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使える物がどんどん消えてく

脚立で事故があったので、脚立使用禁止。
オリオンで怪我した人がいるからオリオン使用禁止。
今度はBSMも使用禁止だ。
カッターを使って手を切った人がいるからカッター使用禁止。

大手の現場では事故が起きると使用禁止になることが多いです。
今回はそんな使用禁止についてのお話です。

どんどんやり辛く

大手の現場に入ると、その現場その現場で様々なルールがあります。
そのルールの中には使用禁止のルールも存在します。
特に有名なものが大手ゼネコンでの脚立使用禁止だと思います。
町場の現場しかやらない人からすると
えっ?
狭いとことかどうやって作業するの?思う方も多いと思います。

脚立

脚立はとても便利で手軽に使える一方で事故が多いのも事実です。
そのため過去の事故や怪我の事例から大手ゼネコンでは脚立の使用が禁止されています。
僕が知る限りでは大手5社とも使えません。
ただ、特例で使える現場もありますが、場所を特定し、足場も組めない。他の足場も入らない場合に限ります。
それも現場所長のハンコがないと使えません。
完全に使えない現場がほとんどかと思います。

基本的にはBSM、伸び馬、セトー、アンドロメダのような足場を使います。
もっと高い位置では高所作業車、ローリングタワー、アップスターなどを使います。

大手の現場では事故や怪我が起きると、そのタイミングでルール変更が行われます。
そして周知会が開かれます。
全員に周知し、これからはこのように作業していってくださいと、新しいルールが作られます。
このとき、怪我した時の道具や足場が使用禁止になったりするんです。
最近では脚立の次に使いやすかったBSMも使えない現場も増えてきました。
今入っている現場ではカッターも使えないです。

そのルールおかしくない?

お察しの通りカッターが使えなくなると、代わりになる商品が無く、小さいナイフで切ったりします。もうね。小さいドスです。
カッターほど細くないので、カット面もスパッと切れてるわけではないので施工の品質は落ちます。
でも安全が守られるならいいんです。

ナイフの使用方法はカッターと変わらないので、なぜこのドスがOKでカッターがダメなのか納得の行かないまま作業をしています。
これおかしくないですか?

ここでやらなければいけないことは、カッターを悪者にするのではなく、カッターを使っても、怪我をしないルール作りのほうがいいと思うんです。
例えば、カッター使用時には必ず切創防止手袋着用でないとダメとかです。

使い方や手の位置などが悪かったわけであって、カッターが悪いわけじゃないんですね。
ここでは性弱説を使わなければいけません。

そしたら包丁で殺人事件が起きたら包丁を使うのをやめるのか?
車で交通事故が起きたら車を販売中止にするのか?
しないですよね?

車の場合なら、人感センサーや、レーダーなどがついたり、踏み間違い防止機能がついたりと、車を使ったとしても、安全に運転できるようにと改善しているんです。

でも現場ではそもそも使うのを禁止にするので、毎年どんどんやり辛くなっていくんです。
そうなると今度はどうなると思いますか?

それはバレないようにこっそり使う。です。
これはあるあるだと思います。

そうなると、キョロキョロしながら使うことにもなるし、焦って作業をすることになるので、また事故になる可能性があります。
もう負のループです。

変わりの利かない道具の使用禁止は、その時点でもう作業が積んでいます。

例えば我々保温屋というのはシャフトなどの狭い環境での保温作業というのが必ず出てきます。
この狭い場所でも脚立は使用禁止です。
脚立ならギリ立てかければいけるかな?とい環境でも脚立は使えないので、BSM、オリオンなどで作業をします。
勿論狭いのでBSMをきちんと開いて使うこともできないので、立て掛けになります。

BSM
オリオン

このとき我々保温屋は八方塞がりになります。
まず大手ゼネコンでは脚立が使用禁止。
BSMの壁への立て掛け使用禁止。
そしたら足場を組んでもらって作業をするのですが、基本的に保温屋の数時間の作業だけのために足場を組むことは予算的に無理で、組んでくれません。

こうなると施工するためには

1.脚立の使用許可を出してもらう
2.こっそり行う

こうなるわけです。
そして2をやらざる負えない事のほうが多いんです。

僕としては保温屋というのは設備内での『しんがり』のポジションだなと思っています。
保温屋だけが怒られればなんとか丸く収まるんです。
保温屋だけのために足場は組めないが、作業は終わらせてくれです。

臨機応変に対応してくれない所長の現場には職人さん達も行きたがらないので、どんどん良い人材は離れていきます。
人が集まらないので現場がうまく進まなくなり、焦って作業をし、また事故や怪我が続きます。

まとめ

小さなエラーの改善をおろそかにしてはならない。
道具が悪いのではなく、手順や、人に問題がある。

ここをしっかり見直さなくてはいけません。

安全作業をするために、全ての作業をやらないほうが良いという極論になってはいけません。

大切なことなのでもう一度いいます。

道具や足場が悪いわけではない!


ではまた
本日もご安全に!

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