
【ツイステ考察】スカリーの出身地は薔薇の王国の端っこ説
作中で明確になっているスカリーの出身地は「霧深い谷底にある小さな村」です。

この「霧深い谷底にある小さな村」があるのが、ツイステ世界の地図では、後述の理由から薔薇の王国の端っこの、それこそ黄色い丸の辺りではないかと考えます。

では、現実世界ではどこに相当するのでしょうか?
今回はそこに焦点を置いて考えていきます。
前提
ハロウィンとアイルランドやケルトの関係性や、スカリーと薔薇の王国の関係性については先駆者によりなされています。
スカリー君のおおよその誕生年
— みょん (@myonmyon5050) October 4, 2024
現実のハロウィンの広がりをベースに考えると19世紀、つまり現代(2020年代)から数えて「200年くらい前の生まれ」の可能性があるかも?
ちなみに『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の題名の元ネタである詩「クリスマスのまえのばん」の発表年も1823年なので19世紀
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スカリーが過去の人なら現代では故人か否か
— みょん (@myonmyon5050) October 23, 2024
マレウスを知らない彼が200年程前の生まれだとして妖精族なら寿命問題が解決するけど「髪で耳の形が分からないキャラデザ」だし可能性はあると思う
というのもアイルランドには19世紀の飢饉に関連する「白髪で痩せた姿の孤独な妖精」の伝承があるんだよね
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あぁそっか。
— きいろいなにか (@Y__wwwsomething) October 26, 2024
スカリー君、君は最初から「ハロウィン」を見失っていたのか。
ジャック・スケリントンが「クリスマス」に憧れハロウィンの王である自分を見失ったように。
よくよく考えたらおかしい。
静かなハロウィンを求めるスカリーの姿はジャックの思想と正反対だ。 pic.twitter.com/mHCRO2kinE
霧深い谷底の村とはどんな場所?
「霧深い谷底」を地理的に考える
そもそも霧が発生しやすい条件とはなんなのでしょうか?
・湿度が高いこと(空気中の水蒸気量が多いこと)
・気温がある程度急激に下がること
の2点です。
上記の2点を満たす地形が、山間部や盆地となります。
中でも、発生した霧が溜まり「霧深い光景」を生み出す地形が盆地なのです。
霧の発生メカニズムから、スカリーの発言にある「霧深い谷底」を考えると、海からの風が山を越える→山を越えた先の盆地に下降気流が発生し霧が溜まるような土地と考えられます。
この、霧が溜まった光景のイメージとしては日本だと竹田城がわかりやすいかもしれませんね。雲海って要は霧なので。

【閑話休題】
さて、ヨーロッパに目を向けます。
グリーンランドから地中海方面に流れる偏西風の影響を受けるのがアイルランドです。
また、アイルランドの気候は寒冷で湿度が高めの為、霧が出やすいです。
となると、アイルランドのどこかの盆地と推測できます。
その上で上述の霧が発生し、霧が溜まりやすい地形を地図と睨めっこして浮かび上がって来た場所がアイルランド北西部に位置するコナハト地方のグレニフホースシューです。

アイルランド北西部コナハト地方スライゴ州グレニフホースシュー

あれれーどっかで見た丘ですね…?(すっとぼけ)

グレニフホースシューを反転させたものを、月の輝く丘と並べたらあら不思議。どこか似ています。

さて、コハナト(コノートとも。今回はコナハト表記に統一)地方とは、アイルランドの中でもフィヨルドによるU字谷が多い地域です。
加えて、ケルト文化がアイルランド内で最も残存しているエリアなのです。
FGO民からしたら女王・メイブの治めるあの場所といったらイメージしやすいでしょうか?

尚、スカリーのハロウィンに関する言及からわかる閉鎖的なお土地を鑑みるに交易しやすい土地や海沿いを除いた結果、
・南部のマンスター地方&レンスター地方→ノルマン貴族の影響が大きく除外
・北部のアルスター地方はイギリス本国に近すぎるため除外
よってコナハト地方に推測とあいなりました。

中でも、コナハト地方のスライゴ州の北部にあるザ・陸の孤島の「グレニフホースシュー」という場所だと考えています。

というのは、今回の前提でもあるスカリーの出身地である「霧深い谷底」を地で行く土地であると同時に、上述の比較の通り今回登場した月の瞬く丘とすごく似てる丘があるのですから。
「薔薇の王国」の名産品はジャガイモ
さて、時計イベで以下の言及がある通り薔薇の王国の名産品はジャガイモです。

「薔薇の王国」のモデル=イギリス+アイルランド?
薔薇の王国のモデルにイギリスがあるのは周知の通りでしょうが、それに加えてアイルランドの要素もあると仮定します。
これは、アイルランド島にはイギリスを構成する北部アイルランドとアイルランドの二つの国家がある事からです。
加えて、多くのスポーツでは、アイルランド島で1つのチームを構成しています。(例外でサッカーは北アイルランドのサッカー代表チーム有)
また、オリンピックでは北アイルランド出身者はイギリスとアイルランドのどちらかの代表として出場することができるという事情があるのです。
(薔薇の王国の地形が薔薇の花弁のように複数の島がある事から、案外、グレートブリテン島の周辺の島、というか旧大英帝国の土地は全部薔薇の王国のモデルに落とし込まれているのかもしれません)
イギリスとじゃがいも
イギリスとジャガイモ、という観点で真っ先に上がる食べ物がフィッシュ&チップスです。
これは産業革命期に普及した食べ物です。読んで字のごとく材料は白身魚とジャガイモです。
イギリスでのジャガイモの普及は大体産業革命期なのです。
ただし、ジャガイモがイギリス人の食生活に定着したというものの、それは依然として「貧民の食べ物」あるいは労働者階級の食べ物であり続けました。
これは、イギリス本来の食べ物は、まず肉であり、それに小麦で焼いたパンがつきものでした。しかし、肉は高価で小麦のパンも比較的高価だった事から、ジャガイモで補わざるを得なかったのです。
ジャガイモが「貧者のパン」と呼ばれる背景は上記の為です。
一方で、イギリスよりジャガイモの普及が早かったのがお隣のアイルランドです。
アイルランドとジャガイモ
これは、アイルランドという土地の性質に起因します。アイルランドは北緯50度を超える高緯度地方にあり、約一万年前の洪積世まで全島が氷河に覆われていました。
その為、土壌は薄く、しかもその土壌は気温が低い為作物の生育に適した腐葉土が乏しいのです。加えて泥炭が多い事から、ジャガイモ栽培が盛んになりました。
なぜなら、ジャガイモについてはアイルランドでは地代を払わなくてよく(地代となったのは小麦)、そして栄養バランスに優れた食べ物でした。
そんな中で発生したのがジャガイモ飢饉(1845年〜)です。
ただ、ここで問題なのは19Cのアイルランドではジャガイモの不作に伴う飢饉が頻発している点にあります。
1816年〜1819年:冬が長引き収穫が激減。ジャガイモは湿って腐った。
1821年〜1822年:マンスターとコナハト地域でジャガイモが凶作
1832年〜1834年:天候不順、ジャガイモが腐敗
1839年:アイルランド全域でジャガイモが凶作
では、なぜこんなことになってしまったのか。
それは、ジャガイモに依存しすぎたせいで飢饉のような非常時に代替作物がなかったからです。
この状態に拍車をかけたのが、単一品種ばかりを栽培したことです。ジャガイモにはさまざまな品種がありますが、当時のアイルランドでは19C始め頃から「ランパー」と呼ばれる品種のみを栽培するようになっていました。
この品種は、栄養面では他の品種に劣りますが、少ない肥料と貧弱な土壌でも栽培ができた為アイルランド全域に普及しました。
また、ジャガイモは塊茎によって増える、要はクローンの為、単一品種の栽培はある病気が発生すればそれに抵抗性を持たない品種はすべての個体が同じ被害を受ける事になります。
アイルランドのジャガイモ飢饉はまさしくこうして生じたものでした。
【オチ】クイズ正解は一年後
と、長々と書いてきましたが、ハロウィンのゲストキャラの実装は、ロロ・フランムもフェローも共通して翌年のハロウィンイベ復刻時であり、その実装時にプロフィール情報も明かされます。
よって、スカリーの出身地が果たして推測通り薔薇の王国なのか、はたまた違うのかわかるのは1年後になります。
来年の本実装に伴う情報解禁を楽しみにして、結びとさせていただきます。