重度片麻痺患者の歩行が可能か不可能かを判断するには?


https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspo/31/2/31_115/_pdf/-char/ja

長下肢装具の効果はこれまで報告してきましたが、実際は作るか、作らないか迷うわけです。

これってなんでか?

長下肢装具が必要な患者さんは重度の方が多い→長下肢を作っても自立できなかったら長下肢が無駄になるんじゃないか→歩行可能か不可能かの判断ができないから、備品の装具で乗り切ろう!作らないいよう!

って思考回路なってませんか?

これはこれで間違ってないと思いますが、自分用の装具の方が筋活動は高いことが報告されています。

長期間長下肢装具を使用するなら、作製していくことが良いと思ってます。

では、歩行の可否を判断するにはどうすれば良いのか?

今回の論文で紹介してくれています。

長下肢装具を作製した49名の患者さん。歩行可能か、不可能だったのかを調べて影響が強かったものを上げてくれています。

結果は
①年齢
②体幹機能
③非麻痺側筋力
が影響が強かったとしています。

重度の麻痺があっても上記がしっかりしていれば歩行可能になる可能性が高いわけです。

これを見ると、麻痺だけの改善にとらわれてはいけないと思いますね。

年齢は変えようがない、仕方がないことですが、非麻痺側筋力はリハビリテーションによってどうにかなるかもしれませんよね。また、皮質脊髄路が障害されていれも、両側支配の網様体脊髄路等がはたられば体幹も改善してくるかもしれません。

そうなると、やはり歩行量、活動量、栄養などいろんなことを考えていかないとならないと思います。

とりあえずベットに寝かせてのリハビリテーションがルーティンになってる方いませんか?それは本当に必要なのか?必要な方はいいんです!ただ、なんとなくで寝かしているのは…?

この論文を読んだだけでも、明日からの臨床は変わってくるかもしれませんね。

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