体操競技引退します
いつも応援、noteの拝読ありがとうございます。
この度報告がありましてこの記事を書いています。
タイトルにも書きましたが先日の全日本シニア大会で現役生活に区切りをつけることにしました。
YouTubeでも今回の引退の件について詳しく話しているのでよければそちらも見てください。
https://youtu.be/OpMkzA773jo
まず引退は前もって決めていたことなのかということですが、
引退をするつもりは毛頭ありませんでした。
ただ徳洲会に入社するときに決めた約束がありました。
2年目の全日本シニアで次年度の全日本選手権の権利を獲得できなかったらそこで選手は終わり。
だから、引退はするつもりはなく、権利をとってこれからもまだ体操をやるつもりでしたが、それと同時にこれが人生最後の試合になるかもしれないという気持ちで臨みました。
シニアの全日本選手権権利獲得は24位まで。そして僕の順位は26位でした。その差0.333。小さいようでとても大きな0.3でした。
引退した時の心境
正式に引退が決まったのが昨日の9月27日月曜日のことです。
シニアから帰ってきて休みが2日間あって、その次の月曜日から全体で練習の開始でした。
監督から話があるから至希も月曜日来てということで体育館に向かいました。
いつもの練習と同じように朝の8時半とかに行って柔軟をしてました。
話があるまで普通に練習してようかなって思ってたんですけど、
みんなの練習が始まるとなんか違和感を感じるようになったんです。
疎外感というか、居心地が悪いというか。
話は練習後の夕方行われました。
監督やコーチからの労いの言葉をもらった。
至希だからここまでできた。
徳洲会の一員として他のメンバーと見比べても何も劣ってない。
至希の良さを十分に発揮して頑張った期間だったと。
至希を取って後悔は何一つないと。
それからは今後の話だったりをしてミーティングを終えた。
この休みの2日間休みなのに体育館に来て少し練習をおこなっていた。
ずっとやって来たことが終わるなんて信じられなかったのだ。
どうしていいかわからず、身体を動かしていたかった。
心の奥底では、来年の全日本の権利も回ってくるかもしれないし、今までの自分の練習を見て、可能性を見出してくれて、「次の全日本までやってみるか?」と言われるのを期待していた自分もいた。
ダサくたっていい。なんだっていい。こんな頭でよければ何個でも下げよう。
そういう気持ちもほんの少しあった。
だけど、約束は約束。泣の一回があったら示しもつかない。当然のこと。
自分からお願いする選択肢はなかった。
ただでさえ徳洲会に結果で貢献するのが難しいとわかっていながらでも僕を選手として迎え入れてくれて、何不自由なく最高な環境で万全なサポートをしてもらってきてたのに、結果を取れなかったのは自分。
そこでもう一回チャンスをくれなんて自分の口からは言えない。僕が向こうに与えれるものも提示できないし、恩を踏みにじるようなものだと思う。
体育館に戻り選手やスタッフ一人一人に挨拶をした。
カズさん、一矢さん、せいやさん、準平さん、なおきさん。
そしてトレーニング中だった、たかあき達。
「よしきさんどーなりました?」
「今日で引退することなったわ。」
「そーですか、ほんまお疲れ様でした。」
「今までほんまありがとう」
たったこの会話だけでみっともなく泣けてしまった。
そのあと同期の一希やけんたろう、下の代のタケル達にも伝えて自分のロッカーに入った。
たった今実感した。今自分の競技人生が終わったのだと。
そう思うと猛烈に悔しい感情がこみ上げて来た。
確かに後悔はない。
全力でやって来たから後悔のしようがない。
でも本当の素直な気持ちで言えば、
もっとやれたのに。もっと上へ行けたよな。
そういう未練は残ってしまった。
これから
正直本気で体操をやりたいだけなら、まだ選択肢はあったと言えばあった。
教室の合間を縫って練習したり、それこそ環境を変えることも。
だけど、僕が体操を本気でやってた理由は徳洲会に入った時から変わらず、オリンピック、世界選手権の代表になって金メダルを取るためだった。
本気だった。
だから今よりも練習時間を削って、かけれる労力を減らして、やったところで、
「本当に求めてたものが手に入るのか?」と自問自答した時に成功してるイメージが持てなかった。
今ですらだいぶぼやけていて、限りなく遠いところにある。
僕よりも可能性がある人たちが人生を賭けて必死にやってる中、片手間で頑張ってやっても届く気がしない。
世界で1番になれないのなら、ここで潔く終わろう。後ろ髪を引く自分にそう踏ん切りをつけた。
これからは徳洲会の体操教室で子供たちの指導をする。
子供にできたと言う喜びを知ってもらうこと。
自己肯定感を高めてもらうこと。
そして体操と自分を好きになってもらうこと。
本音を言うとまだ引退したという実感は湧かない。
でもこれから競技から離れる時間が重なるにつれて、少しずつ湧いてくるのだと思う。
唯一の心残りは親や恩師に自分の最後の演技を直接見せれなかったこと。
こればっかりはコントロール外なので仕方ない。
体操をやってたあの頃が楽しかった。
ではなく
あの頃も楽しかったけど、今が1番楽しい。
と胸を張っていえる未来の自分でありたい。
東京、パリというオリンピックには届かなかったけど、それと同じくらい自分が本気になれるものに向かってこれからも挑戦していこうと思う。
これで僕の17年間の一つの物語が終わる。
これを書いてる最中に気づいたことだけど、
本当に楽しかったな。
名もない無名の体操選手だった僕を応援してくれたみんなに感謝の気持ちを伝えたい。
今までありがとうございました。
中谷至希
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