新生活において選ぶのが面倒な事項についてー電力会社【今日の学び2024.3.25】

こんにちは
吉岡よっしーです。

この春、新生活をする予定がある方は多いと思いますが、私も新生活をするので、今回はそれに際して選ぶのが面倒なものについて調べてみました。

今回は以下の4つについてです。
1.電気
2.ガス
3.火災保険
4.インターネット

これらは、衣食住の住に関わる必須の知識なのにも関わらず、誰も教えてくれずとりあえず不動産業者の指示通りにするしかないというのでもったいないと思います。
そこで、この際、これらのことについて少し勉強しておきましょう。

そのうち今回の記事では1の電気についてです。

電力自由化

現在は電力自由化ということで、インターネットのプロバイダのように、契約する電力会社を自由に選べるようになりました。
自分に最適なプランを選べば光熱費の節約ができてメリットがありますが、逆に選択肢が増えてしまって選ぶのが面倒になったとも言えます。

電気というのは従来、住んでいる地域に合わせて決められた電力会社10社からしか買えませんでした。
東京なら東京電力、大阪なら関西電力などです。
電力小売事業がこれらの会社に独占されていたわけですね。
それが、電力自由化によって様々な企業が電気事業を運営できるようになったわけです。
新たに電力販売に参入した企業を一般的に「新電力」といいます。
電気事業といっても「発電部門」「送配電部門」「小売部門」に分けられ、私たち消費者に関係のある電力自由化というのは小売部門の自由化です。
電力小売業者を切り替えても、電気を作ったり送ったりするのはすでに物理的に存在している発電所や電線を利用しますので、電気の品質や停電のしやすさなどが変わるわけではありません。
まるで、インターネットはどこのプロバイダと契約しても、物理的な光ファイバーは主にNTTが全国に作ったものを利用するのでネットの品質に基本変化はないのと似ていますね。

さて、新電力が参入することでどのような電気料金の節約が期待できるかと言うと、例えばセット割です。
ガス会社や携帯電話会社などの会社が電気小売事業を営むと、自社のサービスとのセット販売することでお得な電気メニューが期待できます。
ただし、解約するときに違約金が発生する可能性がありますのでそこはチェックしておく必要があります。
また、電力量料金などが細かく異なっていますので、そのへんを比較するのが大変です。
次は、そもそも電気料金はどのように算出されているのかについて見てみましょう。

電気料金の内訳

電気料金は一般的に以下の項目の合計で算出されます。

1.基本料金
2.電力量料金
3.燃料調整額など
4.再エネ賦課金

●基本料金
まず1.の基本料金は一般的に電気を使用してもしなくてもかかってくる基本料金で、契約アンペア数によって変わったりします。
一人暮らしならだいたいのプランは300円~1000円くらいになると思われます。
契約アンペアとは何かというと、その世帯でブレーカーが落ちずに使える合計電流値です。
家庭の電気回路は並列回路になっており、これにより複数の電気製品を同じ電圧でいくつも使用できるようになっています。
電圧が同じな代わりに上がってくるのが電流の合計値です。
並列回路の場合、合計の電流値は、各抵抗(家電)に流れる電流の足し算だったことを覚えているでしょうか。
このように、家庭内で多くの家電を使うほど必要な契約アンペア数が多くなってきます。
おそらく一般的な一人暮らしなら30Aくらいではないかと思われます。
たまに電力会社のプランによっては「6kVAまで」とかの表記になっている場合がありますが、これは100Vで60Aまで流せるということです。

●電力量料金
次に電力量料金ですが、「従量電灯」という言葉を目にしたことはないでしょうか。従量電灯AとかBとかという表記です。
従量電灯とは電気の使用量が多くなるほど料金が多くなってくるという一般的なシステムの事で、電力量料金は、従量電灯システムで算出される料金です。
従量電灯Aは契約容量(A)が小さく、Bはそれより大きいという違いがあります。
電力会社によって違うようで、例えば関西電力の場合、従量電灯Aは一般家庭用、従量電灯Bは電気を多く使う商店や事務所など用です。
しかし東北電力の場合、従量電灯Aはアパートの共用部の照明などの5A以下の電流を使用するもので、従量電灯Bが一般家庭用のようです。

いずれにしても、従量電灯システムは一般的に3段階料金制になっており、使用量(kWh)によって1kWhあたりの電気料金が変化するシステムになっています。
kWが時間当たりの使用電力なのに対し、kWhはそれに時間をかけた、実際の使用電力量です。
例としてまず東京電力の従量電灯Aの3段階料金を見てみます。
・第1段階:0~120kWh・・・・30.0円/kWh
・第2段階:120~300kWh・・・36.6円/kWh
・第3段階:300kWh~・・・・40.69円/kWh

つまり、使用量が120kWhまではkWhあたり30円で、300kWhまではkWhあたり36.6円で・・・というように使用量が多くなるほどkWhあたりの料金が高くなっていくというのが3段階料金制です。

具体例として東京電力に契約していた私の2024年1月(12/20-1/19)の電気使用量は338kWhでした。
ニートで、冬ですのでこのくらい使用します。
この場合の電力量料金の計算は、
120×30+180×36.6+38×40.69≒11734円
のようになります。
これに基本料金などが加算されていきます。
しかし実際の電気料金は9500円くらいだったので、この差はなんなのでしょうか。

次に関西電力の3段階料金を見てみます。
・第1段階:15~120kWh・・・20.31円/kWh
・第2段階:120~300kWh・・25.71円/kWh
・第3段階:300kWh~・・・・28.7円/kWh
※15kWhまで:433.41円
関西電力の従量電灯Aは、基本料金は一律で、最大容量6kVA未満で433.41円のようです。
仮に使用量338kWhで計算してみると
433.41+105×20.31+180×25.71+38×28.7≒8284円
ということで同じ使用量でも関西電力の方がなぜか割安ですね。

●燃料調整額など
燃料調整額とは燃料の価格変動などによって生じる料金のことです。
日本は発電に使う燃料である原油、LNG、石炭を輸入に頼っていますので、その輸入にコストがかかってしまったときにその分が電気料金に加算されるわけですね。
この燃料調整額が電気代が高くなる原因の1つになっています。
世界の経済状況や政局の変化、為替レートなどがその燃料価格に大きく影響します。
特に2021年に始まったロシア・ウクライナ情勢によって燃料費が急騰したため、燃料調整額が電気代が上がる主要な要因となりました。
さらに円安が進行している影響も見逃せず、このダブルパンチで電気代がすごく上がってしまったわけですね。

この燃料調整額は、燃料調整単価(円/kWh)と電力使用量(kWh)のかけ算で算出されるので、ここも電力使用量が多くなるほど高くなることになります。
燃料調整単価は電力会社が自由に決めています。

●再エネ賦課金
正式名称を「再生可能エネルギー発電促進賦課金(はつでんそくしんふかきん)」といい、太陽光発電や風力発電などの再エネを普及させるために徴収されている税金のようなものと言われます。
再エネ発電は今のところ火力や原子力より割高なのでその負担をみんなで負担して再エネを増やそうとしています。
これも、再エネ賦課単価(円/kWh)に電力使用量(kWh)でかけて算出されます。
しかしこの単価は全国一律のようで、2023年度は1.4円/kWhだったそうで、前年より下がったそうです。

電気料金の比較

電気料金の仕組みを見てきたところで、いよいよ各会社の電気料金を比較していきたいと思います。
比較には、価格ドットコムのサイトで可能です。

このサイトでシミュレーションスタートを押し、現在の住まいの郵便番号を入力して、シミュレーションページへを押すと、価格ドットコム×エネチェンジという比較サイトに飛び、ここで詳細を比較できます。

私の場合の具体例で説明することにします。
まず電気代シミュレーションの条件を入力するページです。

まず、居住地域の郵便番号を入力し、次に世帯人数を今回は1人暮らしとし、次に在宅状況として昼間は働いているという設定にします。
そして今回、私が新居で契約をすすめられた電力会社がPinTでんきという会社でしたのでこれを設定します。
PinTでんきでは、アンペア数の選択がなく一律の基本料金ですのでアンペア数は指定できません。
そして電気の使用量として先ほども紹介した2024年1月の例として338kWhを設定しました。
すると自動的に1年間の電気使用量が仮に設定されて、今回は年間で2787kWhの使用量となりました。
これで結果へ進むを押します。

そうすると、安く済む電力会社の順のランキングが表示されます。

今回は1位がグリーンオクトパスというプラン、2位がエバーグリーンの従量電灯Aのプランとなりました。
グリーンオクトパスなら現在のPinTでんきのプランに比べて年間18261円の電気代の節約ができ、エバーグリーンなら17720円の節約という結果になりました。
1位でも年間2万円弱の節約ということでそんなに大幅な節約には見えないかもしれませんが、こういう細かいことをいろいろやっていくことで大きな節約につながるかもしれません。
さて、以下のように料金比較の詳細を確認することができます。

どうやら、先ほど紹介した4つの電気料金の内訳はほとんど変化がないようで、この場合「特設サイト割Ver7」という何らかのキャンペーンによるキャッシュバックがあるために差が生まれているだけのようですね。
2位のエバーグリーンも同様でした。

このように新電力乗り換えによる節約というのは、何らかのキャンペーンをうまく利用して得るポイントによるようですね。

ただし、この価格ドットコムの比較サイトですが、数字があてにならない可能性があります。
せっかく比較したいのに肝心の数字があてにならないと意味がありません。

例えば、このシミュレーションの「現在のプラン」の電力量料金は60359円となっており、これは2787kWhの設定ですので、割り算すると、約21.7円/kWhとなり、現在のプランの電力量料金は21.7円/kWhで計算されています。
しかし実際はPinTでんきのホームページでは電力量料金は使用量に関わらず27.5円/kWhとあり異なっています。
さらに、このシミュレーションでは燃料調整単価が現在のプランでは4.39kWhで計算されているようですが、実際PinTでんきのホームページを調べると0.6~0.9円/kWhの実績だったようでこれも異なっています。

このように異なっているので一度手計算で比較してみることにしました。

ということで差は約24000円となりました。
PinTでんきは電力量料金が大幅に高いようですね。
手計算だと1社と比較するだけでかなり大変でした。
価格ドットコムの比較も大幅にずれてはいないもののできれば正確な数値を出してほしかったですね。

このように電力会社を選ぶにはなかなか大変のようでした。

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