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「5000円で旅する東京」Vol.1 駒場東大前~下北沢編
本日から配信を開始したメルマガ「5000円で旅する東京」
「試し読み」として、初回の内容を全文公開します。
※月の途中からの購読でも、その月のメルマガはすべて配信されます。
【はじめに】
ぼくは長年都内に住んでいながら、東京のことにあまり詳しくありません。
海外や国内を旅行するときは、むしろ積極的に人気のカフェやレストランへ足を運ぶのに、なぜか日常生活では、暮らす街からほとんど出ないばかりか、いつも慣れ親しんだ近所のスタバにいます。
会社員の頃はまだいくらか出かけることもあったけど、フリーランスになってからは外出がめっきり減ってしまいました。
だけどいい加減、「これではまずい」という想いが募ってきました。
新しい経験が増えていかないと、自分の可能性も広がっていかない。そんな気がしたのです。
それに、せっかく世界中の人が憧れる国際都市「TOKYO」に住んでいるのですから、もっといろんな魅力にふれたいです。
先日図書館に行って、おでかけ系の雑誌や本を何冊か借りてきました。
そしたら、「こんなオシャレなカフェがあるのか」「このパンおいしそう!」「ここでランチしたい!」と発見の連続でした。
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口コミもチェックしつつ、雑誌で紹介されていた行きたいお店やスポットをどんどんGoogleマップに登録していきました。
身近な人たちからもおすすめ場所を聞きました。
すると、その「散策リスト」はすぐに500箇所を超え、山手線の内外がマークで溢れました。これからまだまだ増え続けるでしょう。
新たな楽しみができて、ワクワクしてきました。
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少し足を延ばせば、素敵なカフェやベーカリー、レストラン、お菓子屋さんがたくさんあります。
また、東京には大小の美術館・博物館も充実しているし、ほかにもまだ訪れたことのないスポットが無数にあります。
海外旅行や国内旅行は大好きだけれど、東京やその近郊だけでも、無限に楽しめそうです。
「日常を、旅するように過ごしてみたい」
そんな欲求から、「5000円で旅する東京」という企画を始めることにしました。
何か制約があった方がおもしろくなるので、一度のおでかけ予算を5000円としました(往復交通費は除く)。
毎週ひとつのエリアを決めて、一日おでかけをして、5000円でどれだけ楽しめるか。
そしてその体験を、メルマガで発信していきます。
最初は赤字覚悟ですが、読者が増え、使える予算にゆとりが出てきたら、東京近郊へも足を延ばしたいと思います。
この情報発信が、何かしら参考になれば嬉しいです。
それでは、第1回のおでかけ記録をご紹介していきます!
【5000円で旅する東京 Vol.1 駒場東大前~下北沢編】
11月19日(火)
最初のおでかけ場所として京王井の頭線の「駒場東大前」を選んだのは、Xのタイムラインに流れてきたポストがきっかけでした。
どうやらこの近くに「日本近代文学館」なる場所が存在し、11月23日まで「編集者かく戦へり」という企画展をやっているらしい。
日本文学には疎いですが、物書きの端くれとして興味があります。よし、まずは駒場東大前へ行ってみよう。そして周辺の良さげなお店を訪ねながら、下北沢方面へ歩いてみよう、と決めました。メルマガの配信時点ではもう次の企画展に移っていますが、ご愛嬌ということで。
朝7時45分、駒場東大前駅に到着。東口の北側から出ると、すぐ目の前に東京大学の「駒場Iキャンパス」がありました。東大生が最初の2年間を過ごすキャンパスです。個人や少人数であれば、自由にキャンパス内を見学して良いそう。でも朝は少し急いでいたので、また次の機会にします。
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駅の南側の住宅街をしばらく歩いて、目的の 「GRATBROWN Roast and Bake」 というカフェにやってきました。朝8時のオープンと同時にいちばん乗りで入店しましたが、続々とお客さんが入ってきて、すぐに席が埋まりました。
ソイラテ(580円)と、自家製の焼き菓子がおいしいと口コミにあったので、バターミルクビスケット(350円)を注文し、しばらく待ちます。
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小さなお店ですが、とてもオシャレな空間でした。『You've Got a Friend』をはじめ、キャロル・キングの心地良いBGMが流れていました。
温かみを感じるかわいらしいソイラテも、バターミルクビスケットも絶品でした。感動的なおいしさで、ひと口食べた瞬間、「この企画はきっとうまくいく」という予感がしました。「サクサク」と「しっとり」の加減が素晴らしい。
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席の横に、このお店が紹介されている雑誌が置いてありました。伊田夫妻のお店だそうです。「ご主人の晴彦さんが店内で焙煎するコーヒーと、妻の志帆さんが作るアメリカンスタイルの焼き菓子が人気」。クッキーやマフィンもいかにもおいしそうだし、早くも何度も訪ねたいお店になりました。
続いてやってきたのは、いつも通っているスタバのパートナーさんがおすすめしてくれた 「ル・ルソール」 というベーカリーです。駅の西口からすぐのところにありました。
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「おいしいけど結構高め」と聞いていたので、パンをひとつだけ買おうと決めていました。ここも雰囲気の良いお店で、どれもおいしそう。選んだのは、とりわけ目を引いた「ピスタチオクリーム」(360円)。「ほうれん草?」と疑うくらい、色が濃い。
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近くの公園で、早速食べました。こんな濃厚なピスタチオクリーム、初めてです。パンの生地も絶妙。満足です。
そして 「日本近代文学館」 へ。観覧料は300円。特別展「編集者かく戦へり」を鑑賞しました。
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本ができるまで、あるいは雑誌に原稿が掲載されるまでには、編集者と作家との間で様々なやりとりがあります。現在であればメールやオンライン会議が可能ですが、昭和の通信手段は主に手紙。なので、この特別展ではたくさんの手紙が展示されていました。作家の文体以前に、一人ひとりが書く文字に個性が感じられて、おもしろかったです。「あの人はこんな字を書くんだな~」って。読み取れない字、丁寧な字、わんぱくな字、かわいらしい字、いろいろありました。坂本龍一の父、坂本一亀は「鬼の坂本」と呼ばれた有名編集者だった、ということも初めて知りました。三島由紀夫『仮面の告白』や小田実『何でも見てやろう』は彼が手がけたものだったのですね。菊池寛や齋藤十一、滝田樗陰らの手紙もありました。中には「小説を書くため旅に出たが、いい題材がなくて書けない、許してください」という作家の手紙も。やや渋い展示かもしれませんが、300円でこれだけいろいろ見れたら個人的には大満足です。
次の特別展は「三島由紀夫生誕100年祭」で、11月30日(土)から2025年2月8日(土)まで開催されています。
また、施設内には「BUNDAN COFFEE & BEER」というカフェがあり、村上春樹「ハードボイルド・ワンダーランド」の朝食セットや、「シャーロック・ホームズのビールのスープとサーモンパイ」など、作家にちなんだメニューが特徴的です。
日本近代文学館の隣にある「旧前田家本邸 洋館」は、火曜閉館日のため残念ながら入れず。また次回リベンジします。
続いてやってきたのは、「日本民藝館」 。
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民藝運動の父・柳宗悦の審美眼により蒐集された新古工芸品約17000点を収蔵しています。木の温もりに満ちた古民家のような建物で鑑賞できるのも良いところ。初めて訪れましたが、国内外の民藝品が見られておもしろい。一度は来る価値のある場所です。柳宗悦にも興味を持ちました。
11月20日まで開催されていた特別展「生誕130年 芹沢銈介の世界」に駆け込んできました。入館料は一般1200円。
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昨年、東京国立近代美術館のコレクション展で染色家・芹沢銈介のことを初めて知りました。文字とデザインを日本的に融合させたユニークな作品が多く、好きになりました。彼の作品をたくさん見られて良かったです。
次の企画展は「日本民藝館展 ―新作工藝公募展―」で、12月7日(土)から12月22日(日)の開催です。
ランチは、東大「駒場IIキャンパス」内にある、 「食堂コマニ」 にて。学食ですが、一般人も利用可能です。日本各地の食材や発酵食文化を大切にしている食堂で、化学調味料を一切使わないのも特徴。使われている食材は、油や調味料に至るまで、その生産者さんが明記されています。安心・安全においしい食を楽しめる素敵なお店だと思いました。
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豚汁定食(小)は、おにぎり1個と豚汁がついて、950円。「サバラー油」のおにぎりも、具だくさんの豚汁もおいしかったです。
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下北沢方面へ向かう途中で立ち寄ったのが、 「COFFEE COUNTY Tokyo」 という人気のカフェ。ここも雰囲気の良い空間。満席でしたが、注文している間に席が空きました。エルサルバドルのドリップコーヒー(700円)と、クッキー(250円)を注文。
自家製のチョレートクッキーは、カルダモンが良いアクセントになっています。お店の売りは、ドリップコーヒー。世界各地のコーヒー農園と直接契約していて、オーナーは一年の約半分を海外のコーヒー農園などで過ごしているとか。この日も、ペルーの農園に足を運んでいるそう。
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エルサルバドルのドリップコーヒーは、浅煎りで酸味はハッキリしてものの、強過ぎず、バランスが取れています。「様々な柑橘、アプリコットや無花果を思わせる果実感、ジューシーな酸に伴ってブラウンシュガーのような甘さが長く続きます。スムースな質感と甘さの余韻がこの土地のポテンシャル、エルナンデス兄弟(生産者)の丁寧な仕事を感じさせてくれます」。コーヒーの解説文は、おそらくオーナーが自ら書いたのでしょう。実際の文章はもっと長く、生産された農園の風土や、生産者の人柄にまで説明が及んでいて、コーヒーへの強い愛情が感じられました。
すぐ近くの小さな焼き菓子専門店 「Gather」 を覗いてみると、幸運なことに今日は営業日でした。このお店、土日を覗いては平日は週一日しか営業していないそう。せっかくなので何かひとつ買うことにしました。実はこの時点で、今日すでに4690円を使っていたので、5000円の予算だと残り310円ということになります。
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しかし、どうしても人気商品の「カルダモンバナナブレッド」を食べてみたかった。420円。少しだけ予算オーバーしましたが、おいしかったので買って良かったです。このお店もイチ押し。
このお店がオープンしたのは、昨年10月。店主の女性に伺ってみると、それ以前は代々木八幡の「Little Nap COFFEE」で焼き菓子を提供していたそうです。今も彼女のレシピが引き継がれているそう。
Little Nap COFFEEは、ぼくが読んでいた雑誌でも紹介されていました。「Little Nap COFFEE ROASTERS」と「Little Nap COFFEE STAND」の2店舗があり、日本におけるコーヒースタンドのパイオニアといわれる濱田大介さんが手がける人気店とのこと。チーズドッグもおいしいみたい。今度行ってみよう。
Gatherには、季節限定のスイートポテトブロンディなど、ほかにもおいしそうな焼き菓子が数種類並んでいました。インスタに営業日が載っているので、行かれる際は事前にチェックを。
下北沢の駅を通り過ぎて、この日最後に訪れたのは、2020年4月に開業した 「日記屋 月日」 。
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先日日経新聞の朝刊でも、このお店が紹介されていました。今、日記本がブームで、作家さんが書く日記エッセイ本だけでなく、一般の方が自主制作する日記本も人気を集めているようです。
この「日記屋 月日」には、まさにそんな個人制作の日記本が多数置いてあります。いろいろと手に取ってページをめくってみると、なんだか他人の人生や生活を覗き見しているみたいで、とてもおもしろいです。書き手としてもインスピレーションをもらえる作品ばかりでした。通常の書店でもAmazonでも買えないため、希少性があります。
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もう予算オーバーしたなかでしたが、お店の方のおすすめで、『夏葉社日記』(1650円)を購入しました。これは別枠ということで。なんだかこのメルマガ、言い訳が多くなりそうです。
ぼくも日記本を出版してみたい、と思うようになりました。すべてを書かない、その塩梅が良いと感じます。ぼくの文章は、すべてを書き過ぎる癖があります。でも日記本としては、もしかしたらもう少し抽象度を抑えた方が文も短くなるし、良いのかもしれない。具体的に書き過ぎない方が、より感性的な文章になるかもしれない。そんなことを感じました。
12月8日には、このお店がある下北沢の「BONUS TRACK」にて日記祭が開催されるそうです。なお、月日ではコーヒースタンドも併設していて、コーヒーやビールも楽しめます。
夕方、下北沢駅にゴール。
今回の総額は、5110円でした(日記本を除く)。
次回もピッタリ5000円を目指して頑張ってみます。
【Q&Aコーナー】
お寄せいただいた質問から、1つ2つ選んで回答させていただきます。
XXXX@gmail.com まで、お送りください。(メールアドレスはメルマガに記載しています)
【今週の本】
11月から日経新聞の朝刊紙面を取り始め、毎朝スタバで読むのが新たな楽しみになりました。
毎日のように半導体の話題があるので、少し勉強しようと思って 『半導体戦争』 という本を読み始めました。
この本は、週刊東洋経済の「ベスト経済書・経営書2023」で第1位だったそう。まだ3分の1程度ですが、とてもおもしろいです。
【今週のひと言】
メルマガのおでかけを実際にやってみて、以下の気付きがありました。
・クリアファイルを持っていけば良かった(パンフなど資料がたくさん溜まるので)
・歩き回って、肩が痛い。→次回はもう少し荷物を減らそう。
・水筒はあった方がいい。
・訪問スポットが多過ぎたかも(思ったより書くのが大変)
張り切り過ぎたのか、翌日は久しぶりに風邪を引いてしまいました。治るまで一週間ほどかかりました。
でも楽しいので頑張って続けていきます。
初めての配信でまだまだ至らない点も多いかと思いますが、引き続き頑張っていきます。
このメルマガの購読者数の目標は、3ヶ月間(2025年2月末まで)で200名です! 赤字が続くため、達成できなければ撤退する覚悟です。応援よろしくお願いいたします!
【次回予告】
次回のおでかけは、
<代々木公園~表参道エリア>を予定しています。
お楽しみに!
お読みいただきありがとうございました。
メルマガは月550円で、毎週火曜日に配信されます(祝日除く)。
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