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半年間の天国

正式に保育園落選が決まった。

おさらいしておくと、会社(国?)の制度では、満2歳になる前日まで育休手当が出る。
でも1歳と1.5歳になるタイミングで、「育休延長申請」の手続きをしなければならない。
つまり1歳以降は「延長」というていなのだ。
分かっている。分かってはいるが、実際は「希望すれば」2年間とることができるみたいな感覚だ。少なくとも私の周りは。


うちの会社の人事異動は4月と10月。
産休入る頃は、「来年(2024年)の4月には戻ると思います〜」と宣言していて、自分でも本当にそうすると思っていた。
だって皆口を揃えたかのように「段々子どもといるのがしんどくなる」と言っていたから。
でもそれは後から考えるとサイレントマジョリティだったって話で、そりゃ堂々と「育休最高だった☆2年丸々取った方がいいよ!」とは言わないだろう。産育休暇取得期間の統計を取ったわけではないので真偽の程は不明だが。

実際産んで育てていると、気づけばあっという間に今年の4月。娘10ヶ月。いや正直娘の月齢は関係ない。ここで、「もっと子どもの成長を共にしたくて、目に焼き付けたくて、今一分一秒も惜しい」とでも言えればいいものの、そういうわけではなく、単純に仕事復帰するのが嫌すぎる。
私みたいな人がいるから女は〜とか言われるのだろうか。甘ったれですみません。

とりあえず4月入園の申し込みは「育休延長」欄にチェックを入れて提出した。
次に復帰するとしたら今年の10月かなぁとぼんやり思っていた。


6月の課長面談で、保育園に落ちてしまったので延長させてもらいたい旨、そしてその場の勢いで10月にまた応募します、といってしまった。
実際その時の私の気持ちは50/50みたいなところで、育休の身分に劣等感を抱き続けるなら、いっそのこと復職した方がいいのではないかという気持ちもありつつ、一方で、育休は仕事に比べると何倍も楽しい毎日で(仕事が嫌すぎる)、もちろん子どもにイライラするときもあるが、毎週の営業ミーティングで数字を詰められたり、リモートでも電波から課長のご機嫌を伺ったり、毎度携帯の着信にビクビクしながら過ごしていた会社生活に比べたらなんてことはない。

育休中の一番の欠点は、自尊心が削られてることかもしれない。
これってもしかすると致命傷?
でも私は目先の楽な道を選ぶことをやめられない。


10/1入園申込締切当日まで、10月復帰するかどうか迷った。
以前もここに書いたと思うが、私の区は待機児童向けの保育室があって、そこは年がら年中ガラ空きなので、最悪そこを書けば確実に入園でき、復職できる。
6月の面談で課長になんという園に申し込むのかネームドで聞かれたので、慌てながらa園とb園と…名前を挙げ、課長もその議事録をとっていたが、実際そこに申し込んだか課長が確かめる術はない。
やるとしたら区が発表している毎月の応募状況一覧をみて、私が応募すると言っていた園が「応募数1以上」(少なくとも私が1)で、「定員オーバー」(=入れなかった)しているかチェックすることだが、さすがに課長もそこまで暇ではなかろう。
でも課長と次話す時までに一応そこの辻褄合わせは必要だ。


ちなみに6月の面談で、私は応募予定の園として適当に3つ園をあげたのだが、課長は3つじゃ足りなかったようで、
課長「最寄りから真逆方面の保育園に預けてる人もいるし、通勤経路を途中下車して預けてる人もいるから」
私「そうですよね…じゃあそこも応募…してみよう…かな…」
と言ったが、もちろん応募していない。
そんでもって仮に途中下車する保育園になった場合は時短をマックスで使わせてもらうことになるかもしれないといったら、「朝早起きすればいいんじゃないの?」と言われる始末。
このエピソードを産休三姉妹の先輩方にいったら、「よっしーちゃんだけおかしい!それもうホットラインレベルだよ!」と言われる。そう、私は完全に目をつけられている。

結局今回は希望する園ひとつしか書かずに10月入園希望を出した。ここの園に入れるなら予定よりちょっと早いけど10月復職でもいっかと。
8/1時点でその園は珍しく空き枠1となっており、もしかすると10/1入れちゃうかもしれない?と思ったが、9/1に応募3きていてすぐ定員は埋まった。

さあ課長になんと伝えるか。
落ちた事実は変わらないのでとっとと言った方がいいわけだが、どういう戦法をとるか悩ましい。
チャットで終わらすレベルの話じゃないと怒られるそうだが、いきなり電話も失礼なので、やはり初めはチャットを送るしかない。
保育園について相談がある、とだけいうか、一旦全ての状況を伝えた上で、よろしければ一度お電話、というか。
働いてた時からチャットの文面に頭を悩ますことほど馬鹿らしいことないと思っていた。
課長に送る文は何回も推敲し、送るタイミングもたずカレンダーで彼女のスケジュールを確認し邪魔じゃないところ機嫌の悪くなさそうな時、さらに送った直後から既読がついてるかどうか、リアクションスタンプがついてるかどうか気になって他の仕事が手につかない。
もっとフランクにコミュニケーションできたらどれほどストレスが軽減されその分生産性が高まるか。
ドメドメの会社なので仕方ない。

仮案。
「以前最寄り以外の園も応募するといったのですが、旦那と相談して役割分担する上で現実的じゃないとなったのでやめて…」
「旦那の協力が0なので、実家の近くに引っ越すことを考えていて今家探し中です」
もちろん引っ越しなんてしないが、引っ越しといえば当分は静かにしてくれそう。
でも私はあったまがとてつもなく悪いので、いずれの案にせよ何度も脳内シミュレーションして暗記するレベルで練習しまくって憑依させないとすぐボロがでる。

課長が、私がこのまま辞めることを危惧しているならば、来年4月には必ず保育園が決まって復職できるアピールをすればよいし、実際ガラ空き保育室があるので必ず復職できる。
が、そしたらなぜ10月にその保育室に応募しなかったのかとなるし…。

あぁもう放って置いてほしい。
他の産休とってる会社同期に聞くと、上司には「保育園見つからなかったら仕方ないよね〜」と言われて延長申請はすぐ終わったそうだし、過去に育休2年取得した先輩ママさんも、上司とは暗黙の了解的な感じで、2年とることにそこまで追いかけてこなかったと言っていた。


課長、本当に今年度でご退任してもらわなきゃ困る。
退任が決まっていれば、本人も来年4月以降のことだし、と私のことを放っておいてくれるだろうに、もう必死に引き止めようとしなくていいですよ、という感じ。
私はなんの役職もない一番下っ端社員だし営業でも最年少で一番手のかかる人材でコスパ悪い社員だったから、私のことを純粋な気持ちで早く復帰して戦力になってほしいと願っているというよりかは、私みたいにのうのうと休んでるのが気に食わないのだろう。
なんせ彼女は入社以来一度も休まず何十年も仕事をし続けてきたのだから。メンタルにかかった時期があるかないか知らないが、少なくとも未婚子なしなので産育休はなかっただろうし、おそらくあの調子じゃメンタルとも無縁そうだ。


とりあえず課長にチャットを送ろう。
なんなら私が10月に応募する約束をしたことすら忘れていたりしないだろうか。
これさえ乗り切れば半年間天国が待っている。
そう、大企業に勤めているメリットを考えるんだ。
いくらでも代わりがいて、ただの一人いないくらいじゃ屁でもないのがいいところではないか。
たかがぺーぺーの社員があと半年お休みを延ばしただけで、そんな大層なことではない。


12月のいつかの金夜には優里のコンサートがある。
一人で申し込んだコンサートは人生初だ。
申し込んだ当時は、もし復職してたら半休使って…でも忘年会シーズンだし…なんと言い訳しよう…休めるかな…とか考えていたが、育休延長できればそんな心配もせずに済む。
苦労せずに何かを手に入れようなんて虫が良すぎる。課長の洗礼くらい受けなくては。


週明けからずっと胃がむかむかキリキリして胃酸が込み上げていて軽い吐き気。体調も朝から晩まで悪い。怠い。眠い。
先週末那須旅行で暴飲暴食したからその後遺症かと思っていたが、もしかするとまたもやこの課長が原因なのかもしれない。
前回の面談前はヘルペスできたし。


エミリーインパリもあっという間に見終わってしまったし、日常の楽しみが何もない。
定番の息抜きであった食事ですら胃がキリキリして食べたいのものがない。といいつつおうどんやヌテラクレープなどドカ食いしてる。食べ続けていると少し和らぐ。

早くけりをつけたい。