装具における現場での課題と制度
現場での課題と制度
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/56/4/56_56.267/_article/-char/ja
こちらも少し堅そうな内容に見えますが、わかりやすくて問題点をつかめます。最新の有料論文ですが紹介しますね。
まずはエビデンスからふれています。装具処方の有無で、処方があった群でFIM利得、効率ともに高かったとしています。ちなみに日本でのデータなので日本人にとっての信頼性は高いはずです。
下肢装具をつけることで関節固定、感覚入力阻害などの意見もありますが、こちらはエビデンスは乏しいです。
エビデンスだけでいったら装具使用の方に軍配が上がるでしょう。
早期から立位を行うには長下肢装具が必要な患者さんもいます。
急性期においても装具を使用した方が改善しやすいのですが、タイミングが難しいです。
1つは発症して間もない日にちでは経過がどうなるか判断しにくいです。
一次的な脳への圧迫で麻痺が出ていることもあります。
圧迫がとれると急に麻痺が良くなることもあります。
長下肢装具を作るにあたっては1〜2週間程かかります。その間に回復してしまって装具がいらなくなったら作製した長下肢装具は無駄になってしまうかもしれません。
急性期での装具作製の結果も出ていますが、そのような理由で回復期で担うことが多くなっています。
装具作製にあたっては機能面だけでなく、使用環境も熟考しなければなりません。
履きやすいから覆い型装具にしても外に出るようだったらつま先をケガさせてしまうかもしれません。寒さにも弱いです。
また、退院後はリハビリテーションが少なくなったりすることで、筋緊張が亢進して、制動力が弱い装具だと負けてしまう場合もあります。
入院中だけでなく、退院後の生活も熟考して装具を判断して下さい。弱すぎる装具はトラブルが起きるかもしれません。
病院を退院した後で装具を作製する場合、障害者総合支援法(身体障害者手帳)にて作製することが多いです。
この場合窓口は市役所になりますが、地域により対応はかなり違うようです。
すぐに判定を通してくれるところとあれば、もう少し待てというところもあるようです。
行政の対応に不満を感じる方もいるでしょうね、、、
回復期だけにいると退院後の生活がイメージし難いです。訪問や老健などのスタッフからも情報あつめてみると意外な所で気付けなかった点かあることがわかると思います。装具もそのようなトラブルがあるかもしれませんのでアンテナを張っていきたいですね。