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「畳み人」という選択。其の壱

「畳み人」という選択 ー設楽悠介

あなたは「畳み人」をご存知ですか?

「畳み人」とは経営者やプロジェクトリーダーの

突飛なビジネスアイデアを着実に実行し

形にできる人のことを指します。ー設楽悠介

どんなに奇抜でまだ世にないアイデアを

考えつくことができても、

形にして世に送り出さなければ

そのアイデアは無かったも同然です。

「広げ人」と呼ばれる、

突飛なアイデアやビジネスモデルを

考えつく人の横には必ず「畳み人」がいます。

世の中の全てはこの「畳み人」によって成り立つと

言っても過言ではありません。

畳み人はAIで代用できません。

広げ人が考えたアイデアを

広げ人の感じる情熱を

広げ人が描く理想の形を

そのままに受け取り、

畳み人はそれを共有できる仲間を作り

コミュニケーションをとりながら形にするからです。

これはどんなビジネスや仕事や趣味にも通用する

とても魅力的なスキルです。

広げ人というのは気まぐれで突拍子もないことを

考えてはテンションがあがる生き物です。

急に閃いたアイデアについてちょっと考えては

「まだ世にないぞ!」

「俺が一番最初に考えたかもしれない!」と

興奮しすぐさま実行したいと考えます。

多くの広げ人は「畳む技術」を持っています。

自分で思いついたアイデアを形にするために

新規事業を立ち上げたり企業をする必要があるからです。

どんな人でも「広げ人」にも「畳み人」にもなれますが

どちらの仕事にも面白さがあるので

好きな方を選ぶと良いでしょう。

広げ人はアイデアを考え出して形にしよう!

と思った時からすごい熱量を抱いています。

そのアイデアにまず一番に共感するべきなのが

「畳み人」です。

広げ人が仕掛けようとしている遊びを

畳み人がみんなに伝える共犯者になる。

これは畳み人の鉄則です。

広げ人は自分が考えたアイデアを否定されるのを

強く嫌います。

なぜなら広げ人は思いついたアイデアに

自信を持っていますし熱量も込めているからです。

なのでどんなに大規模なアイデアや

どんなに難しいアイデアでもまず最初は共感することが

畳み人には求められます。

そこから具体的に形にして世に送り出すかを検討し

現実問題それが難しくできないとなった時は

失敗となりますがそれは畳み人やチームの腕次第です。

広げ人から飛び出る新しいアイデアには

まず最初は共感しましょう。

頭ごなしに「それは難しいよ」と言っては

畳み人失格ですし広げ人からの信頼も失います。

広げ人は気まぐれなので、

自分で思いついたアイデアにすぐいろんなものを

付け足したり削ったりすることがあります。

それを受け入れることも畳み人の仕事です。

付け足すものがどんなに規模の大きいものや

技術的に難しいものだとしても

削られたものが今まで10時間かけて

制作していたものだとしても

畳み人はこれを受け入れて形にするのです。

なぜならそれが広げ人が肌で感じて考えついた

新たなビジネスの形だからです。

時には失敗したりトラブルが起きたりすることも

たくさんあります。

提携した取引先が倒産したり、

納品されるものの期限が遅れたりすることもありますが

畳み人はトラブルには前向きになる必要があります。

畳み人にとってトラブルは経験値そのものであり

多様なトラブルに対応できるようになることで

畳み人としてまた一歩成長することができます。

そのようなミクロなリスク管理も畳み人の仕事です。

もちろん倒産するような会社には発注しないことや

納期の管理や仲間とのコミュニケーションや

外部からの影響などありとあらゆるリスクを想定します。

そして畳み人は広げ人にマクロなリスクだけを伝えます。

もし出版する本が一冊も売れなかったらどのくらいの

損益が出るのかと言った最悪の事態の程度を伝えて

広げ人のアイデアが萎縮しない程度に管理するのも大切です。

トラブルや広げ人からの提案への対応や社会の変化、

円滑なコミュニケーションや取引先との関係などに

冷静に対応する精神力が畳み人には必要になります。

また畳み人は仲間やチームメンバーの能率とやる気を

しっかりと引き出すことも一つの仕事です。

広げ人が考え出したアイデアを形にすることに

携わる仲間にどのような意義と役割を与えて

広げ人の熱量を受け継がせるかを考えます。

広げ人はアイデアが形になることが

いちばんの喜びですが、

それに携わる仲間はそれぞれに広げ人よりも

ミクロな目的を持たせなければより良いものを

作ることはできません。

そのためにも仲間にどのような役割を与えるか、

どのような目的を持たせるのかということは

とても大切な畳み人の仕事の一つです。


「畳み人」という選択。其の弐へ続く。

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