底屈制限の方が難易度は低いのか?
底屈制限 VS 底屈制動
似たような言葉ですがけっこう違います。
今回は硬めのシューホーンブレース(SHB)とゲイトソリューションデサイン(GSD)を例に考えてみたいと思います。
底屈制限(SHB)はよく固定だから難易度が低くなるって言いませんか?
学習理論では自由度のある関節を固定することにより、コントロールしなければいけない関節が減り結果難易度を下げることができる。と言われます。
ではGSDのような底屈制動の装具では難易度は上がるのでしょうか?
一般にはそのように捉えられていると思いますが、少し違う視点で考えてみたいと思います。
<立位>
足関節が固定されていることで確かに足関節は安定して他関節のコントロールを行えばいいかもしれません。
ですが、静止立位でも人間は揺れているので、バランスを取るためにどこかの筋活動が必要です。
足関節ストラテジーが始めに働くようです。つまり足関節を固定してしまったら足関節ストラテジーが使えず股関節や膝関節で代償しなければならなくなります。そうなるとかえって難しい課題となる可能性もあります。
<歩行>
ロッカーファンクションが生じることで、効率よくスムーズな歩行ができます。そのなかでもヒールロッカーは踵が床についてから底屈をしていきます。
底屈制限だと足関節の底屈は起きませんので踵接地後〜足底接地までの間で膝関節を屈曲して対応します。
言い換えると踵接地から装具が下腿を前方に押してきます。
膝が急に曲げられるので、重心が落ちそれを補うために過度なエネルギーを使用してしまっているかもしれません。
こちらの方がもしかしたら難しいかもしれませんよね。
底屈制限はむしろ難易度を上げている可能性もあることを考えておく必要があります。
これは能力が高い人で有れば底屈制動の方がよいけど、痙性が強い人は制限の方がいいといった感じで、対象者の能力によりどちらの装具タイプの方が難しいか変わってくると思われます。
じゃ、どんな対象者だったら制限でどんな対象者なら制動がいいんだ?ってなると思います。
正確には分からないというのが正直なところですが、
・痙性が強く制動だと負けてしまう
と言った場合は制限の方がいいと思います。
まとめますと
底屈制限が必ずしも難易度が低いわけではないのでは?ということにまります。
こういった記事も書いてます。気になるよろしくお願いします。