風フェスはみんなとぼくの保養の場
風フェスに参加者とスタッフの隔てはない。
いや、あると言えばあるがないと言えばない。
少なくともぼくにとってこの場は
集うみんなのためであり
ぼく自信のためでもある。
保養は
原子力災害から避難した人のためだけでなく
日本人だけでもなく
世界中の人のためのものだと
今年に入ってようやくそう思い至った。
井上まゆみさんや冨田貴史さんらの話を聞き、鎌仲ひとみさんの映画を観て、肥田舜太郎さんらが半世紀以上かけて伝えてきた事実を知り、またこのタイミングで能登半島地震の支援に出掛けたりと、そんなことをしているうちに、世界中に拡がる放射性物質から逃れられる人などいないのだと分かった。
風フェスは井上まゆみと大橋保隆のふたりが「30年は続ける」と言って始めたもの。
これは30年以上寄り添い続けるということでもあるが、いつ誰が必要を感じて参加してきても受け入れるということでもあると思う。
ここから先は団体としてではなくぼく個人としての想いだけど、たとえ原発を推進してきた人でも、核開発を正当化する人でも、その人たちが被曝の影響を心配する時が来たならば躊躇なく受け入れたい。だってぼくだって深く考えることなく暮らしてきて今があるのだから。
「そもそも放射性物質など怖くはない」と言う人たちとは一生話は交わらないかもしれないけれど、だからと言ってその人たちを嫌いかというとそれはまた違う話なわけで、あなたがそう思っていなくてもぼくはあなたの幸せを願っている、ということはあるということを書き留めておきたい。
10年以上が経ちコロナ禍も経験し、それでも続いている風フェスは、そして保養の在り方は、新しい段階へと突入した。
途中から参加させてもらっているぼくも、子どもたちのワクワクをつくりだすことを中心に、ライフワークとして関わり続けていきたい。