ぼく自身、この徒歩の旅によって日々、自分の心と可能性が広がっていくのを感じている。新しい経験は、自分を新しくする。
九州上陸時から温かい歓待を受け、嬉しい一日になった。長濱さん、ありがとうございました!
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<今日の費用>
スタバ 13円(500円ギフト利用)
唐戸市場 1650円
水 105円
ホテル 7899円
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引き続き、旅と発信の支援金を募っています。
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これまでに12企業、119名の皆さまからご支援いただき、
次の目標金額まで、残り220,234円(現在88%)です。
「大阪から博多へ 山陽道600km徒歩の旅(1月)」と「フィンランドの旅(2月)」に充てさせていただきます!
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