野外フェスで知り合った人に宗教勧誘された話
フォロワーの皆様、並びにこの投稿を見かけた皆様へ。笑わないで聞いてくれ。
これはどこにでもいるお酒と音楽が好きな26歳の平社員が、ヤバい宗教の勧誘を受けるまでのエピソードだ。「自分は絶対引っかからない自信がある!!」そう思っている貴方にも、一度読んでから頭の隅に覚えていてほしい。なぜなら私自身もそう思っていたからである。
きっかけはとある休日に出掛けた野外フェス。フェスといってもバンドが次々出てくる音楽ライブではなく、よく代々木や上野の公園のステージでやっている、無料のイベントのことだ。
その日は国際交流系のイベントが開かれており、世界の伝統舞踊に興味があった私はそのイベントのステージを見たり屋台飯を食べたりして過ごしていた。
そのイベントが終盤に差し掛かり、屋台を出店していた現地の人たちが陽気な音楽に合わせて、会場で踊り始めるのが見えた。こういうノリが大好きでなおかつお酒もある程度入っていた私はその輪の中にホイホイついて行ってしまったのだ。
ひとしきり輪の中で踊りまくったあと少し疲れたので端の方に捌けると、同じ会場にいた日本人女性2人に声をかけられた。
👩「めちゃくちゃノリノリでしたね〜!」
👱♀️「踊り上手いですね〜!」
彼女たちこそが、このあと私に宗教勧誘を行ってきたやつらである。
この時は特に怪しいようには見えず、私と同じようにときたまお酒を飲みながら踊りを楽しんでいた。
「このフェスにはなんで参加されたんですか?」彼女たちが訊く。さっきまで知り合いが舞台に出ていたから、と答えた。
2人ともとても気さくでノリが良かったため完全に気を許してしまい、フェスに興味を持ったきっかけや休日の過ごし方、普段どれくらいお酒を飲んでいるかを語った。
更に彼女らのうち1人が2個隣の駅に住んでいる地元民だと分かり、完全に気を許してしまった私は、去り際に彼女らとのInstagramの交換に応じてしまったのだ。
それから数日後。
2人のうち年上の方から私にDMが届いた。
👱♀️「先日はありがとうございました〜! もしよかったら次の週末にランチいかがでしょうか?」
幸いなことに日曜日が空いていたのでOKの連絡をした。初対面の人とランチに行くことにそこまで抵抗のなかった自分は、心做しか日曜日のランチを楽しみにしていた。
迎えたランチ当日。
池袋で待ち合わせし2人と合流し、駅近くのカフェで食事をすることに。
注文した料理をつまみながら、お互いの趣味のことや最近出かけた場所、芸能人のゴシップ話など、他愛もない会話を交わしながら楽しい時間が過ぎていった。
ここまではよかったのだ。
事態はここで急変する。
👱♀️「あなたは、このチラシを見たことがある?」
年上女性の方がおもむろに鞄から新聞のようなものを取り出し、私に見せてきた。そこには巨大な富士山の写真が…
そう、彼女たちは「あの宗教」の熱心な教徒だったのである。
ネット民の皆さんに分かりやすく言うと、例のドラえもんショーでお馴染みのカルト宗教だ。
彼女は突然人が変わったような話し方で日本に迫る危機について羅列していき、それを少しでも減らすためには「富士山の方角に向かって毎朝『南無妙法蓮華経』と唱えること」と説いた。
他にも
・人は成仏する時は死後硬直をしなくなる
・医学界でも○○先生のお言葉は認められつつある
・神様は仏様の指示によって動いている
・安倍元首相は『神の国』を作ろうとしたから仏罰で暗殺された
などとカルトじみたことばかり話されてこちらは恐怖とイライラが募ってしまった。
そんなありがたい説法のあとに
👱♀️「あなたの地元にも施設があるの。一度そこに来て、○○先生のお話を聞いてみませんか…?」
楽しみにしていたランチをカルト宗教の勧誘でパーにされた怒りが限界まで達していた私はこう放った。
「私は仏様や神様には頼りません。自分の生き方は自分で決めます。悩んだ時は身内や信頼できる人に相談します。ご紹介頂いて難ですがお断りします」
ここで引き下がってくれたらよかったのだが……
さっきまで黙っていた隣の同年代女性がここで説得にかかる。
👩「さっき『自分の生き方は自分で決める』『悩んだ時は身内や信頼できる人に相談する』って言ったじゃない?でもね、人間には行動できる限界があるのよ。あなたがやろうとしていることは、東京から信州を徒歩で行こうとしているのと同じ。普通は新幹線使うでしょ?人間が自力で歩くのには限界があるから。その新幹線みたいに、人間が苦難を乗り越える手助けをするのが、仏法なの」
さすが宗教勧誘、話術に長けている。
さっきまで話していた他愛もない会話の中に、新幹線で信州へ旅行に行ったというエピソードが入っていた。
その他にも一発屋芸人の話や薬物ゴシップの話など、前半の会話内容が見事なまでに散りばめられていた。こんな形で伏線回収を見せつけられるとは思わなんだ。
…いや、感心している場合ではない。
しかし話が進むほど断るための言い訳が尽きていく。こうなったら最後は曖昧な言葉で誤魔化して終わらせよう。
「ご紹介ありがとうございます。今の段階で決めることは難しいので、一旦検討させてください。」
ここで諦めがついたのか、2人とも話をやめてくれた。
こうして最悪のランチ会は終了し、2人とは解散した。地元民だった同年代の女性も用があって現地解散となり、最寄り駅まで口説かれる危険性を回避した。
その後は翌日の夜遅くに2人のInstagramのフォローを解除し、渡されたビラも家の近くのコンビニで破り捨てた。
今回の件で後悔したのは2つ。
まずは完全初対面の人と安易にSNSを交換してしまったこと。
高校の部活や大学のサークル界隈、あるいは地元の飲み仲間ではなく、たまたま寄ったフェスで知り合った、共通の知り合いもいない他人にここまで気を許していたのは、油断しきっていたとしか言えない。
もう1つは、ランチ会で今後のフェス開催予定を2人に伝えてしまったこと。
開催情報を教えてしまったことによって、彼女たちはまた次のフェスに現れ、何も知らない人に近づき、今回のような勧誘を行うかもしれない。だとしたら、次の被害者を増やすことに加担したと言っても過言では無い。
おかげさまで私は1人で野外イベントに参加するのが怖くなってしまった。
またこのように自分に近寄り危なっかしいものを勧めてくる人間がいるかもしれない。
現に、別のイベントでも私に声を掛け友達になった男性2人組もいる。今回の件があってからこの2人も怪しく見えてきた。
よくよく考えたら、酒飲んではしゃいでるだけの他人もそうだし、その辺を通りかかっただけの他人に声掛けるなんて普通じゃありえない。
今後は野外イベントに行く時は、単独ではなく誰か一緒に参加する人を呼んで行こうと思った。それと趣味界隈以外で初めて会った人とは極力SNS交換はやめようと思った。
フォロワーの皆様も、どんなに意気投合した相手でも、知らない人からのSNS交換やランチのお誘いにはくれぐれもお気をつけください。
ご清聴ありがとうございました。
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