生活期からみた回復期の装具について 6

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspo/33/3/33_151/_pdf/-char/ja

予備用の装具というのも大事になります。

入院中は医療保健にて装具を作製することがほとんどだと思います。

この場合、処方箋を出してもらう→装具会社による採型→仮合わせ→完成→支払い→装具証明書の発行という形になりますが、これは全て入院中に行えてしまいます。専門家のアドバイスもあるので、より良い装具作製が可能と考えられます。

ただし、退院後この装具が破損してしまった場合などを考えると、予備用の装具があると便利です。障害者総合支援法(障害者手帳)での作製は時間がかかるため、予備がないと装具がない状態が続いてしまい、その間歩けないなど問題が生じてしまいます。

この場合作戦としては主に3つあると思います。

①入院中に二つ作製する
②退院後破損する前に障害者総合支援法にて装具を作製する
③自費で作製

①では例えば入院初期に制動力が強いものを作製しておき、機能改善後や退院前に二つ目を作製しておく方法です。オーバーブレースとなるかもしれませんが、一つ目が予備用として使えます。しかし、機能変化が無いのに、余計な装具を作ることや、同じ装具を作ることはハードルがあるので注意が必要です。Drの考えもありますが、早期装具作製が出来れば実現可能となっていくと思われます。

②では入院中などに障害者手帳の申請をしておき、障害者手帳が出来上がったら障害者総合支援法にて装具作製を行うという方法です。
障害者手帳は基本的には発症から6ヶ月たってからの申請となるので、回復期では退院直前になることもあります(急性期入院が長かったらもう少し余裕があるかもしれませんが)。
しかし、これもなかなかうるさい?みたいで、回復期(つまり医療保険)で装具を作っていながら、なんで障害者総合支援法でも装具を作るのか?問われるみたいです。
仕事や学業復帰のため違う装具が必要となれば、申請が通るみたいですが…。

③お金に余裕がある。多少お金がかかっても予備用や用途に合わせた装具が欲しい。ということであれば、自費で作製という手段もあります。これは保険を使わないので、装具会社と患者さんとのやり取りになります。

制度の話が絡んでくるのでややこしいですが、退院後、生活期のことを考えていくことはやっぱり重要になってきます。

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