スタンフォード式疲れない体。Ⅲ
スタンフォード式疲れない体 ー山田知生 著
今回は疲れない体を作るために
具体的にどう体にアプローチすれば良いかを
記述していこうと思います。
疲労の解消にフォーカスした「究極の対処療法」
日本人は世界的にみても疲れている国です。
2016年度の厚労省のデータでは
日本の30・40代のおよそ3割の人たちが
「睡眠で休養が十分に取れていない」と答え
世界には日本の”過労死”という言葉は
そのままkaroshiとして記事にもなりました。
東京の平均睡眠時間は5・59分と世界と比較しても
短いという傾向にあります。
学生の頃さえ「1日睡眠は6時間!」と
先生に言われた経験はないでしょうか。
これでは普通に生活しているだけで疲れます。
このために「休日はたっぷり寝て疲れを取ろう」
と考える人がたくさんいると思いますが
残念ながら週末の寝溜めでは睡眠不足による
ダメージは解消されずに、
家でじっとしているだけでは疲れは
取れないどころかむしろ増える可能性すら
指摘されているほどです。
そこで今回は
・「すでに疲れている人」
・「今の疲れを簡単に解消したい」
人に向けた超・対処療法的疲労回復法
を紹介します。
疲れに対するアプローチ
そもそも人間は普通に生きていて
毎日睡眠を7時間取っていても疲れます。
それは人間の体が左右対象でないからです。
人間の横隔膜は右側の方が厚く
大きなドーム型をしています。
横隔膜の右側に肝臓が付着しているからです。
初めから体は左右対称でないので、
長年放っておくと体のバランスは勝手に崩れ、
ベストポジションではなくなっていきます。
何か対策をしなければどんなに健康な人も
「疲れた体」になるということです。
疲労をリセットする「動的リカバリー」法
「疲れたら伸びをしたらいい」
これを聞いたことがない人はいないと思います。
ではどうして疲れたら伸びをするのでしょうか。
それは疲れたことで筋肉が硬直しているから
それを伸ばそうと「伸び」をするんですね。
しかし一時的には気持ち良くても
慢性的な疲れはこれでは取れません。
なぜなら体の硬直はあくまで”疲労の結果”であり
原因に隠れているのは「体に妙な癖が付いている」
からです。
脳の指令と体の動きにズレが生じている状態では
それを補うために違う部分でカバーしようとします。
そうして体に変な癖が付いていきます。
また動的リカバリーとはそのままの意味で
「体の変な癖」を解消するために
中枢神経に働きかけつつ疲労回復に効果のある
「軽度の有酸素運動」を行うことで
「体の疲れ」も「体の変な癖」も一緒に解消する
というアプローチです。
「疲れないためにじっとしている」よりも
体を軽く動かした方が血液の流れが促進され、
脳と筋肉にたくさん酸素を送ることができ
疲労物質の対流を防ぐことができるのです。
ビフォーリセットとアフターリセット
「体の癖の矯正」と「疲労回復効果」を
高めるために行うのがこの
・アフターリセット
です。
これをやった後にIAP呼吸法もやると
より一層効果的です。
※こちらも文字だけで説明すると
わかりづらいと思いリンクを貼っておきます。
(ビフォーリセットの文字をタップしてください)
日本人特有の疲れ
「朝から晩までデスクで仕事して疲れた」
この状態の人たくさんいるんじゃないでしょうか。
そのせいで「腰が痛い」「肩がだるい」と
抱えきれなくなった疲れがその時の状況で
肩や腰や目に現れているのが「部位疲れ」です。
ずーっと座っていると下半身が疲労します。
「お尻の筋肉は体のエンジン」と
アスレチックトレーナーは言います。
それほど大事で、
長時間座っていることでエンジン不良に
陥ると言うことです。
日本の成人は平均して1日に7時間座っており、
世界一だそうです。
座ってばかりいると血流と代謝が悪くなり
狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病になる
リスクも高まるそうです。
やはり座りすぎを防ぎ、
座りすぎによる体の不調に陥らないために
座りっぱなしを避けて30分に一回は立ちましょう。
また、
座ったままでもできる「3レッグス」メソッド
も紹介したいと思います。
画像参照↓
また肩こりにも効く「肩甲骨ムービング」も
紹介しておきます。
画像参照↓
またデスクワークのせいで慢性的腰痛を
抱えている人もいるでしょう。
そんな人にはIAP呼吸法です。
腹圧を高めて脊柱を安定させると
腰の負担が減り腰痛改善に効果があります。
究極の修復レベルで眠る「睡眠回復術」
最後に回復率を高めるために欠かせないのが
「睡眠」です。
眠れていないと疲労の蓄積が早くなったり
一日中体が重かったりとパフォーマンスが
ベストの状態にはなりません。
睡眠も大切な自己管理の一環なのです。
ブリュッセル自由大学の研究では
1日5時間睡眠を1週間続けた男性は
テストステロンの分泌率が10~15%減少
すると報告されています。
テストステロンは男性ホルモンの一種で
筋肉増強や疲労回復にも影響する働きをします。
風邪のウィルスを持ってしまった場合、
7時間以上の睡眠の人が風邪を引く確率は
17.2%に対し、
5時間以下の睡眠の人は45.2%に増加。
5時間睡眠は糖分の代謝が約40%下がり
太りやすくなることも証明されています。
この事実から最低7時間は寝ることが必要だと
いうことが分かります。
また睡眠を取るときに大切な
「睡眠4原則」があります。
①「夜更かし」も「早寝」もしない。
「就寝時間」「気象時間」「睡眠時間」を
極力変えずに固定する。
②「週末」に体内時計を狂わせない。
前述したように人間は寝溜めはできません。
睡眠は「崩れるのは簡単だが戻すのは大変」
なので睡眠の時間をできる限り固定しましょう。
③「ベッドに入る90分前」までに入浴。
バスタブに浸かると深部体温が上昇します。
深部体温は「上がるとより下がる」性質があり
下がったときに人は眠くなります。
入浴直後は深部体温が上がった状態なので
寝付きが悪くなり睡眠の質が下がります。
④就寝前にIAP呼吸法をする。
この呼吸法は副交感神経を優位にして
「回復作業」をサポートします。
※この呼吸法はパートⅡの記事に説明があります。
以上が疲れに対処する具体的アプローチでした。
では次のパートで。