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家電業界の「指定価格制度」について

先日近所に家電量販店がオープンしたので、オープンセールで安くなっているだろうと思い、ドラム式洗濯機を見に行ったのですが、

私が欲しいと思った機種が所謂「メーカー指定価格」が適用されており、
どこの家電量販店で購入をしても同じ金額と言うことを伺いました。

今回はその「指定価格制度」について投稿したいと思います。

指定価格制度とは

家電業界における指定価格制度は、他の業界と同様に、メーカーが小売業者に対して販売価格を指定し、その価格を遵守させるものです。しかし、家電業界では、この制度の歴史や適用には独自の背景があります。

家電業界での指定価格制度の導入と背景

かつて家電業界でも、指定価格制度が適用されていました。特に、テレビや冷蔵庫、洗濯機などの大型家電製品は高額商品であり、メーカー側が販売価格をコントロールすることで、価格の安定とブランドイメージの維持を図っていました。この制度によって、小売業者が過度な値引きを行うことができず、製品の品質やアフターサービスの維持が確保されていました。

家電メーカーにとって、指定価格制度は市場における価格競争を抑え、安定した利益を確保する手段として機能していました。また、過度な価格競争は製品の低品質化やアフターサービスの低下を引き起こすリスクがあるため、メーカーにとって制度のメリットは大きかったとされています。

制度の変遷と自由競争の進展

しかし、1990年代以降、経済の自由化や市場競争の激化に伴い、家電業界における指定価格制度は次第に縮小されました。特に、1997年の独占禁止法の改正により、再販制度の適用が家電製品には事実上認められなくなり、家電業界では自由な価格設定が主流となりました。

これにより、小売業者は自由に値下げを行うことができるようになり、家電量販店やオンラインストアが急成長しました。特に、低価格戦略をとる大手量販店は、指定価格制度がなくなったことで、消費者に対して競争力のある価格を提示できるようになり、市場シェアを拡大しました。一方で、中小の小売業者は大手との価格競争により苦境に立たされることも多くなりました。

指定価格制度の復活

今日の家電業界では、自由競争のもとで価格競争が激化しています。特に、インターネットを介した販売チャネルの発展により、消費者は簡単に最安値を比較・購入できる環境が整いました。ただ、昨今の物価高騰を背景にメーカー・小売店共に利益を確保しようという動きからか、指定価格制度を復活させている動きがあるようです(おそらく指定価格を適用している製品は他社製品と比較して、差別化できる機能があるものに限定されているような印象でした)。

意識していないと気づかない内容だったので、テーマとして投稿いたしました。
またそのような気づきがあれば情報発信をしたいと思います。



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