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石を描きに南国に行ってきた
久々にイラストボードを買ってきて、ペンで石を描いてみた。
最初は気に入った石の写真を見ながら全体の形をとるが、そのあとは何も見ないで手を動かす。
0.1mmの製図ペンで細い線をひたすら書いていくと、線と線の重なりから自然と凹凸が浮かび上がってきて、勝手に石の表情が決まってくる。
自分で描いていながら、どのような石になるかは成り行き次第というは禅的だなと思いながら、ひたすら線を重ねる作業が面白くて、一度始めるとつい没入してしまう。そして気づくとペンのインクがなくなるほどの線で埋め尽くされた石ができあがっている。
細かい単純作業の繰り返しにハマってしまうのは、子どもの頃からの体質のようなもので、久々にやってみるとこれがまた心地よく、僕にとってはメディテーションに近い。とにかく書いていると無心になれて落ち着くのだ。
これに味を占めた僕は、イラストボードを担いで南方へ向かった。
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エアビーでとった沖縄の宿は、海が見渡せるバルコニーつきのコンドミニアムだった。
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バルコニーやばい。眺望がやばい。
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付近での撮影を終え、宿に戻ってから、バルコニーにイラストボードを持って出た。
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涼しい風に吹かれながら、サンセットの海を眼前に石を描くのは、最高に心地いい。
夜に虫の大合唱に包まれながら石を描くのも、また最高に心地いい。
早く起きた朝に、鳥の声と朝靄に包まれながら石を描くのも、またまた最高に心地いい!
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「こんな心地いい時間があっていいのだろうか!」
僕は常々、天国も地獄も人間の創造物である以上、どちらもこの世界にあると思っているのだが、また一つ、自分にとっての天国を発見してしまった。
発見した以上はもっと天国は探索しないといけない。僕の石を描く旅はこれからも長く続きそうである。
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(南国日記は多分もう少し続く)