宇宙ホラー【統合失調症 小説】〜もう一つの物語2〜パラレルワールド
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よしえは地球にいた。こっちのよしえはと言った方がいいだろうか?よしえは少なくとも宇宙に2人いた。そう!地球とカッパの世界に笑。宇宙エラーが起きてエピソードが枝分かれしてしまったのである。もう一人のカッパの世界にいるよしえのお話はこちら↓
そして今回は地球に残ったよしえのお話。よしえは体育館で働いていた。彼女は統合失調症を患っていた。彼女の症状は幻聴、幻覚、妄想、考えが悟られていると思いこむ思考伝播であった。幻聴は色んな音に乗ってやってくる。叫び声や話し声、虫の声なんかにも乗ってやってくる。これはそんなよしえの物語。
カチカチカチカチ、茶色のアナログ時計が夜の9時9分を指していた。今日は8月8日の火曜日。ジリジリジリジリダイヤル式の電話がなった。今から支払いに行ってもいいですか?
あーはい、9時半までなら大丈夫ですよ。
そうですか!すぐ向かいます。
はい、お待ちしております。
田中さんだなと分かった。支払いとは先月の未納分の支払いのことだった。時計を見ると9時35分になっていた。来ないかな?レジ締めしちゃおうかな?と考えるよしえ、いやもう少し待って見よう。車のエンジン音がする。あっ、来られた。
すみません、遅くなっちゃって、いえいえお待ちしてました。と計算をして精算する。領収書を書くので少々お待ちください。30秒ぐらいかかる。
宛名と金額、使用日、年度、日付を書いて、領収の印鑑と自分の名前の印鑑を押す。はい、お待たせしました。領収書です。ありがとう。それが終わったら、会計帳に6桁の領収番号と金額を記入する。045677、660円。申請書にも金額、領収番号、領収印、責任者印を押す。ついでに補助簿にも金額と日付支払い方法を鉛筆で記入する。紙と電卓で回るシステム、デジタルが介入せずに回るアナログシステムに私は感動した。1つ1つの作業をきちんとできていないとエラーが起こる。しかし、この作業をきちんとやっていれば電話の相手が誰か予測することができるのだ。一連の業務を覚えるのに1ヶ月かかった。1つの入力ミスがあっても他の情報でそれを補う事ができる。それがアナログ式の会計システムの有利な点だと思う。
今日の会計は1550円。会計帳を記入して、売上金を金庫に入れる。パスワードは302144ガチャッ。
明日の使用予定の申請書を当日と分けられたファイルに移す。鍵をカバンから出す。スマホの時計を見ると22時10分だった。そろそろ出ようと体育館の7つのライトを順番に消す。7、6、5、4、3、2、1。体育館が真っ暗になる。鍵をかけて外に出る。自転車の鍵はダイヤル式だ。011082、後ろを振り返ると月が丸くて綺麗だった。一周回った。よしえはそういった。さてよしえの鍵の番号は何番でしょう?