天使の話（第16話）妬みの天使ジェル

さて次は、妬みの天使ジェルの話だね。嫉妬とか羨望なんかを人が感じるのはこの天使の仕業なんだ。ジェルもドリィを食べる肉食の天使なんだけど、その食べ方がかなり違う。彼は大き過ぎてホープの中に入れないんだ。で、どうするかってゆうと、ホープを外側から蛇のように締め付けるんだ。ホープは締め付けられて苦しくなって、ドリィが絞りだされるように出てきたところを食べるんだ。しかもジェルって賢いからできるだけ長くひとつのホープからドリィを食べ続けるために、ホープがしぼんじゃうほどは絞り出さない。ドリィが増えた分だけ少しずつ絞り出す。本当に陰険な天使だね。でも彼に寄生されたら大変だよ。締め付けられるたびに苦しくて、結局はその苦しさがウォルを創っちゃって、ホープはしぼんじゃうんだ。でも大事なこと今から話すよ。ウォルもジェルもその人の心が自分で創りだす天使なんだ。決して勝手に湧いて出てくるものじゃない。そのホープをその人が信じられなくなった時、急に破れてロンに心が占領されてしまうのを防ぐために、徐々にそのホープをしぼませるために、心がわざわざ創りだす天使なんだよ。自己防衛のためにね。だから信じなきゃだめなんだ。