「社会課題解決」と「ビジネス」の両立を目指すゼブラ起業を志す若者は地方へ行こう!
Z世代の起業志望者の特徴
僕が取り組んでいるVENTURE FOR JAPAN(以下VFJ)は、「起業家志望の新卒・第二新卒が2年間の期間限定で地方企業の経営者直下の事業責任者で就職する」というサービスを提供している。
VENTURE FOR JAPAN webサイト
上記の通り、VFJの対象は起業家志望の新卒・第二新卒であるため、様々な若者たちと話をする。
この起業家志望の若者たちの特性を整理すると、大きく三つに分かれる。
内訳は以下の通り。
1、ガンガン成長していきたいユニコーンを目指すような起業家志望者
2、社会課題課題解決と経済成長の両方を実現するゼブラ型の起業家志望者
3、「自分らしく生きていけるよう、自分の力で食ってけるようになりたい」という起業志望者(このテーマの方はフリーランス希望者も多い気がする)
参照
“ユニコーン至上主義”に「待った」の声。利益と社会貢献の両立を目指す「ゼブラ企業」とは?
VFJ参加者は上記の中では、「ゼブラ型の起業家志望者」が圧倒的に多い。(次に多いのは「自分らしく生きていけるよう、自分の力で食ってけるようになりたいという起業志望者」)
SDGsやESGの推進や社会課題がどんどん身近になっていく今の社会の流れ的に、このゼブラ型の起業志望者は今後もどんどん増えていくと思われる。
しかし、ユニコーンを目指す若者たちのコミュニティや成長機会/キャリアなどは整備されてきたことに対して、ゼブラを目指す若者たちのコミュニティや成長機会/キャリアに関してはまだまだ発展途上のように私は感じる。
VFJにやってくる若者からは「社会性と経済性の両立するビジネスを立ち上げたいという想いがあるが、どうしたらよいかわからず、まさにVFJのような仕組みを求めていました」という言葉がよく出るのだが、この言葉が発展途上であることを表していると思っている。
もっと彼らを受け止められる機会をVFJではもっともっと作りたいと思っているが、社会としても、もっとこの機会を作っていくべきであると感じている。
「社会課題解決」と「ビジネス」の両立を目指すゼブラ起業を目指すZ世代は地方へ行こう!
VFJの話をすると「なぜ勤務地が都市ではなく、地方なのか?」と聞かれることがある。もちろん地方創生の観点もあるが、私は地方はゼブラ起業を目指す人にとって学びの大きい場所と考えている。
理由は二つある。
一つは、地方は社会課題が山積していること。
地方は都市に比べて少子化・高齢化が著しく進んでいることが多く、様々な社会課題が山積している。その社会課題の中には、近い将来、他地域や日本が国として抱える社会課題もあり、「地方は日本の課題先進地だ!」と社会課題解決と向き合って挑戦している方々もたくさんいる。そんな社会課題に近い距離で仕事をすることで、「社会とは」、「社会課題とは」と深く考えることができる。
もう一つは、多様な組織や人と仕事や生活ができるということ。
地方は人口が少ない分、コミュニティが小さく、多様な人と交わる機会が多くなる。私自身の話をすると、新卒で入った会社は、大きな企業で同じような気質の社員が多く、世代も比較的近い人が多かった。いわゆる同質的な人が多かった。
その後、退職をして、人口6000人の東日本大震災の被災地である女川町に入った時は衝撃的だった。行政・議会・民間・非営利などの様々なセクターの方々や20代から80代までの様々な世代の方々、自分とは異なるキャリアや思考を持った人とたくさんコミュニケーションを取るようになった。自分が今まで話す機会がなかったような方々ばかりだった。「僕は同質的な場所にいて、あまりにも社会を知らなさすぎた。世の中の情報から知った気でいた。。。」と感じた。
また合わせて、社会は各セクターがどのような役回りをして、どのように動いているのか体感を持って、非常によく理解ができた。
最近、ソーシャルセクターの現場で話が挙がるコレクティブ・インパクト」に関しても理解が深まるのではと感じている。
コレクティブ・インパクト
地方は、「社会課題に近い場所で、社会の多様な人と出会う。」
ゼブラ起業を目指す人は、社会や社会の最小単位の「人」に対する感度が非常に高い。地方はそんな人材にとって間違いなくプラスに働くと考えている。見方によっては、今や地方は都市部より遅れているのではなく、進んでいる。
私たちはそう信じてVFJを行っている。
ゼブラ起業を目指す人はVFJでもいいし、地方インターンや地方企業の兼業・副業でもいい。飛び込んでみることをお勧めする。
※注意
都市部でも社会課題に向き合える場所や多様な人と関われる機会がたくさんあります。地方だけが良いと言いたいわけではありません。そちらはご理解ください・・・。