#TRIP 福岡県宗像市大島 Day 3
普段と違う場所で寝泊まりするとき、例えば山行のときなどは心も体も興奮しているせいか眠りが浅くなるみたいでちょっとした物音、ここでいえば雌鶏の鳴き声だったり、風が窓を叩く音ではっと目が覚める。この日も自然と早起きとなり朝ごはんも食べずに外にでて静かな漁村の小道を歩いて海岸へでた。11月11日の朝早い時間帯は干潮のため干上がっていたので昨日まで水に浸っていた岩場や浜辺を散策してみた。
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M子邸に戻る途中に前日お借りした原付きバイクがUMIBA前に停まっていた。「今日は沖ノ島が見えるかもしれない!」という思いに浸り始め気がつくとヘルメットを被って島の北側を目指していた。例の三叉路で右折し砲台跡へ。朝日を浴びるコスモス畑が広がっている。奥にバス停とベンチを配置するとなんだか良いではないか。セーラ服の女子高生がスーッと立ち現れ腕時計に目を落とす。バスを待っているのか。恋人を待っているのか。それとも私を待っているのか。(ビシッ)
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バイクをおいて風車の方へ。更に複数の砲台跡を巡る遊歩道を歩いてみる。
見上げる空に佇む風車。モネが描く日傘を差した婦人のようでなんとも麗しい。
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遠くで海が轟く音、耳元でそよぐ風の音。聴覚はただそれだけを聞き取っている。
風車のところまでたどり着き日本海を眺める。沖ノ島はみえない。
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バイクにのって今度は灯台の方へ行ってみる。基本的に対向車両に出会うことは稀。このようなうねる海岸道路を走っていく。カーブの先は見えないがガードレールノ向こうに広がる海原に心が躍る。それはどこか北野武の昔観た映画のワンシーンを思い出させる。
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でも実際にそんなシーンがあったか覚えていない。
もしかしたらキッズ・リターンにあったかもしれない。
結局灯台の方でも沖ノ島を見ることはできず水平線はうっすらとガスに包まれていた。山と同じでいつも絶景が見られるとは限らないのだ。
これはきっと「もう一度大島へおい出ませ」という神様からのお告げなのだろうと思うことにした。
姫っこカフェ
Mこ停に戻ったあとは会社のメールをちらちら気にしながら午前を過ごし昼になってM子とランチにでかけた。島内の数少ない食事処。開放的な窓から差し込む穏やかな日差しをあびながら魚の定食を頂いた。
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お腹いっぱい食べたあとには潮が満ちた海辺を散歩した。夢の小夜島に生えている松の木は人口的に移植したものだそうで、他にも小さな岩山に植樹をしているのだとか。
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M子停でアフタヌーンリモートワークをし、懲りずに夕暮れ染まる日本海に来てしまった。沖ノ島は相変わらず見えないのだけれどそこに広がる海と空と時間が織りなすハーモニーをベンチに腰掛け、暗くなるまで鑑賞した。
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大潮の潮騒
夜にひとり、浜辺に腰掛けて海と月の駆け引きが奏でる潮騒の音色に心が和む。