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得失点差だけで順位を導き出す方法ーサッカーは勝点1から始まる
得失点差とは何か?
説明するのは、簡単ではある。
全試合の全得点から全失点を引いたものである。
さて、ここからが問題である。
下表は、J1リーグ第21節の得失点差のみの順位表である。
ここでは、チーム名の入っていない「戦績表」が与えらえ、そこから「得点」、「失点」を計算するとする。議論をシンプルにするため、得失点差がプラスの9チームを挙げる。
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ここで、「あれっ」思うのは、必ずしも得失点差が大きいチームが、上位にいるとは見えないのである。2番目に得失点差の大きいチームが7位だし、逆に7番目に大きいチームが3位である。
これをどう分析すれば、いいのであろうか。
「サッカーは勝点1ずつから始まるゲームである」というが、私の主張である。1回目のコラムで、その観点から見るとサッカーの「得点」は3つに分けられ、その重み付けが違うと主張した。「先制点は勝点2」、「同点点は勝点1」「追加点は勝点0」というのである(下の記事を読んでください。)
そこで、追加点は価値0なので、「追加点を除いてはどうか。」ということである。それは、「追加点をいくら取ろうが、勝点は増えない。」からである。
ぶっちゃけた話、1−0で勝とうが、5−0で勝とうが勝点は3は3である。1−0を2−0にしようが、勝点3は3である。そこで、追加点を引いたのが下の表である。もちろん、対戦相手の失点からも追加点を引いている。
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得失点差の列を見ていただきたい。だまされたと思われるかもしれないが、このようなきれいな数列が得られる。
ここで、私が見ていた戦績表に欠けていた、チーム名、勝点の入った完全な戦績表が与えられたとする。それをもとに作った、順位表が下のものである、
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さて、私たちは、上の表から何を読み取ったらいいだろうか。
① 追加点の価値を勝点0とするのは、かなり有用であるということである。
② そこで追加点というノイズを取り除くと、得失点差は勝点を説明する変数として使えるということである。
③ 得失点差が大きいチームは、概して追加点で得失点差を稼いでいるということである。つまり、勝点に関係のない点を多く取っているのである。
例えば、広島である。得失点差が+16であったチームから、勝点に関係のない点数、つまり追加点を引くと、+5となり広島の7位という順位を妥当であると推測できる。
ただし、ここで非常に重要なことは、得失点差は、順位を決める上で2番目に重要な数字であるということである。すなわち、「ルールでは、勝点が並んだ場合、得失点差で順位が決められることになっている。」
すなわち、勝点をとる効率という点では、追加点は価値は0とみなされるが、その量としては、大いにこしたことはないのである。
これは、何も矛盾したことではなく、統計において、大事なことである、議論の「層」が違うということである。
「量」と「効率」、すなわち「量」から「効率」に行くには「確率」という概念を導入しなければなく、全く異なった話をしているということである。
参考までに、下に、補正前と補正後の「得失点差と勝点」のグラフを挙げておく、如何に散らばりが収まってくれるか分かる。
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プロット:順位、勝点
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プロット:順位、勝点