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深夜の大濠公園で日本の治安のお得さを叫ぶ

9月19日(日)晴れ

暑さもひと段落し、夜風がとても気持ちよくなってきたので、深夜に自転車で大濠公園を散歩してきた。

大濠公園は巨大な池を囲むように緑が広がっている公園で、福岡市のセントラルパーク的な公園である。

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着いてみてビックリ。深夜1時をまわった時間帯にも関わらず、けっこう人がいて、池沿いに並べられたベンチはほぼ埋まっていた。

連休中日の日曜日ゆえ、おそらく僕と同じように夜風で涼もうと思った人が集まったのだろう。深夜でもこれだけの老若男女が集まれるのは大変贅沢だと感じた。

こういう時に日本はいいなとつくづく感じてしまう。
日本は「治安」にコストを払う必要がほぼない安全な国で、この素晴らしさは日本を離れてみないとわからないのかもしれない。

僕が一時期住んでいたアメリカを例に出すのは少し極端かもしれないが、これはアメリカに限った話でもないだろう。深夜に女性が一人で公園で涼むなんてことは、少なくとも都市部では安全面を考えるとなかなかむずかしい。そしてそんなことができる安全なエリアに住むためには、相応のコストがかかる。

日本での家賃の相場は、駅や繁華街に近いなどの利便性で決まり、安い地域に住むということは、多少の不便さを受け入れるということだろう。しかしアメリカの安い地域には利便性以外に、治安の悪さというデメリットがどうしてもついてきてしまうし、実際危ない目にあった友人を何人か知っている。よって僕ら日本人が安心して住めるレベルとなると、やはりそれなりの出費は避けられない。

ある日僕が住んでいたフィラデルフィア郊外の街で、連日デモが起こっているというニュースを見た。そこでは新しい鉄道網が計画されており、その街に駅ができるかもしれないという。

意味がわからなかった。
近くに駅ができて何が悪いのだろう。むしろ便利になっていいじゃないか、と日本人の僕は思ってしまったが、駅ができる→車を持っていない低所得者が集まってくる→治安が悪くなる、という流れを住民の方々は危惧しているらしい。アメリカの治安確保の必死さがよくわかるニュースであった。

そんなことを思い出しながら、大濠公園の夜風に吹かれていると、実にお得だなと考えてしまったりする。日本で治安は空気のようにタダなのだ。

数年前、日本人が感じる日本の良さランキングみたいなものがあって、1位が「四季がある」だったことにずっこけたことがあるが(四季なんてどの国にもある)、僕は日本の一番いいところは間違いなく「治安」一択である。

日本人は平和ボケしているとよく言われるし、実際そうだと思う。でも平和ボケできること自体財産ではあるまいか。女性が一人で夜道を歩ける。カフェでPCを置いたまま席を離れられる。深夜の大濠公園でボケーっと池を眺めていられる。この治安だけは財産として後世に残したいものだ。

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