新潟から明日の医療を考える 10
過疎地の医療
1970年度以降,過疎地域における人口1万人あたりの病床数は全国平均を下回っていましたが,最近では過疎地域の急速な人口減から全国と過疎地域が逆転しています。65歳以上人口1万人あたりの高齢者福祉施設の定員数をみると,特別養護老人ホームや養護老人ホームなどは全国平均より高いようです。一方無医地区は2014年現在,637地区(人口は124,122人)であり、過疎市町村における無医地区数は1,168地区(1978年)から565地区(2014年)と減少していますが、無医地区を有する市町村は203(2009年)からの216(2014年)と増加し、無医地区の約90%が過疎地域に存在しています。すなわち明日の日本の医療を考える上で、人口減少社会の先進地域である過疎地の医療への取り組みは極めて重要です。(つづく)