週刊誌、斜め読み!!猫組長と西原理恵子の「ネコノミクス宣言」週刊SPA!
無限にお金があるとしたら何に使いますか?
明らかに無理のある質問~~ お金(通貨)とは有限であり、その流通量が制限されてこそ価値を持つ。
同量の水とダイヤモンドでは、どちらが価値を持つか?
水は生命維持に欠かせないもののひとつ。貴重な資源。
一方、ダイヤモンドは生活に必要なモノではない。
しかし、このふたつの資源では圧倒的にダイヤモンドのほうが価値を持つように見える。これが水とダイヤモンドのパラドックスだ。
アダム・スミスは「使用価値」と「交換価値」に分別してこの問題を解説。
使用価値とは、何に使えるか? 交換価値とは何と交換できるか?という価値の差別化。
ここから導かれるのは、水は使用することに高い価値を持ち、ダイヤモンドは交換する価値が高いということ。
つまり、使用価値と交換価値は必ずしも一致しない。
ダイヤモンドは貨幣価値においては貴重とされる。ダイヤモンドのほうが高い比率でお金(通貨)との交換が可能だからだ。それは希少性にあり、ダイヤモンドが無限にあれば交換価値はない。
生存に必要な水よりダイヤモンドが価値を持つ、それが貨幣経済の文明社会なのである。
お金とは交換の手段であり、モノやサービスに交換することでその価値が生まれる。
そしてお金は使い方しだいでとても便利なツールになる。
恵比寿にある小さなレストラン
夫婦ふたりでやっていて、特にお店が流行らなくてもやっていけるのは、自己所有のビルでお店をやっているから。
あるお客様はこのレストランに20年も通っており、毎年奥様の誕生日は貸切でふたりだけのディナーを楽しむ。ふたりにとって出会って初めて食事したレストランがこのレストランだったから・・・
その誕生日には毎年、最高の薔薇をレストランは調達する。1年も前から栃木の薔薇農家へ手配して調達をする。
しかし、今年の誕生日は新型コロナの影響でディナーが難しくなった。
レストランをやっていたご夫婦は、ビルを売却、お店もたたんだ。
ところが、奥様の誕生日にそのレストランで食事をするお客様がそのビルを買い取った。いわば、レストランをビルごと買い取ったというわけ。
そしてレストランはそのまま、ご夫婦に経営をまかせた。
そしてそして無事に今年も奥様の誕生日のディナーは行われた。薔薇も調達された。
「なくなると彼女が悲しむから」という理由でそのお客様はビルごと買い取った。奥様はその経緯、逸話を知らない。