本日のブレースクリニック2

本日のブレースクリニック

頸髄症の方。麻痺は軽度。随意性は保たれていました。ステージでいうとⅤはあるかなと。

問題点として、
①立脚中期ぐらいからバックニーに入りやすい。
②遊脚期で緊張が上がり内反になる。
③つま先の引っ掛かり
が主と考えました。

担当はSHBかGSDで悩んでいるとの事だったのでその歩行をチェックしました。

今までの説明では、SHBは固定要素があり、背屈しにくいとしていました。しかし、今回使用した装具はヒールカット(踵が空いており)しており、厚さも3mmと薄くなっていたため、とても背屈しやすい装具でした。

患者は前型歩行となっているため、背屈がしやすい物が必要と考えます(しかし、膝折れのリスクは上がるため、注意が必要)。経過とともに膝折れしなくなってきたということなので、大きな背屈制動力は必要ない状態でした。

今回使用していたSHBは背屈の邪魔は大きくしていませんでした。

SHBは背屈制動です。また背屈角度が上がっていくほど、制動力が増します。
GSDは背屈遊動です。背屈の邪魔はしません。

そのため、今回の比較は背屈制限がいいか?背屈遊動がいいか?という点でも評価できました。

結果は背屈の制動つまりSHBの方が歩容は良かったです。

おそらく、背屈方向への制動力があるがために、下腿前傾し、前足部に安心して体重をかけていけることが大きかったと思います。

同じSHBの下腿ベルトを緩めてた(下腿バンドを緩めることで、下腿前傾しやすくなり、背屈遊動とする事ができる)際には背屈方向に行かなかったです。これを考えると、背屈制動力がある方が、背屈しやすい。ってよくわからない状態になります。モーメント的には背屈制動力が強い方が背屈しにくいのでなんで??ってなるかもしれません。

三頭筋、腸腰筋の遠心収縮が不十分であるかもしれませんが、今回は心因的な問題「背屈を制動してくれているから、安心して背屈できる。」といった要素が高かったように思えました(しっかりと評価必要ですが…)。

また、SHBの制動力の弱くし、背屈を完全に止めるのではなく、背屈を出しやすくしたことが今回のケースではいい方向に働いていったと思います。だけど、逆に遊動まで弱くしてしてしまうと、不安などから背屈が出てこない状態と考えました。

背屈制動が強すぎると背屈していかない。背屈制動を無くしてしまうとおっかなくて背屈していかない。このちょうどいい所を判断することが難しい所だったかなと思います。

最終的な調整は、背屈3°ほど、厚さ3mm、ヒールカット、前足部まで被う(後々カットしていけるか判断)、軽度toe up、トリミングは始めはやや強めにかけておく(後々カットしていけるか判断)、下腿の高さはやや低め(後々カットしていけるか判断)、アーチパッド有無は仮合わせ時に再評価としました。

一番良かった点としては作製するタイミングが退院三ヶ月前と早かったことです。これだれ早く作製できれば、歩行の変化に合わせてSHBのトリミングなどの調整が出来ます。

作製→評価→調整→評価→調整→…とつながっていくのでね。

SHBも調整によってうまく使えます。修正が出来ないので、難しさはありますが…

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