天使の話（第１話）可能性の天使アビィ

人はたくさんの可能性を持って生まれてくるんだ。子供は産まれるとき手をギュッとにぎったまま産まれてくるんだそうだ。その手の中には母親の愛情によって育まれた形の無い無色透明の天使がとてもたくさんいて、その天使達はアビリティ（可能性）って云う名前なんだそうだ。ニックネームはアビィ。そして赤ん坊が手を開いた時にアビィ達はみんな逃げちゃうんだけど、実はその赤ん坊の近くにいてその子を見てるんだって。そしてアビィ達は、その子が怠けたり諦めたり嘘ついたり泣いたり怒ったり意地悪したりする度に一人ずついなくなっていくんだそうだ。そして一度いなくなったアビィは決して帰ってこない。だから子供の周りにはまだたくさんのアビィ達がいて、そしてまだ若いあなたの周りにもまだまだたくさんのアビィ達がいて、だから僕はそのアビィ達があなたからいなくならないように見守っていてやりたいんだ。それでどうすればいなくならないかと言うと、アビィ達はその人が幸せの中にいる時は決して近くから離れたがらない。そしてその人が幸せじゃないとアビィ達もだんだんいなくなちゃう。だから僕はあなたに他の誰よりも幸せになって欲しいんだよ。きっとなれるよ。