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海にプールに温泉に…なぜヒトはそんなに水に入りたがるのか(人類とアクア説)

なぜヒトは水が好きなのか。

長年自分の中で疑問だった。

海にプールに温泉に、何かと人は「水の中」に行きたがる。

僕も水のある景色が好きだし、水の音は大好物なのだけど、いかんせんHSPよろしくな敏感体質ゆえ、水に入るのはなんか敬遠してしまう。ちょっと刺激が強すぎるのだ。特に足の裏が敏感なので、裸足で歩くのが大きなストレスになることに最近気づいた。

南の島などに行った際は、記念に一度は海で泳いだりするけれど、一度入ればもう満足。海は入るより眺めているほうが断然よい。

温泉にはそもそも興味すらない。風呂に入るだけのために、わざわざ新幹線に乗って行く意味がわからないし、赤の他人と風呂に入るくらいなら、自宅のシャワーのほうが気楽でいい。

海外ではジャグジーなんてものがあって、水に浸かりながら盛り上がってるパリピな方々を見ると、「そこまでして水に入りたいのか…」と思ってしまう自分がいる。

そんな人類の「水好き」についていけない僕は、最近興味深い説を見つけてしまった。

アクア説だ。

アクア説とは、ヒトがチンパンジー等の類人猿と共通の祖先から進化する過程で、半水生活に一時期適応することによって直立二足歩行、薄い体毛、厚い皮下脂肪、意識的に呼吸をコントロールする能力など、チンパンジーやゴリラなどの他の霊長類には見られない特徴を獲得した、とする仮説である。水生類人猿説(すいせいるいじんえんせつ)とも呼ばれる。

Wikipediaより

簡単にいうと、ヒトがサルから進化する間の一定期間、水辺で水に入りながら暮らしていたのではないかという仮説だ。水に入ることで、猛獣などから身を守ることができるし、魚など食料も豊富だ。

人間が二足歩行になったのは、水中ではそのほうが都合がいいからであり、体毛がなくなったのも、それで説明がつく(髪の毛が残ったのは、太陽から頭を守る必要があったから)。

さらに体毛の代わりに、皮下脂肪で体温を調整するのは、クジラやオットセイなどの水棲哺乳類に見られる特徴で、水の中で生きるのに適している。

なぜか赤ん坊の頃から泳ぐことが可能で、遊泳能力は他の霊長類に比べ圧倒的に高い。水中で息が止められるのも、陸上動物ではめずらしい特徴である。

などなど、論拠はいろいろあるが、ただそれを裏付ける証拠が見つかっていないため、まだ「トンデモ論」の域を出ていないことは付け加えておきたい。

アクア説は、サルからヒトに進化する過程のミッシングリンク(わかっていない部分)を説明するための一つの仮説ではあるが、自分にとっては「なんでヒトは水に入りたがるのか」という疑問に対する有効すぎる説で、「絶対あるだろそれ!」と興奮してしまった次第。

犬も猫も、他の多くの陸上動物も、水を怖がったり、嫌がったりするのに、人間だけは嬉々として水の中に直行していく

旅行やバカンスも、行き先のほとんどは水の近くだ。水がない場所には、わざわざ穴を掘って水を入れるほどの「水フェチ」。水を見るのも入るのも好きすぎて、水に入るためなら大金を払うことも厭わない。これは絶対に進化の過程で「水」と大きな交わりがあったに違いない。

この夏も、世界中で「水の中」への大移動が始まることだろう。もしもアクア説が正しいのなら、それはかつての「ホーム」への帰郷なのかもしれない。

皆さん今年もよい夏を!

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