天使の話(第17話)欲望の天使デェズ
希望を持たなきゃいけない。そしてその希望を信じなきゃいけないって話をここのとこ何度か続けてきたけれど、希望なんてそんなに簡単に見つかるもんじゃないよね。でもロンに支配されている心は、何かそれを埋めてくれる天使をいつも求めてるから、そんな時、創り出しちゃうのが、デェザイア(欲望)っていう天使なんだ。ニックネームはデェズ。欲望って言っても色々あるけど、生きるために必要な欲望、例えば適度の食欲や睡眠欲や性欲なんかも人の本能がさせること。でもそれが過度になったり、生きるのに意味のない欲望はデェズの仕業だよ。過食症や虚食症、いじめや暴力、走り屋みたいな暴走行為、愛のないセックス、他にもいっぱいあるよね。で、デェズはどんな天使かとゆうとスポンジみたいな奴なんだ。良く箱に物を詰める時に隙間にスポンジを詰めたりするでしょ。彼はどんな隙間もその形に合わせて埋めてくれるから、人には素晴らしい天使に思えるんだ。だから人はすぐにこの天使を創ってしまうんだね。でも彼はスポンジみたいに、実は回りのロンをいっぱい吸い込んで、その寂しさは少しも減ってくれない。だからまた新たなデェズを創っちゃう。ほんとに悪循環だよね。