続・レジ袋有料化は誰得?

はじめに

前回は政府と業者の都合でエセ自然保護でレジ袋が有料化されたところまで書いた。
海洋環境破壊の話で話題になるプラスチックごみについて書きたい。

海洋ごみ問題

海洋ごみ問題が深刻化しており、2050年には魚より海洋ごみの量が多くなると言われている。

特に多いのが、使い捨て用が中心の容器包装用等である。この用途に使われるプラスチックは、世界全体のプラスチック生産量の36%、世界で発生するプラスチックごみの47%を占めていると考えられる。
海洋ごみの7〜8割が街から発生し、雨が降った際などに路上のごみが川や水路に流出する。
そして環境中に流出したプラスチックのほとんどが、河川などから海へと流れ込む。
プラスチックは、ほぼ分解されず、半永久的に残る。

既に世界の海に存在しているといわれるプラスチックごみは、合計で1億5,000万トンで、そこへ少なくとも年間800万トン(重さにして、ジャンボジェット機5万機相当)が、新たに流入していると推定されてる。海へ流入している海洋プラスチックごみは、アジア諸国からの発生によるものが、全体の82%を占める。

そして海洋ごみの影響により、魚類、海鳥、アザラシなどの海洋哺乳動物、ウミガメを含む少なくとも約700種もの生物が傷つけられたり死んだりしている。このうち実に92%がプラスチックの影響、例えば漁網などに絡まったり、ポリ袋を餌と間違えて摂取することによるものである。プラスチックごみの摂取率は、ウミガメで52%、海鳥の90%と推定されている。

マイクロプラスチックの定義

プラスチックは自然界で分解されないで半永久的に残るという性質がある。
ポイ捨て等で川に流れこみ海に流れたプラスチックが、紫外線や波の影響で劣化して、5mm以下のサイズになったものをマイクロプラスチックという。

マイクロプラスチックは、日本でも洗顔料や歯磨き粉にスクラブ剤として広く使われているプラスチック粒子(マイクロビーズ)や、プラスチックの原料として使用されるペレット(レジンペレット)の流出、合成ゴムでできたタイヤの摩耗やフリースなどの合成繊維の衣料の洗濯等によっても発生している。

マイクロプラスチックが自然界や人間も含めた生態系にどのような影響を与えるかは、よくわかってはいない。だが、魚類が餌と間違えて食べ、体内に溜まることはことはわかっている。

日本において

日本はプラスチックの生産量で世界第3位であり、特に1人当たりの容器包装プラスチックごみの発生量については、世界第2位である。だが、日本のプラスチックごみ発生量は2010年で945万トンで、海に排出される量は4万トンだ。ここで前回の話になるのだが、世界で年間800万トンに対し、日本の排出量は0.5%しかなく、容器包装用のプラスチックゴミはさらに0コンマ数パーセントであり、ここに力を入れても削減量に大した影響はない。廃プラ再生のためにエネルギーを使うのは本末転倒である。

私個人の考えとしては、燃やしてしまえばいいと思う。昔のゴミ焼却炉は高温になるため燃やせなかったが、今の焼却炉は問題なく燃やせる。その熱で発電するのが一番いいのだが、まだ普及していないのが問題である。実績はあるので、建て替え/新設する焼却炉を発電型に変えていくのがいいと思う。

終わりに

政府は、中国がプラスチックごみの受け入れを制限してしまったために、代わりの受け入れ国を探しているが、自分の国で発生したごみを中国以外の国に押し付けようとしている。こちらの方がモラル的に問題だと思う。レジ袋有料化は小泉進次郎環境大臣のスタンドプレイにしか見えない。



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