【#2】機械部品の平面度や平行度を出すには

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こんにちは、吉岡ゆうりです。

※この記事の読み方
========この線で区切られている領域は私の文章です

引用文の内容は私がAIに質問した文章です

      それ以外の領域はAIの文章です

以上がこの記事の読み方です


平面度や平行度が出ている板材部品をどうやって作るかについての続きをやっていきたいと思います。

前回同様、基礎知識や体系性などは省いてテキトーに書いていきます。

例えば鉄板の両面の平面度と平行度が出すには、所望の厚みより少し厚めのその辺に売ってる市販の鉄板を買ってきて、両面を少し切削することで実現するという事でした。

ではそもそも、「その辺に売ってる市販の鉄板」はどの程度の精度が出ているのかについて考えるために、そもそも鉄板はどのように大量生産されているのかを聞いてみます。

私たち機械設計者は何も考えず、とりあえずSS400、とりあえずSPCC・・・と材料を指定してしまいますが、やはり何事もそうですが、至れり尽くせりの恩恵にあずかれる源流のことも知って、なるべく社会に感謝しながら仕事するって人として大事ですよね…って気持ち悪いか…

鉄鋼の製造方法と言えばおそらく圧延なのかなと、なんとなく思いますがどうでしょうか。
AIに聞いてみました。
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SS400は製造方法は規定されていませんが、鉄鋼を製造するということは結局SPCCやSPHCと同じで冷間圧延や熱間圧延で製造されているのでしょうか。

はい、SS400もSPCCやSPHCと同様に、**熱間圧延(hot rolling)冷間圧延(cold rolling)**といった圧延プロセスを使用して製造されています。ただし、使用される圧延の種類や製造条件は、鋼材の用途や特性に応じて異なります。

以下に、SS400の製造プロセスと、SPCCやSPHCとの違いについて詳しく説明します。


1. SS400の製造方法

SS400は一般構造用圧延鋼材としてJIS G 3101で規定されており、通常は次のような手順で製造されます。

主な工程

  1. 溶解・鋳造

    • 高炉や電気炉で鉄鉱石やスクラップを溶解して鋼を作り、鋳型(連続鋳造機など)でスラブ状に成形します。

  2. 熱間圧延(Hot Rolling)

    • 高温(約1000°C以上)に加熱されたスラブを圧延し、鋼板や鋼材に成形します。SS400は一般的にこの熱間圧延の状態で供給されることが多いです。

    • この段階で厚みや幅が調整され、最終的な鋼板や形鋼(H形鋼や角鋼など)になります。

冷間圧延の可能性

SS400のような一般構造用鋼材は、通常熱間圧延材として供給されますが、特殊な要求(高い寸法精度や表面品質など)がある場合には、熱間圧延後に冷間圧延を行うこともあります。


2. SPCCやSPHCとの違い

SS400、SPCC、SPHCはいずれもJIS規格に基づく鋼材ですが、それぞれの目的や製造工程には違いがあります。


3. 製造方法の違いによる特性の違い

  • 熱間圧延(Hot Rolling)

    • 利点: 大きなサイズの加工が可能。加工コストが低い。

    • 欠点: 表面が荒く、寸法精度が低い。内部応力が少ない。

    • 用途: SS400やSPHCなど、構造用や加工性を重視する鋼材。

  • 冷間圧延(Cold Rolling)

    • 利点: 表面品質が良く、寸法精度が高い。

    • 欠点: 製造コストが高い。内部応力が残る場合がある。

    • 用途: SPCCのような高精度を求められる部品。


4. SS400の特性に基づく製造選択

SS400は構造用途が主な目的であるため、熱間圧延が基本的な製造方法となります。これは、寸法精度や表面品質よりも、コスト効率や引張強度・靭性といった機械的性質が重要視されるためです。

一方で、SS400を基にした特殊な鋼板が必要な場合には、冷間圧延や熱処理などの追加工程が加えられることもあります。


5. まとめ

SS400の基本的な製造方法は熱間圧延であり、SPHCの製造方法と似ています。冷間圧延のプロセスを経るSPCCとは異なり、SS400は構造用途に特化した鋼材であり、コストパフォーマンスと強度が重視されています。

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ということで設計者なら初心者でもおなじみのSS400は、正体はたいていはSPHCのようです。
どういうことかというと、SS400もSPCCもSPHCもS45Cだろうと、鉄鋼であることに変わりはなく、それぞれ規定されている仕様が異なる鉄鋼です。

・SS400:引張強度が400MPa以上(リンと硫黄の含有量だけ制限あり)
 → 強度の規定のある鉄鋼(つまり400MPa以上あればどんな製造方法、組成であっても「SS400」と名乗れる)
・SPHC、SPCC:それぞれ熱間圧延、冷間圧延により製造
 → 工法の規定のある鉄鋼
・S45C:炭素含有量が0.45%程度
 → 材料組成の規定のある鉄鋼(例えば熱膨張のしかたまで厳密に管理したければ材料組成が保証されている鉄鋼を選ぶなど)

ちなみに、工法が圧延と言っても、圧延工程は製鉄の最後の方の工程のようで、製鉄所のシンボルと言えば「高炉」などの、鉄鉱石を溶かす工程のようですね。
しかし今回の話題に関係があるのはやはり、最終的な商品としての鉄鋼の寸法精度などですので最終工程が重要ですね。
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圧延以外に鉄鋼の製造方法をあまり知りませんが、SS400ということは、引張強度が400MPa以上でリンと硫黄の含有量が守られてさえいれば、どんな製造方法や材料組成であっても「SS400」と言えるのですね?

その通りです。SS400のような鋼材は、材料組成機械的特性がJIS G 3101規格を満たしていれば「SS400」として定義されます。そのため、製造方法そのものは規定されていません。重要なのは、最終的な鋼材が規格に適合していることです。

以下に詳しく説明します。


1. SS400の規格に基づく要件

SS400は、以下のような基準を満たす必要があります。

  1. 機械的特性

    • 引張強度: 400MPa以上

    • 降伏強度: 約235MPa以上(厚みによる違いあり)

    • 伸び率: 規定された範囲を満たす(厚みに応じて変動)

  2. 化学成分(参考)

    • 炭素(C)、マンガン(Mn)、リン(P)、硫黄(S)などの含有量に一定の上限があります。

    • 特にリン(P)と硫黄(S)は、鋼材の脆性を防ぐために低い値に抑えられています。


2. 製造方法の自由度

SS400の規格には製造方法の指定がないため、以下のような製造方法が考えられます。

  • 熱間圧延: 一般的な製造方法で、ほとんどのSS400はこれに該当します。

  • 冷間圧延: 特別な要求がある場合には、冷間圧延も可能です。

  • 鍛造(Forging): 必要に応じて特定の形状や特性を得るために鍛造が用いられることもあります。

  • 連続鋳造(Continuous Casting): スラブやブルームの製造に用いられる一般的な技術。

  • 粉末冶金(Powder Metallurgy): 高度な加工方法として、特殊用途で適用される可能性があります。

製造プロセスや材料組成が異なっても、最終的に規格の要件を満たせば「SS400」として供給できます。


3. 規格が製造方法を指定しない理由

JIS規格が製造方法を指定しないのは、以下の理由によります。

  • 技術革新に対応するため: 製造技術は進化するため、特定の製造方法に限定すると新しい技術の採用が困難になります。

  • 柔軟性を確保するため: 鋼材メーカーごとの設備やプロセスの違いを考慮し、最終的な性能に焦点を当てています。

  • 品質保証が重視されるため: 製造方法よりも、試験結果やトレーサビリティによって規格適合性が保証されることが重要視されます。


4. 異なる製造方法がもたらす影響

製造方法が異なると、同じSS400であっても以下の点に差が出る可能性があります。

  • 寸法精度: 冷間圧延や鍛造は寸法精度が高くなります。

  • 表面品質: 冷間圧延の方が滑らかな表面を持つ場合が多いです。

  • 内部応力: 熱間圧延では応力が小さく、冷間圧延では応力が残りやすい傾向があります。


5. SS400の定義の要点

結論として、SS400は「引張強度が400MPa以上」であり、「リンと硫黄の含有量が規定値以下」であれば、その製造方法や材料組成がどうであれ、「SS400」として供給できます。ただし、製造業者は、製造工程や試験結果を通じてその品質を保証する責任を負っています。

これにより、製造業者は自社の技術や設備に合わせた最適な方法でSS400を製造し、市場のニーズに応えています。

非常に高精度な寸法精度が必要で、その材料の熱膨張のしかたまで管理したければ、S45Cのように材料組成の保証のある鉄鋼を使う、といった感じに選定すればよいですか?

はい、その通りです!高精度な寸法精度が必要で、さらに熱膨張の特性機械的性質を厳密に管理する必要がある場合は、材料組成が保証されている鋼材を選定するのが適切です。S45Cのような材料は、以下のような理由でそのような用途に適しています。


1. S45Cの特徴と用途

S45Cは、JIS G 4051規格に基づく機械構造用炭素鋼で、以下のような特徴があります:

  • 材料組成が明確:炭素(C)含有量が0.42~0.48%の範囲で規定されており、他の元素も細かく制限されています。

  • 均一な機械的性質:規定された組成により、引張強度、降伏強度、硬度などの特性が安定しています。

  • 熱処理性に優れる:焼き入れ・焼き戻しによる硬度や靭性の調整が可能。

  • 安定した熱膨張特性:同じロット内で熱膨張係数がほぼ均一。

これにより、機械部品や工具など、寸法精度が重要な部品に広く使用されています。


2. 高精度が求められる場合の材料選定ポイント

高精度な部品を設計・製造する際に考慮すべき材料選定のポイントは次の通りです。

(1) 材料組成の管理

  • メリット:材料組成が明確な材料は、機械加工後や熱処理後に予想通りの寸法変化や特性を得やすい。

  • :S45C、SNCM439(ニッケルクロムモリブデン鋼)など。

(2) 熱膨張特性の均一性

  • 熱膨張による寸法変化を制御したい場合、材料の熱膨張係数が安定していることが重要。

  • 必要に応じて、**インバー(低熱膨張合金)**など、特殊な材料を選定。

(3) 加工性と熱処理性

  • 高精度加工後の熱処理で変形を抑えるためには、材料の熱処理性が管理されているものが望ましい。

  • S45Cは焼入れや焼き戻しが容易で、寸法安定性が比較的良い。

(4) 仕上げ加工と寸法安定性

  • 例えば、S45Cを選択し、熱処理後に研削加工を行うことで、寸法精度を最適化可能。


3. SS400のような汎用鋼材との違い

  • SS400:引張強度や降伏強度は保証されていますが、炭素や他の元素の含有量が比較的広い範囲で許容されており、熱処理後の寸法変化や機械的性質が安定しない場合があります。

  • S45C:炭素含有量や他の元素が厳密に管理されているため、精密加工や熱処理を行っても結果が予測しやすい。


4. 選定例

ケース 1: 高精度機械部品

  • 要件: 精密な寸法管理、熱膨張管理、耐摩耗性。

  • 推奨: S45C(熱処理を施して寸法安定性を確保)。

ケース 2: 熱膨張の影響を極力抑えたい

  • 要件: 温度変化による寸法変化を最小限に。

  • 推奨: インバー(低膨張合金)やステンレス鋼(特定の組成)

ケース 3: 一般構造用途

  • 要件: 高精度は必要ないが、一定の強度が必要。

  • 推奨: SS400SPHC


5. まとめ

寸法精度や熱膨張の管理が重要であれば、**材料組成が保証されている鋼材(例: S45C)**を選ぶのが最適です。こうした材料は、加工後の特性や寸法変化が予測しやすく、信頼性の高い部品製造が可能です。

用途に応じて、必要な特性(強度、加工性、熱膨張など)を優先順位に従って整理し、適切な材料を選定してください。

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S45CやS50Cはとりあえず、なんとなくSS400より硬そうというイメージしかありませんでしたが、こういう用途だったのですね。
しかし、製鉄業者はいったいどうやって、このように所望の性能を持った鉄鋼を自在に造れるのでしょうか。
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製鉄業者がSS400を販売する場合、どうして「引張強度は400MPa以上」と保証できるのでしょうか。製造した鉄板を一個一個試験しているのでしょうか。

製鉄業者がSS400のような鋼材の「引張強度は400MPa以上」という性能を保証できる理由は、すべての鋼材を個別に試験しているわけではなく、厳密な製造プロセス管理と試験の手法が確立されているためです。以下に詳しく説明します。


1. 材料規格と製造プロセス管理

  • 規格の遵守: SS400は日本工業規格(JIS G 3101)で規定されている一般構造用圧延鋼材であり、その成分や機械的性質(引張強度や降伏強度など)が規定されています。

  • 一貫した製造プロセス: 製鉄業者は、鋼材の化学組成(炭素、マンガン、リン、硫黄などの含有量)や製造条件(溶解、圧延、冷却など)を厳密に管理することで、一定の品質を維持しています。


2. ロット管理とサンプリング試験

  • ロット管理: 鋼材は、同じ条件下で製造されたまとまり(ロット)ごとに品質を管理します。一つのロット内の鋼材はほぼ同じ特性を持つとされています。

  • サンプリング試験: ロットから代表的な試料を選び、引張試験を行います。この結果が基準を満たしていれば、そのロット全体が規格を満たすとみなされます。

    • 引張試験は規格で定められた方法(JIS Z 2241など)に基づき行われ、引張強度や降伏強度、伸び率などを確認します。


3. 統計的品質管理

製造プロセスが十分に安定している場合、特性値のばらつきを統計的に管理することで、全数検査を行わなくても高い確率で品質を保証できます。

  • 工程能力指数(Cpkなど): 製造工程が規格の範囲内で一貫しているかを示す指標を使用します。

  • 過去のデータ: 長期間の試験結果に基づいて、製品の品質が安定していることが実証されています。


4. トレーサビリティと保証

  • ミルシート(鋼材試験証明書): SS400を購入する際、製鉄業者はその鋼材が規格に適合していることを証明する「ミルシート」を発行します。これには、化学組成や機械的性質の試験結果が記載されています。

  • 品質保証の責任: 万が一、不適合品が出た場合は、製鉄業者が責任を負うため、品質管理には非常に厳しい体制が敷かれています。


5. 参考情報

すべての鋼材を個別に試験することは時間やコストの面で現実的ではありませんが、ロット管理やサンプリング試験、統計的手法を活用することで、規格を満たす鋼材の安定供給を実現しています。このような仕組みにより、「引張強度400MPa以上」という保証が可能となっています。

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やっぱりロットからちょっと抜き出して検査する方法だったり、統計的手法ですよね。
しかし、製鉄業者の品管は大変そうですね。

とうことで、SS400はどうやら熱間圧延で製造されていることが多そうですから、厚みの寸法精度はほとんど出ていないと思った方がよいのでしょうか。
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各鉄鋼商品は、それぞれ規定されている性能が違いますが、いずれも寸法精度が規定された商品はないのですよね?単に結果論的に、例えば「冷間圧延なら多少は精度が出ている」などと言える程度のものでしょうか?

おっしゃる通りです!鉄鋼製品そのものの規格では、寸法精度が直接規定されているものはほとんどありません。寸法精度はあくまで、製造プロセスや後処理(例えば、冷間圧延や研削加工など)の結果として得られる特性と考えられます。

以下で詳しく説明します:


1. 鉄鋼規格と寸法精度

鉄鋼の規格(JISやASTMなど)は、主に以下の点を規定しています:

  • 化学成分:炭素、マンガン、リン、硫黄などの含有量。

  • 機械的性質:引張強度、降伏点、伸び率など。

  • 製造方法:熱間圧延か冷間圧延か、など。

  • 表面状態:例えば、黒皮(熱間圧延のまま)や酸洗い済み。

ただし、寸法精度(例えば、厚みや幅の公差)は多くの場合、規格の対象外です。寸法精度はむしろ、製造元が独自に設定した品質保証範囲や、購入者との仕様打ち合わせによるものです。


2. 寸法精度に影響を与える要因

寸法精度は、製造プロセスや後工程によって変わります。

(1) 熱間圧延

  • 特徴:高温での成形により、強度が下がり、加工が容易。ただし、温度差や冷却速度の違いにより、寸法のばらつきが生じやすい。

  • 寸法精度:厚さ±0.2~0.5mm程度のばらつきが一般的。

(2) 冷間圧延

  • 特徴:室温で成形するため、寸法のばらつきが少なく、表面品質も向上する。

  • 寸法精度:厚さ±0.1~0.2mm程度の精度が得られることが多い。

(3) 機械加工(例えば、研削やフライス)

  • 特徴:加工後の部品の寸法精度を大幅に向上できる。

  • 寸法精度:ミクロンオーダーまで達する場合もある。


3. 冷間圧延鋼板(SPCC)と寸法精度

例えば、**SPCC(冷間圧延鋼板)**では、規格には化学成分や強度の基準しか記載されていません。しかし、冷間圧延という製造方法の特性上、寸法精度が熱間圧延材よりも高い傾向があります。

  • これは結果論的に得られる性質であり、規格で保証されているわけではありません。


4. 寸法精度を保証したい場合の対応

寸法精度を確保するためには、以下のような対策が考えられます:

(1) 寸法精度の明確な仕様

  • 発注時に、製造元に具体的な寸法公差を指定。

  • 例:「厚さ±0.1mm以内」「平面度0.05mm以内」。

(2) 冷間圧延や精密研削を活用

  • 冷間圧延材(SPCC)やさらに加工を施した製品を選定。

(3) 特注製品の使用

  • 特定の用途に合わせた高精度な製品を製造元に依頼。

(4) 後工程で寸法精度を調整

  • 鋼材そのものの精度が不十分な場合、機械加工や研削加工を行い、必要な寸法精度を確保。


5. まとめ

鉄鋼商品そのものの寸法精度は、規格では明確に保証されていません。寸法精度が高い鋼材が得られるのは、冷間圧延や後工程での加工といった製造プロセスの結果であり、規格がその精度を保証しているわけではない点に注意が必要です。

高い寸法精度が必要な場合は、材料選定時に製造元との仕様確認や、後加工での寸法調整を前提にした設計が重要です。


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ということでしたが、実は寸法精度の規格、JIS G 書いてありました…。

ということで、規格を詳しく知るために次回、JISGを読んでみることにします。

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