早期短下肢装具療法が効果あるのか?
オランダの論文になるようです。RCTになります。
こちらは片麻痺患者に33名を無作為に分けて早期に短下肢装具作製した群と遅延群を比較して検討しています。
早期群は(n=16)
入院から1週間で処方[32.0日(6.2)]
遅延群は(n=17)
入院から9週目以降に処方[88.1日(6.1)]
としています。
使用した装具は図の用なタイプだったようです。(日本と少し仕様が違いますが、SHBタイプと考えていいと思います。)
開始時に両群に有意差はありませんでしたが、早期群はより早くBBS、BIの改善がみられていました(3ヶ月時は有意差あり)。またほとんどの機能テストで11〜13週目において良好な結果だったとしています。しかし6ヶ月目(26週)では有意差はありませんでした。
装具を使用する事で課題施行型トレーニングが行え、反復練習を行えることが改善に繋がったのではないかと考察しています。
6ヶ月での有意差はみられませんでしたが、限られた患者数であり、不十分だったとして述べています。
今後、対象者も増えて来れば6ヶ月時の改善もみられるかもしれません。
1週間で短下肢装具を処方というのが興味深いです。発症早期の機能不全は長下肢装具が多いのですが、短下肢装具の論文は少ないです。やはり短下肢装具でも早期群の方が早く良くなるというのは驚きです。
今回はRCTですし、入院時の機能も両群に差は無かったにも関わらず早期群の方が早期に有意に良くなっているというのは、かなり貴重なデータになるかと思います。
今回も早期作製を支持する結果となりました。
こうして調べてみると早期作製を否定する論文は少ないですね。