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第73回別府大分毎日マラソン

少し時間が経ってしまったが、別府大分毎日マラソンの総括を。当日は無事、別府大分毎日マラソンのスタートラインに立てた。

事前にお伝えしたように、大会6日前に感染性胃腸炎を患ってしまい、今回ばかりは出走が危ぶまれる状況だった。下痢、嘔吐のほか40度近い高熱が1〜2日続き、解熱しても万全での出走は100%無理だと考えていた。

それでも、今季の勝負レースでもあり、また『幼馴染みと一緒に出場する』という強い思いがあったため、万全でないにしろ出走しない選択肢は徐々になくなっていった。

大分空港にて紹介頂きました。

とはいえ、解熱して水木金と3日トレーニングを行ったが、通常のジョグでさえ心拍数がいつもより高く、少しペースを上げると呼吸が苦しいのも明らかだった。

また、食欲が戻らず、木曜までは食べても茶粥程度で、金曜に少し食べれるようになったが、大分入りした直後のお昼もやはり食べ切れなかった。幼馴染みと合流した夜、ようやくうどんと天丼を食べ切ることができた。

カテゴリー2の選手ID

レース前日、土砂降りの中受付完了。寒かった。

今回はカテゴリー2での出走だ。カテゴリー1〜4まであるが、カテゴリーが上がるに連れて更衣場所やウォーミングアップエリアの待遇が良くなっていく。また、スタート地点へのシャトルバスの時間も各カテゴリーの中で更に細分化されており、カテゴリーが下がるに連れ極端に時間が早かったり遅かったり、『好待遇を受けたければ速くなれ。』と言わんばかりのメッセージを感じた。

なお、一般大会と異なり、スタート整列場所がゼッケンであらかじめ割り振りされているのはとても良かった。集中力を高めたいときに、『速く並ばなければいけない』というストレスが0なのはありがたい。

今季の目標は福岡B標準突破の2:35カットだった。しかし秋以降調子が上がらなかった現実もあり、今回のターゲットはPB1分更新の2:37と考えていた。だがそこに追い討ちをかけるように体調を崩し、目標は更に下方修正せざるを得なかった。

正直、どれほど走れるのか検討が付かなかった。だが勝負レースの別大まで来て2:40はカッコ悪い…なので40分カット狙いで行けるとこまで攻め、落ちれば2:42〜43でも仕方ないと考えていた。

お馴染みのうみたまご

スタートは正午。スタート時のコンディションは気温9度、風はほぼなし。例年の別大を考えると風がないのは珍しく好コンディション。

今回、ラップは5kmごとに取ることにした。体調面に不安があったので、時計を見ず感覚で走りたいと思っていた。

入りの1kmはチラッと時計を見た。3'40弱だった気がするが、動きは良い。2kmも同ペースくらいだったと思うが、心拍数だけは見逃さなかった。160程度で推移し、実際もかなり余裕を感じていたので、思いのほか今日は走れそうなフラグが立ってきた。

2〜3km辺りで妻と幼馴染みの奥さんの応援を受ける。思わず『今日は行けるわ!』と言ってしまった。笑

5kmの通過は18'29。18'45くらいを想定していたので、快調だった。その後10km、15kmと徐々に落ち着くのかと思ったが、18'39-18'26と思った以上に順調に走れている。

しかし大会が第73回も続いているのは凄い。これだけ主要道路を止め、普通であれば住民から理解を得られるのも難しいはずだが、沿道にはぎっしり応援してくれる人がいる。もちろん同行している家族や追っかけ(特に今回大学生の有力選手も多かったので)もいるのだろうが、これだけ歴史のある大会なので、きっと地元の方も恒例行事のように観に来ているのでは…と感じた。

レースに話を戻すと、中間点の通過は1:18'09だった。序盤下り基調だった去年の東京マラソンより少し速い。正直、この段階でもどこまで身体が持つか読めなかった。ただ、高低差が少ないおかげか、同じ動きではまだしばらく走れそうな感じはあった。

そして30km手前、2度目の応援。この時はかなりゾーンに入っていたが、『自己ベスト出るよ!』の声はしっかり拾っていた。もちろん自分もその気でいた。

20kmからのラップは18'14-18'11。30km通過が1:50'32。3'30台までペースが上がり、本当に直前まで寝込んでいたのか?自分でも恐ろしいくらい底力を発揮していた。やはり、この大会に懸ける思い強かっただけに、心の中ではまだ諦めていなかったのかもしれない。

30-35kmのラップも18'27。今日のレース、ハーフの通過時以外はトータルタイムを一切認識していなかったが、3'30台のペース帯に突入してから、うっすらと『福岡国際マラソン』の文字が頭に浮かび上がってきた。ハッキリと計算はできなかったが、このまま3'35くらいで押していけば、34分台が出るような気がした。

これは本当にうっすらだった。病み上がりだったのでそこまで考えていなかったし、リアルには『35分台が出るかどうか』くらいだろうと推測していた。

何としても幼馴染みとPBを出したい!

35km前後には小さなアップダウンが数回あり、35〜36kmの坂で脚の動きが鈍くなったのが分かった。36kmで時計にチラッと目をやると3'50くらいでペースダウンしていたので、ここからが本当の耐えどころ。40kmまで一切時計は見ないこととし、なるべくこれまでの動きを再現すべく身体を動かした。

あと2.195km。この5kmのラップが18'45。感覚は19分台前半だったのでよく耐えた!けどまだトータルタイムは見ない。

『ラスト2km』の表示で今日2回目のトータルタイムを確認した。2:28'30辺りだった。残り2kmを3'45で行けばギリギリ35分台に乗るかどうかといったところ。これまでの走りなら行けそうだが、さすがに40km走った後なのでペース維持が微妙になってきた…

そしてようやく…

2時間36分10秒!(ネット2:36'04)

一度は絶望したこのレース、まさかのPBを2分25秒更新。さすがに想定していなかった。

この時は興奮して気丈だったが、更衣室へ戻る際には色々込み上げてくるものがあり、嬉し涙してしまった。笑 この一週間は長く辛かった。。。

※最後は20秒程時計を止めれていなかった。

ラスト2kmは小さなアップダウンを攻略できずあと一押しできなかったが、レース前の状況を踏まえると100点以上のレースだった。そして少し先に見えていた福岡国際マラソンの壁が、一気に近くなってきた。体調が万全だったらどうだったのか…とも想像したくなるが、そこは伏せておきたい。

そして幼馴染みも見事なPB。彼が帰省する度に一緒に走り、去年は東京マラソンの応援に駆け付けてくれるほどの仲だ。(何より鼻水垂らしていた2〜3歳の頃からの仲)久々に一緒に走るレースで揃ってPB、これ以上ない最高の結果だった。応援してくれた彼の奥さんも含め本当に感謝しかない。

祭りの後のこの景色。時間がゆっくり流れていた。

会場を離れ、4人で市内を少し散策した。別府を訪れたのは大学生の時以来だったが、変わらず町中湯気だらけだった。

この日を境に食欲が一気に戻ってきた。夜はたくさん食べ、ホテルのラウンジで遅くまで語ったのは良い思い出。

翌日は別府、湯布院を観光した。飛行機は夜の便だったので、温泉に浸かったり思ったよりゆっくりできた。湯布院は山間で寒かったが、店が多くてとにかく退屈しなかった。

しかし本場の風呂は熱かった…笑

これにて別府遠征は終了。同時に、今季のマラソンも終わり、少し肩の荷が下りた感じがする。

一方で、記録を狙うマラソンは来シーズンになると思うが、夏までにもう1本どこかでマラソンを入れるかもしれない。例年だと4月くらいからトラックレースに出場するけど、今年はもう少しロードで引っ張ろうかなと…

最後に、直前(胃腸炎前)のポイント練習を。

新宮駅伝後の1/22。レースペースで20kmを走っていた。心拍数はやや高めに出ているが、実際のレースのように余裕を持ってこなせた印象。

1/26。600m×12(r200)。中学生からも参加したいと声があったので、途中まで一緒に走ってもらった。閾値を少し上回るペースだったが、最後までかなり余裕があり気持ち良く上がれた。

1月は結果的に400kmポッキリで終え、例年の1月に比べ量はやや少なめだったが、比較的ポイント練習は外さずこなせた。ジョグも1〜2年前のような150'や180'を行うことはなかったが、ミドルペースでのジョグを何度か実施した。

特段この1ヶ月での練習が結果に繋がったとは思わないが、どこかに痛みを感じることもなく、計画した練習も着々とこなし、心身共に状態が良くなってきていたのかもしれない。秋は中々状態も上がらなかったが、一皮剥けたことは自信になるし、この後のハーフや駅伝でもキープしていきたいと思う。

また来年行こうかな。

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