最近の装具の傾向ってどうなの?

春名弘一、昆恵介、野坂利也 脳卒中片麻痺患者に対する下肢装具の最近の動向
理学療法 34巻4号 2017年

装具はどんどんと発展がしているが、全国アンケートではSHBの作製が一番多い。著者の意見も交えて、最近の装具の考え方をまとめてくれています。

義肢装具学術大会において2012〜2016年に発表された一般演題のデータをピックアップをしています。AFOの発表は65演題。その内継ぎ手付きの演題が49演題、継ぎ手なし16演題と継ぎ手付きが注目されてきているのがわかってきています。

継ぎ手付きのAFOではゲイトソリューションが24演題、MR –AFOが9演題、APS-AFOが6演題と高機能な装具への演題が多いことがわかりました。

また、前遊脚期の下腿三頭筋の蹴り出し運動をデコピンに例えて説明をしています。デコピンは中指を屈曲させ親指で抑えた状態から中指の伸筋を収縮してしていることで、伸筋腱が伸ばされ、弾性エネルギーが蓄えられています。抑えていた親指を引っ離すと弾性エネルギーが解放され伸展運動が発生するします。

親指を使わないでデコピンをすると明らかに威力が減るのはこのためと説明しております。

これが歩行中にも起きています。

前遊脚期にしっかりと下腿を前傾され、底屈筋の弾性エネルギーを蓄積させ、反対側へスムーズな荷重移動ができることで振り出し(蹴り出し)が実現されています。

ゲイトソリューションやRAPSを始め、角度調整が出来き、ヒールロッカーに必要な底屈制動機能を持ち、高機能でありながら、外観や軽量化にも配慮がならせている装具は生まれてきています。

しかし、医療現場ではSHBなど高いシェアを占めています。

医療工学は発達してきている今、理学療法士も使いこなさなければならない時代がきているのかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!