大阪〜博多600km徒歩の旅(24)山口県山陽小野田市(小野田駅〜みちしお)
大阪から博多へ 山陽道600km徒歩の旅
第24ステージ
山口県山陽小野田市(小野田駅〜ドライブインみちしお)(13km)
今日も9時間寝たから、もう少し体調は良くなっているのではないかと期待したけど、案外そうでもなかった。まだ身体がだるい。喉の痛みは幾分か減ったが、今度は咳が出る。
ひとまず宿で朝食をしっかり食べ、薬を飲んだ。そしてチェックアウトし、10時5分発の山陽本線で厚狭駅から昨日のゴール地である小野田駅に戻った。
小雨が降るなか、20分ほど歩いて国道190号線沿いのコメダに到着した。
ここで昨日の日記を終わらせてから、出発しようと考えていた。
しばらく原稿を書いていると、この近くにお住まいのライター、さおりさんが応援に駆けつけてくださった。初対面だが、Xでは存じ上げていた。
彼女は4年前にライターの仕事を始め、その頃からぼくの発信を見てくださっていたのだという。
「やりたいことをノートに書き出したりするんですけど、その中に以前から『中村さんに会いたい』って書いていたんです。そのときはまだ、手段とか全然思いつかなかったんですが。だからまさかこうして地元の小野田で、しかも私がよく利用しているコメダでお会いできて、なんだか感動しています」
そう言ってくださり、ぼくも感激した。
さおりさんは、先日生出演したyab山口朝日放送のテレビ映像を撮って送ってくれた恩人でもある。彼女が送ってくれなかったから、ぼくも自分がテレビにどう映っていたのか確認できなかった。
短い時間だったが、少しお仕事の相談にも乗れて良い時間になった。お菓子やスタバカード、風邪に効きそうな差し入れなどもたくさんくださった。そしてコーヒーまでご馳走になってしまった。ありがとうございました!
さおりさんが帰られたあと、黙々と原稿作業をした。すべての更新を終えてスッキリしてから、13時半に出発。幸い、雨は止んでいた。今日はここから11kmほど先の「ドライブインみちしお」を目指す。ここの「貝汁」が山口名物のひとつらしく、たくさんの方から「みちしおの貝汁はマストです」とお勧めされた。
歩き始めてすぐ出てきた標識に、「下関 33km」と書かれていた。あれだけ遠かった下関が、今はもうわずかな距離にある。
海沿いの道に出ると、左手の遠く向こうに、うっすらと橋が見えた。
(関門大橋だ・・・!)
ということは、あの橋の左側は、九州の陸地である。大阪から24日歩いてきて、ついに九州をこの目に捉えた。不思議な実感だった。
「あの〜、中村さんですよね?」
途中のセブンイレブンで休憩していると、犬を連れた見知らぬ女性から声をかけられた。
「ええ!? どうして?」
「この近くに住んでるんですけど、先日のラジオ『COZINESS』を聴いて、そろそろこのあたりを通られるだろうなと思って。応援しています!」
ラジオの影響力はすごい。差し入れに「ほっとレモン」とキットカットをくださった。くるみママさん、ありがとうございました!
そのセブンイレブンを出て、20分ほど歩いた頃、今度は右側の後方からクラクションが鳴った。
振り向くと、ドライバーが手を振っている。そして少し先の路肩に停車した車から、ガタイの良いおじさんが出てきて、無言で笑いながら近づいてくる。
その姿は、少し怖かった。まるで、ぼくが車をぶつけてしまったか、あるいは煽り運転でもされたときのような。。。
「おう、兄ちゃん、ちょっと一緒に来てくれるかな」
と言ってもおかしくなさそうな表情と歩き方だった。
しかし、その男性から出てきた言葉は、
「お疲れさまです!『みちしお』まであと少しなんで、そこで合流しましょう。あ、不要な荷物があれば車で運びますよ」
ただの良い人だった。ぼくは身軽になり、最後の1.5kmをランニングした。
彼は下関在住の戸田さん(Xではトダッティさん)という方で、ぼくがこの旅を始める前日の夜、大阪でお会いしたケンジさんのご友人とのこと。ケンジさんが戸田さんにぼくのことを知らせてくださったのだ。そしたら大阪から24日かけて歩いてきた奇妙な生き物は、戸田さんの好奇心を刺激したらしく、見事にここで捕獲されてしまった。
「ドライブインみちしお」にゴールすると、戸田さんが「好きなもの食べてください」と、ご馳走してくださった。
名物の貝汁と、新鮮なシマアジのお刺身、そして具材たっぷりのチャンポンをいただいた。
貝汁はあさり汁なのだけど、抜群においしかった。そして「普通」サイズを頼んだのに、あさりの量がすごい。「特大」にしていたらどうなっていたんだろう。。。
シマアジも、チャンポンも、おいしかった。ここは24時間営業していて、おまけに温泉まである。その理由は、駐車場を見るとわかる。一般車200台、大型車200台の広い駐車場で、こんなにたくさんの大型トラックを見たことがない、というくらいに無数のトラックが泊まっていた。ドライバー御用達の店なのである。
今夜は下関の宿を取ってしまっていたから、ここから最寄りの埴生(はぶ)駅まで歩き、そこから山陽本線で下関駅まで行こうとしていた。すると戸田さんが、
「車で下関のホテルまで送っていきますよ」
山陽本線は1時間に1〜2本しかないため、非常にありがたかった。さらに戸田さんは、車から保冷用の箱を取り出した。その中から出てきたのは、なんとトラフグの刺身だった。
「宿で食べてください」
ふぐは下関の名物だけど、高級で食べられないだろうなと思っていたから、このプレゼントにはビックリで、嬉しかった。こちらではスーパーでも売っているそうだ。
戸田さん、本当にありがとうございました!トラフグもおいしかったです!
明日の朝、電車で埴生駅、そして「ドライブインみちしお」まで戻り、そこから下関駅に向かって歩く。
最終目的地では博多である。しかし大阪から続いた「山陽道」の旅は、ようやく下関で終わりを迎えるのである。
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