本論:非言語的感情表現の分類
人々を先見的知識のない(*専門的知識によるバイアスがない/原文のまま「ナイーブな」という言い方も浸透しています)心理学者と見なすことができるという考えは、Kelly(1955)とHeider(1958)の影響を通して、人格と社会心理学において重要な役割を果たしてきました。それにもかかわらず、一般の人の感情の理論に関する研究はほとんどありません。これらは、被験者がその「現在の情緒状態の内観」よりも、むしろその「感情に関する知識」に頼らなければならないという研究だからでしょう。
そのような研究の1つで、Schlosberg(1952)は、感情を表す「表情」をが決定したカテゴリ(驚き、嫌悪、軽蔑など)に分類するときに、被験者が犯したエラーを調べました。それらのエラーから、彼は「快さ-不快」と、「注意-拒絶」の次元を含む感情の循環表現を導き出しました。Schlosberg(1954)は後に3番目の次元、「睡眠-緊張」を示唆しています。
AdelsonとSermat(1962)は、被験者に「二組の表情」の類似性と非類似性を評価させましたが、理論は実験者によって課されたあらゆる感情カテゴリの必要性を排除させています。類似性データは、2つの表現間のより大きな類似性が幾何学的空間におけるそれらの近さによって表される多次元尺度法によって分析されました。
結果は、「睡眠-緊張」と「注意-拒絶」の軸の組み合わせである二次元空間であり、それらは本質的に見分けがつきませんでした。 RoyalとHays (1969)、Shepard(1962)、及びCliffおよびYoung(1968)はまた、表情の判定類似度を多次元的にスケーリングし、非常に類似した構造を見つけました。 Green and Cliff(1975)は、被験者が音声表現感情を分類する方法を調べました。 やはり、2つの独立した次元が出現しました。1つは「快さ-不快」、もう1つはSchlosbergの「注意-拒絶」と「睡眠-緊張」の組み合わせです(これらも区別できないほど非常に高い相関がありました、r = 0.85)。