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サッカーを学ぶ

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サッカーについて考察しております。主に統計的手法。そして、法学・社会学的手法を用いております。また、ゲーム理論を用いた分析もいずれは行いたいと思います。
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2025年2月の記事一覧

順位表の新しい見方!?-マラソンに例えるみる。当たり前だけど忘れがちな見方。

順位表の新しい見方!?-マラソンに例えるみる。当たり前だけど忘れがちな見方。

順位表とは何か?「何を今さらお前は言っているのだ。」とバカ扱いされそうだが、昨年の順位表を見ていて、ふと思ったことがある。

それは、私は勝点を「絶対値」として捉えているのではないか、ということである。具体的に説明しよう。以下は、2024年シーズン第30節終了時の順位表である。

ここでは、1位と町田と5位のG大阪の勝点に着目してほしい。町田58点、ガンバ大阪48点である。あなたが、ガンバ大阪のサ

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なぜロングスローは論争となるのか③ー競技規則を読み解き、「タオル論争」に答えを出す。

なぜロングスローは論争となるのか③ー競技規則を読み解き、「タオル論争」に答えを出す。

ロングスローを語る上で、本節の町田×広島戦を注目しないわけにはいかないだろう。そう、くだんの「タオル事件」があった対戦であるからだ(タオル事件については各自調べていただきたい。私は、リアルタイムでニュースを追わなかったので詳細は分からない。)

私の立場

今シーズン、町田がどのようなスローインを行うかは、蓋を開けてみるまで分からないが、現時点では昨シーズンの継続を志すようだ。いずれにしろ、「タオ

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なぜロングスローは論争となるのか②ー規制の論陣を張ってみる。

なぜロングスローは論争となるのか②ー規制の論陣を張ってみる。

(前回の続き)
まず、私も「競技規則」を解釈するまで知らなかったのであるが、いわゆる「ファウル・スロー」というものは存在しないのである。もう少し噛み砕こう。競技規則に則らない「スローイン」をしても、反則(ファウル)ではないのだ。

これは、競技規則第15条スローイン、1項「進め方」の中程を読んで欲しい

「スローインが正しく行われなかった場合、相手チームがスローインを再び行う。」

この「再び」と

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なぜロングスローは論争となるのか①ースローインという行為を問い直す

なぜロングスローは論争となるのか①ースローインという行為を問い直す

なぜロングスローは論争のたねになるのであろうか。

例えば、極端な例をあげると「ロングスローはサッカーではない。」という人もいる。また、そこまで行かなくとも、「違和感を感じる」という人もいるであろう。

これに対して、「ルールに則っているのだから、いいではないか。」という反論が大方返ってくるであろう。

この論争は、不毛であり、そもそもかみ合うはずはない。なぜなら前者は、美学的な価値観から述べてお

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球技における「数的優位性」とは何かー「ゾーン」という概念を考える。

球技における「数的優位性」とは何かー「ゾーン」という概念を考える。

「ゾーン」とは何か。

昨日のスーパーボウルを観ていて、ふと考えた。イーグルスの「ゾーン守備」がチーフスの攻撃を圧倒して終わったのだが、この例のように我々はスポーツを観る上で、当り前のように、「ゾーン」という言葉を使っている。

例えば、NBAでは「ゾーン守備」というものが、かつては禁じられていた。ルールの詳細については省くが、マイケル・ジョーダンのポスト・アップからのフェイダウェイ・シュートは、

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球技における「数的優位性」とは何かー選手能力の向上、カウンター、数的優位性の確保

球技における「数的優位性」とは何かー選手能力の向上、カウンター、数的優位性の確保

前回の記事では、現代の球技の戦術を貫く根本的な考え方を紹介した。「数的優位性」、これである。ここで、強調しなければならないことは、選手のアスリート能力が飛躍的に向上したということである。

球技においては、攻守の切り替えが頻繁に起こる。ボールを奪われた選手はすぐに第1ディフェンダーとして守備に回らなければならない。そして、他の選手もボールを奪われた瞬間にディフェンダーとなる。

ボールをどの位置で

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