大阪〜博多600km徒歩の旅(8)岡山県倉敷市(STAY)
大阪から博多へ 山陽道600km徒歩の旅
第8ステージ
岡山県倉敷市(STAY)
今日はこの旅で最初の休息日。ゆっくり寝ていても良かったのだけど、習慣から7時頃には目が覚めた。カーテンを開けると朝日が綺麗だった。
ゆるゆると起き出し、朝風呂に入った。朝から露天風呂に入っているとき、日本に生まれて良かったと強く感じる。
9時過ぎに駅前のスタバへ行き、2時間ほどかけて前日分の日記を書いた。時間がかかる。でも朝からスタバでゆっくり作業ができたのもこの旅では初めてだった。マイボトルに入れてもらったソイミスト(カフェミストの豆乳変更)を脇に置いてパソコンを開くと、なんとなく落ち着く。
12時になり、「ふるいち」というお店のぶっかけうどんを食べに行った。倉敷の人にとってのソウルフードらしい。ちょっと味が濃いかな、とも感じたけど、でもおいしかった。「きざみぶっかけ」というのを頼んだ。温かい方。
美観地区の方へ歩いていると、倉敷名物「えびす饅頭」の店を見つけた。いわゆる「大判焼き」だ。1つ100円だったから歩きながら食べたのだけど、あんこがメチャクチャうまかったな。もうひとつ買えば良かった。
それから今朝、ベルリンに住む兄から写真が送られてきた。1985年、兄がまだ小学生の頃、おばあちゃんと倉敷を観光したのだという。そのとき街の各地で撮ったという写真が数枚送られてきたから、場所を特定して、当時(39年前)と今を見比べられるように同じ構図で写真を撮った。
また、兄がそのとき行ったという「倉紡記念館」を勧められたので、ぼくも行ってみることにした。クラボウ(倉敷紡績株式会社)の記念館である。G7のサミットでも要人たちがここを訪れている。
そこでは倉敷の街の歴史についても紹介されていた。江戸時代の発展において、茶人の小堀遠州が重要人物だったそうで、「えっ」と驚いた。彼が備中国(現在の岡山県西部)の総代官を務めていた時期、徳川幕府の命を受けて「大坂冬の陣」に兵糧米十数万石を倉敷から大坂に積み出すため、ここに屋敷を構えて陣屋とした。それ以来、倉敷は急速な発展を遂げたという。
どうして小堀遠州に反応したかというと、ぼくの知人の小堀宗翔さんが遠州のご子孫だからだ。昔インタビューさせていただいたのがきっかけで知り合い、ぼくが29歳の誕生日に開いたパーティーでお茶を点てていただいたこともある。今思えば、とても貴重な体験だった。
明治以降の倉敷の発展においては、今度はクラボウが欠かせない存在になったみたいだ。クラボウが創業されていなかったら、倉敷はまったく別の街になっていたかもしれない。そのくらい重要な存在だった。
あと、クラボウの初代社長は大原孝四郎。そして2代目社長はその息子の大原孫三郎で、彼が「大原美術館」の設立者でもある、という関係性を知った。なるほど、大原美術館の「大原」はクラボウが関係していたのか、とわかった。
そのほかに良かったのは、倉紡の「謙受」の社訓。その意味は、「人々はとかく一番になると、慢心し心が緩み後退するので、たとえ何事において一番になったときでも、常に二番・三番にいる気持ちで、一番を目指すつもりで努力せよ」というものだった。共感。
棟方志功の襖の書もカッコよかった。
14時過ぎに「Hog-me」というマッサージ屋さんへ行き、110分マッサージしてもらった。凝り固まっている足裏、ふくらはぎ、肩周りを重点的に。メチャクチャ気持ち良かった。とくに担当してくれた池元さんに、いろいろ土地のことについても教えてもらった。お昼に「ふるいち」のぶっかけうどんを食べたことを報告すると、「味濃くなかったですか?」と言われた。
「地元の人もそう思ってるんですか笑」
「はい笑 濃いけど、また食べたくなるんですよね」
ちょっとお店が離れていたので、バスで駅まで行き、またスタバでおかわりして、作業の続きをした。
夜は「みそかつ梅の木」へ。「バナナマンのせっかくグルメ」でも紹介されたらしい。名物は「みそかつ」だけど、ここのはちょっと独特で、「チキンナゲットみたい」という口コミが多かったから、チキンナゲットが苦手なぼくは気持ちが進まなかった。代わりに、巨大な海老フライ定食を頼んだ。これはなかなか見事な海老フライだった。
ソースをかけようとすると、醤油のようにシャーッと出て戸惑う。関東圏と、液体の質がまるで異なる。「ソース」と言えば、ドロっとしたブルドックの中濃ソースをイメージするが、西日本は違うらしい。こちらではウスターソースが基本みたいだ。なるほど。
あとは美観地区の夜景を少し眺めて、部屋に戻ってこの原稿を書いていた。
明日からまた徒歩の旅を再開。キツい一週間になりそうだけど、頑張ろう。
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