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震災を機に問い直す珠洲市の学校再編〜議論の変遷から未来の教育環境を考える

 本記事の前半では、議会での議論を効率的に整理し、主要な論点を浮き彫りにするため、生成AI技術を活用しています。具体的には、本文中の引用部分を除き、記事のタイトル、導入文、要約、注意書きをAIで作成しています。ただし、AIによる要約や解釈には限界があるため、詳細や微妙なニュアンスについては、必ず引用された原文を参照してください。
 後半では、震災後に開催された地区住民意見交換会の議事録と復興計画策定委員会の配布資料を分析し、教育環境に関する議論の推移を詳細に追跡します。

はじめに

 令和6年能登半島地震は珠洲市の教育環境に大きな転換をもたらしました。子育て世帯の市外避難・転出により、児童生徒数が全体で3割減少。この急激な変化を受け、学校の統廃合を含めた再編の議論が保護者を中心に広がっています。

 本資料の前半では、この新たな課題に向き合うための一助として、過去10年間の市議会における学校統廃合に関する議論を振り返ります。2014年から2023年までの会議録から抜粋した質疑応答を通じ、少子化、財政問題、教育の質、地域との関わりなど、多角的な視点から議論の変遷をたどります。

 さらに、後半では震災後の地区住民意見交換会の記録や復興計画策定委員会の配布資料、関連する報道記事からも情報を収集し、現在の状況と課題を明らかにしています。統廃合を支持する意見と慎重な意見、市長の立場、市の対応、専門家の見解など、多様な視点を提示しています。

 この資料は、教育の質の確保、地域コミュニティの維持、財政面での効率性、災害時の安全確保など、複雑に絡み合う要素を考慮しながら、珠洲市の教育環境の今後のあり方を考える上での基礎資料となることを目指しています。震災前の議論を踏まえつつ、新たな現実に直面する珠洲市の教育環境のあり方。この喫緊の課題に関心を寄せる住民の皆様が、長期的視点で考えを深める際の一助となれば幸いです。



前半要約

この資料は、2014年から2023年までの珠洲市議会での学校統廃合に関する議論を時系列でまとめたものです。主な論点は以下の通りです:

  1. 人口減少と児童生徒数の減少

    • 2040年までに20-39歳女性人口が大幅に減少する予測

    • 年間出生数が50人程度まで減少

  2. 小規模校の課題

    • 同級生が少ない、または全くいない状況

    • 学校行事や部活動の維持が困難

    • 教師の過重労働

  3. 統合推進派の主張

    • より多くの同級生がいる環境を望む保護者の声

    • 切磋琢磨できる環境の必要性

    • 財政面での効率化

  4. 市長(泉谷満寿裕氏)の基本姿勢

    • 地域と学校は一体であるという認識

    • できる限り現状維持を目指す方針

    • 小中一貫教育や特色ある教育活動を通じた地域づくりの重視

  5. 統合に慎重な理由

    • 学校統合による人口減少加速の懸念

    • 地域の誇りと愛着を持てる教育の重要性

  6. 新たな取り組み

    • コミュニティースクールの導入

    • 大谷小中学校の小規模特認校指定(2023年度より)

  7. 財政状況と公共施設の管理

    • 経常収支比率や実質公債費比率の推移

    • 公共施設等総合管理計画に基づく施設の統廃合や長寿命化の検討

この資料は、長年にわたる珠洲市の学校統廃合をめぐる議論の変遷を示しており、人口減少が進む中で、教育環境の維持と地域との関係性のバランスを取ることの難しさが浮き彫りになっています。


平成26年第2回定例会(第2号)
本文 2014-07-01

36 : 1番(米田幸助君)

  • 市長の主張に対する疑問:

    • 学校統合が地域への誇りや愛着を薄めるという考えへの反論

    • 学校の有無に関わらず、地域への誇りや愛着は存在する

  • 人口減少の深刻さ:

    • 2040年には20-39歳女性が280人に減少する予測

    • 20年後の出生数は20人を割り込む可能性

  • 現状の課題:

    • 同級生がいない、または極めて少ない状況

    • 学校行事や部活動の維持が困難

    • 教師の過重労働

  • 保護者の声:

    • より多くの同級生がいる環境を望む声

    • 学校統合を求める声の増加

  • 提案:

    • 将来的な人口増加時の再分散の可能性

    • 小中一貫教育と学校統合は別問題として考える必要性

    • 三崎と緑丘校区での再検討

  • 要望:

    • 市民の声を集める機会の提供(議論の場、アンケートなど)

    • 特に子育て世代を中心とした意見聴取

 次に、「活き活きと安心して暮らせる住みよい珠洲市」の中から質問をさせていただきたいと思います。
 この中で市長は、選挙を通じて感じましたのは、人口減少、少子・高齢化への市民の皆様の不安であると言われております。実際、児童館、子供支援センターの整備、保育料の減免などここ1年で積極的な少子化対策を講じておられるように思います。
 今回はその中で触れられておられた学校教育のことに関して質問させていただきます。
 本市で生まれ育った子どもたちが、将来、珠洲市に帰ってこれるよう、地域に誇りと愛着を持てる教育を目指すことが何よりも重要であるとも言われております。さらに、学校統合により地域の誇りや愛着が薄れ、そのことが、子どもたちが将来珠洲市に帰ってこなくなることにつながることを懸念されるという内容のことを言われています。
 果たしてそうでしょうか。私は飯田に住んでいますが、飯田町内においても各地域それぞれに強い誇りと愛着を多くの方が持たれています。また、3町6村の旧自治体より、さらに細かく分かれている地域も、祭りなどの伝統文化等も通し、その地域に誇りや愛着を強く持っていると思うのですが、市長はそのように感じられませんか。それは決して、学校があるから誇りや愛着があるということではなく、学校がなくても誇りや愛着は持っていらっしゃいます。直小学校と一緒になった日置の子どもたちは旧日置小学校校区の皆さんは地域に対する誇りや愛着を強く持たれているのではないでしょうか。
 有識者でつくる日本創生会議の分科会の発表によりますと、2010年珠洲市の20歳から39歳の女性の人口は1,000人を割り込み、既に965人ということですが、2040年には280人となっているそうです。現在の出生数が1年に70人ほどだとすると、20年後には20人を割り込んでしまうかもしれません。小学校9校残すとすれば学校平均2人。同級生がいれば恵まれているほうで、同級生のいない子どもが多く存在することになり、同性の同級生がいることも余りない状況になってしまいます。20年後ではなくても、既に今、伝統ある相撲大会を開けなくなった学校があったり、部活動も選びにくい状況になっていたりします。クラブ活動も小学校単位ではないものもあります。ともに学び、放課後同じ仲間でクラブ活動に励むということができなくなってしまっています。同級生がいない子どもも既にいますし、同級生がいても同性の同級生がいなかったり、逆に同性の同級生しかいなかったり。学年当たりの生徒数が少なく複式が多くなることで、先生方が夜遅くまで連日残業をして何とか学校を維持されているようです。9校全てがそうなったとき、全てがそうならなくてもその無理という工夫はいつまで続けることができるのでしょう。それは、子どもの教育にとってどのような影響が出るのでしょう。小さいお子さんをお持ちの方から、なるべくたくさん同級生がいるところに通わせたいけど、地元にあると、ほかに行かせにくいという声を多く聞きますし、今ではそういった方々に限らず子どもたちのために合併させてほしいという声が多く聞こえてくるのではないでしょうか。
 今後多くの予想を覆し、珠洲市の年間出生数が今の何倍にも増加させたとき、改めて各地域に学校をという形ではまずいのでしょうか。
 小中一貫教育は否定しませんし、成果も上がっていると聞きます。しかし、小中一貫と学校統合は別問題です。小中一貫になっても同級生の人数は増えません。学校統合しても小中一貫教育を進めることができます。学校こそ珠洲市の未来にとって重要なものであり、そういった学校だからこそ、未来を市民の皆様とともに考えて行く必要があるではないかと思います。
 三崎と緑丘校区に関して、いま一度多くの市民の声を集め、検討し直す必要があるのではないかと思います。
 子どもを持つ親世代を中心に各地域から集まっていただき、議論の場を提供したり、アンケートをとるなど、学校統合に関して御検討いただくことはできませんでしょうか。

平成26年第2回定例会(第2号)本文 2014-07-01

38 : 市長(泉谷満寿裕君)

  • 基本的な考え方:

    • 地域に誇りと愛着を持てる教育の重要性

    • 将来的な珠洲市への帰還を促す教育環境の維持

  • 現状維持の方針:

    • 小中一貫教育の取り組みを通じて、できる限り現状を維持

  • 学校統廃合の現状:

    • 平成20年の「今後の望ましい教育環境に関する答申」に基づいて進行中

  • 今後の方針:

    • 児童・生徒数の推移を継続的に観察

    • 必要に応じて検討委員会を再設置

    • 広く関係者の意見を聴取

 児童・生徒が減少する中、学校のあり方を考えることは難しいことであり、意見が分かれるところでもありますが、私といたしましては、提案説明でも申し上げましたとおり、本市で生まれ育った子どもたちが、将来、珠洲市に帰ってくるよう、地域に誇りと愛着を持てる教育を目指すことが何よりも重要であると考えており、小中一貫教育の取り組みなどを通して、できる限り現状を維持してまいりたいと考えております。
 現在、本市における小・中学校の統廃合につきましては、平成20年の今後の望ましい教育環境に関する答申に基づき進めているところでありますが、今後、児童・生徒数の推移を見守りながら、必要であれば望ましい教育環境について検討委員会を再度設置し、広く関係の皆様方の御意見を伺ってまいりたいと考えております。

平成26年第2回定例会(第2号)本文 2014-07-01

平成26年第7回定例会(第2号)
本文 2014-12-09

62 : 1番(米田幸助君)

  • 前回の市長の答弁内容:

    • 児童・生徒数の推移を見守る

    • 必要に応じて検討委員会を再設置

    • 広く関係者の意見を聴取

  • 現状認識:

    • 出生数の減少が顕著(広報での空白増加)

    • 推移を見守る時期は過ぎたという声

  • 具体的な数字:

    • 昨年4月〜11月の出生数:54名

    • 今年度12月4日までの出生数:44名

    • 年間出生数が60名を割り込む可能性

    • 小学校6年生の現在の児童数:約120名

    • 12年後には現在の半数になる予測

  • 質問内容:

    • 具体的に児童・生徒数がどの程度になれば検討が必要と考えるか

 次に、少子化による小学校統廃合について質問させていただきます。
 ことしの7月に、学校統合に関して質問させていただいたところ、市長から、「今後、児童・生徒数の推移を見守りながら、必要であれば望ましい教育環境について検討委員会を再度設置し、広く関係の皆様方の御意見を伺ってまいりたいと考えております。」との答弁をいただきました。児童・生徒数の推移を見守り、必要あれば広く御意見を伺うということですので、今までから見ると多少踏み込んだ発言のように感じられます。
 現在、広報すずを見ておりましても、「赤ちゃんがうまれましたっ」の欄が数年前に比べて空白が目立つように感じますし、こういったことも関係してか、推移を見守る時期は過ぎたのではないかという声も多く聞こえてきます。
 実際、昨年の4月から11月までの出生数は54名でしたが、今年度の12月4日までの出生数は44名で年間の出生数が60名を割り込もうとしています。現在でも既に小学校6年生の児童数は珠洲全体で120名ほどしかいませんが、12年で半分の児童数になるということが現実として見えてきてしまっています。
 ここでお聞きします。具体的には、児童・生徒数がどの程度になると検討の必要があると考えておられるのか、お聞かせください。

平成26年第7回定例会(第2号)本文 2014-12-09

64 : 市長(泉谷満寿裕君)

  • 学校統廃合の基本方針:

    • 平成20年の「今後の望ましい教育環境に関する答申」に基づいて進行中

  • 検討委員会設置の判断基準:

    • 児童・生徒数の推移

    • 各学校における教育内容

    • 登下校の安全を含む学校環境

    • 地域事情

    • その他の様々な要素

  • 今後の方針:

    • 上記の要素を総合的に勘案

    • 検討委員会の設置について判断

 学校の統廃合につきましては、本年6月議会で米田議員の御質問にお答えしましたとおり、平成20年の「今後の望ましい教育環境に関する答申」に基づき進めているところでございます。
 今後、児童・生徒数の推移のみならず、各学校における教育の内容、登下校の安全を初めとした学校環境、地域事情など、さまざまな要素を総合的に勘案しながら、検討委員会の設置について判断してまいりたいと考えております。

平成26年第7回定例会(第2号)本文 2014-12-09

平成27年第5回定例会(第2号)
本文 2015-09-08

45 : 3番(米田幸助君)

  • 現状認識:

    • 宝立小中学校、大谷小中学校の開始

    • 新図書館の検討が進行中

  • 将来の課題:

    • 急激な人口減少の予測(20-30年後に現在の半分程度)

    • 財政状況の悪化と公共サービス維持の困難

  • 提案:

    • 学校の統合(理想は市内小学校を1つに、現実的には三崎と緑丘校区の統合)

    • 学校施設の複合化(学校図書室と市民図書館の併用)

    • 多世代が利用しやすい場所への新施設の建設

  • 複合化のメリット:

    • 学校施設の高機能化と多機能化

    • 多世代交流の促進

    • 効果的・効率的な施設整備

    • 地域コミュニティの形成

  • 国の方針との整合性:

    • 公共施設の総合的把握と財政運営との連動

    • 施設の更新、統合、長寿命化の推進

  • 他自治体の事例:

    • 図書館、公民館、保育所、プール、体育館など学校との複合化

 まずは、学校施設の複合化について質問させていただきます。
 現在、市内では宝立小中学校がスタートし、大谷でも小中学校がスタートしようとしています。今後は、三崎や緑丘校区の学校について話が進められていくのだろうと思います。
 一方、新しい図書館に関しても、新図書館の検討委員会から答申も提出され、今後さらに具体的になっていく状況にあります。
 珠洲市は、人口減少をはじめ、今後さらに大きく、そして今まで以上に急激な変化を迎えると予想されています。そういったことを考えると、多くのことは今まで以上に長期的で総合的なビジョンを持ちながら進めなければいけません。図書館や学校に関しても、新しい建物を建てるということであれば、20年、30年と建物を維持した上で、市民の福祉向上のためにソフト面を充実させ、サービスを継続していかなければなりません。
 20年後、30年後といえば、珠洲市の人口は今の半分になっているでしょうし、学校という観点で見ても、年間の出生数は、珠洲市全体でも1クラスにおさまるような状況になっていることが予想されます。人口が減り、子どもも減れば、市税だけではなく交付税も減ることになり、様々な公共的サービスを維持することがより難しくなり、それは学校や図書館に関しても同じことが言えます。
 こういったことを含め、様々なことを総合的に考えた上で、珠洲市として、今後どういった学校環境、教育環境、そして知の拠点とも言える図書館を考えていくのかお聞かせいただきたいと思います。
 私は、珠洲市の子どもたちが同じ母校を持つ珠洲っ子となるよう、できれば珠洲市内の小学校を1つにという考えを持っています。しかしながら、現状の宝立や大谷のことを加味すると、今から取りやめることは難しく、少なくとも三崎と緑丘校区の小学校を1つにということが現実的なのだろうとも思います。そういった合併させた学校の図書室をより充実したものとする上でも、そして、珠洲市の図書館に関しても、より充実したサービスを長く維持させるためにも、学校を合併された上で、学校の図書室を珠洲市民、皆が使える図書館を併用するようにするとよいのではないかと思います。
 もし、図書館に関して、全く新しい建物にするということであれば、合併する小学校の子どもたちも含め、中学生や高校生、高齢の方々も利用しやすい場所に建設することにより、多くの方に利用していただける施設になるのではないでしょうか。このような学校施設の複合化という動きは、国としても、「学校施設の高機能化と多機能化」、「児童生徒と施設利用者となる高齢者や幼児など、多様な世代との交流」、「効果的・効率的な施設整備」、「地域コミュニティーの形成」などを理由に、保有する公共施設を総合的に把握し、財政運営と連動させながら各施設の更新、統合、長寿命化を加味し、積極的に推進していく考えのようです。
 また、実際に図書館はもちろん、公民館や保育所、プール、体育館など、学校を複合化する取り組みをされている自治体も各市で出てきているようです。学校や図書館がより充実したサービスを長く維持していくという観点から考えても、小学校を合併させ、学校の図書室を図書館として併用するようにしてはいかがでしょうか。

平成27年第5回定例会(第2号)本文 2015-09-08

47 : 市長(泉谷満寿裕君)

  • 学校の今後のあり方に関する方針:

    • 平成20年の答申に基づく

    • 宝立地区、大谷地区、三崎地区:小中一貫教育の推進

    • 緑丘中学校区:上戸、飯田、若山小学校と直、正院、蛸島小学校を統合し2校に

  • 市長の基本的な考え:

    • 地域に誇りと愛着を持てる教育の重要性

    • 学校統合による人口減少加速の事例を懸念

    • 小中一貫教育を通じて、現状維持を目指す

  • 図書館に関する見解:

    • 市民の文化度を測る指標として重要

    • 市民全体の教養に関わる施設

    • 定住促進にも寄与する

  • 新図書館に関する方針:

    • 新たな図書館建設の必要性を認識

    • 市民に親しまれる多様なニーズに対応した施設を目指す

 本市における小中学校の今後のあり方といたしましては、平成20年の学校統合問題に関する答申で、今後の児童数の推移等を見ながら、宝立地区、大谷地区、三崎地区において小中一貫教育を推進し、緑丘中学校区では、上戸、飯田、若山小学校と直、正院、蛸島小学校を統合し、2校にすることが望ましいとされております。
 私といたしましては、本市で生まれ育った子どもたちが将来、珠洲市に帰ってくるよう、地域に誇りと愛着を持てる教育を目指すことが何よりも重要であると考えております。学校統合を進めることによって、さらに人口減少に拍車がかかったという事例も全国にございますので、小中一貫教育の取り組みなどを通して、できる限り現状を維持してまいりたいと考えております。
 また、図書館についてでありますが、図書館は市民の文化度をはかる指標であり、教育の面におきましても、児童生徒の学力のみならず、市民全体の教養にかかわる重要な施設であるとともに、定住促進にも寄与すると考えられることから、新たな図書館の建設は必要であると考えており、市民の皆様に親しまれる多様なニーズに対応した新図書館にしたいと考えております。

平成27年第5回定例会(第2号)本文 2015-09-08

平成27年第6回定例会(第2号)
本文 2015-12-08

48 : 3番(米田幸助君)

  • 幼小中一貫教育について:

    • 珠洲市の現状(公営保育所、認定こども園)

    • 幼児教育の必要性と幼小中一貫教育に対する市長の見解を求める

  • 切磋琢磨できる教育環境の必要性:

    • 人口減少対策としての教育環境の重要性

    • 小中一貫教育やふるさと教育の評価と充実の必要性

    • 学校統合と小中一貫教育・ふるさと教育の共存可能性

  • 現状の課題:

    • 若い世代の流出

    • 同級生が少ないことによる帰郷の躊躇

  • 提案:

    • 宝立・大谷以外の学校の早急な統合

    • 珠洲市として一つの学校を始めることによる地域力の向上

  • 学校統合のメリット:

    • 国が推奨する1学年2〜3クラスの実現可能性

    • 子どもたちの切磋琢磨できる環境の創出

  • 要望:

    • 保護者へのアンケート実施

    • 学校統合に関する市民の声を聞く機会の創出

 総合戦略の中には、施策の1つとして、学校教育の充実というものがあります。次は、学校教育の部分から質問させていただきます。
 まずは、幼小中一貫教育について。
 市が設置者となる小学校と中学校を一貫して捉え教育していくことは、至極当然のことだと思いますし、これまでの議会においてもそのように発言させていただきました。今回質問させていただくのは、幼児教育についてどのように考えていくかです。
 現在運営されている市内の保育の場は、全て市が運営する公営の保育所となっており、その全てが幼稚園と保育所の機能や特徴を併せ持ち、子育て支援も行う認定こども園となりました。そういった意味で、珠洲市は幼児教育、小学校、中学校と連携し、一貫性を持たせ教育することが率先してできる環境にあるように思います。
 ここでお聞きします。幼児教育の必要性について、また幼小中一貫教育という教育形態について、市長のお考えをお聞かせください。
 次に、切磋琢磨できる教育環境の必要性について質問させていただきます。
 今回の総合戦略の中で、珠洲市の未来について考える場合、人口減少をいかに減速させるかということが大きな課題として捉えられていました。まず言っておきたいことは、小中一貫教育やふるさと教育に関して、私は一定の評価をしますし、むしろ、より充実したものにしていくべきだろうと考えております。学校を合併させるべきだと言うと、小中一貫教育、ふるさと教育ができなくなると誤解を招くことがありますが、学校を合併させることと小中一貫教育やふるさと教育というものは共存するもので、こちらをとるとこちらがだめになるというものではなく、より互いを高め合うことのできるものです。また、複式クラスが増える中、日々残業され、教育現場で取り組んでいただいている先生方には感謝するとともに、申しわけなく思い、むしろ夜9時、10時と毎日のように残業されている環境をどうにか改善させ、家庭においても過ごす時間を持っていただき、生徒に対し、より充実した形で向き合えるようにするべきだろうと考えています。
 ここで話を戻しますが、最近、3世帯の方に珠洲から出ていこうと思っていると打ち明けられました。小さなお子さんがいる20代、30代の方でした。さらには、息子は珠洲に帰ってきたいと思っているようだけど、帰ってきて通う学校に同級生が少なく帰れないという声も聞こえます。こういった声は、私以外の方にも聞こえているようです。聞こえてくる声があるということは、そのほかには何倍ものそういった思いを持っている方がいらっしゃるであろうことが考えられます。
 私は、Iターンに関して取り組むことは大変重要で、今後、珠洲市を維持していくためには必要なことだと思います。しかしながら、珠洲で育った人々が珠洲に帰ってきたい、さらにはそういう思いを持って帰った人たちがそのまま珠洲で生活していけるように取り組むことがより重要なのだろうと思います。宝立や大谷に学校を建てた今、全ての学校を1つにというのは無理があるかもしれません。しかし、せめてそれ以外の学校を早急に合併させ、たくさんの同級生がいる珠洲市をふるさととする子どもたちの教育を始めてはいかがでしょうか。
 珠洲市は、公民館活動や祭りも盛んです。珠洲市として学校を始めることで、地域力をより高めることができると思います。地域力が弱まるのは、子どもの数が減ってしまっているからで、学校がなくなったからではありません。それを解消するためには、いかに子どもの数を増やすかで、先ほど説明したことを考えると、現在のように6学年で6学級から11学級の小規模校というものをさらに下回る、極めて小さな規模の学校を市内各所に維持することが子どもを減少させる原因の1つになってしまっている危険性もあります。
 ちなみに、今の生徒児童数で珠洲市という学校をスタートさせると、国が最もよい教育環境であるとしている1学年2クラスから3クラスとなります。市長、学校を合併させ、子どもたちが切磋琢磨できる教育環境にしていただくことはできませんか。もしかしたら、学校合併の要望は私が出会った一部の保護者さんだけの声なのかもしれません。あるいはもしかしたら、多くの方が統合を望まれているのかもしれません。保育所や小学校に通う子どもたちの保護者の皆さんは、今、珠洲で子育てをしていく中で、学校の統合の是非について、どのようなお気持ちでおられるのでしょうか。市長の御判断でアンケートをとっていただけませんか。皆さんの声を聞いていただくことはできませんか。前向きな答弁をお願いいたします。

平成27年第6回定例会(第2号)本文 2015-12-08

50 : 市長(泉谷満寿裕君)

  • 学校統廃合に関する基本的な考え:

    • 教育は子どもたちと地域発展のためにあるという認識

    • 地域と学校は一体であり、学校がなくなることで地域の衰退を危惧

  • 珠洲市の現状:

    • 9つの小学校が旧自治体ごとに存在

    • 各地域の特徴ある伝統文化、地域性を重視

  • 地域活性化の取り組み:

    • 青年リーダー100人会議など、地域づくりの動きを評価

    • 地域への誇りと愛着が将来の帰郷や出生率上昇につながるという信念

  • 学校統合に関する過去の経緯:

    • 財政的理由での統合を避け、全校の耐震化に取り組んだ経緯

    • 国に対し、地域の事情を考慮した統合推進の抑制を要望

  • 小規模校の教育環境:

    • 切磋琢磨できる環境は必ずしも人数によらないという認識

    • ICTの活用や合同行事など、小規模校での環境づくりを重視

  • 今後の方針:

    • アンケートではなく、長期的視点での判断の必要性を強調

    • 現状維持を基本としつつ、地域からの強い要望があれば検討する姿勢

 次に、学校の統廃合につきましては、前回、9月定例会でも米田議員の御質問にお答えいたしておりますが、そもそも教育とは何のためにあるのか。私は、教育は、もちろん子どもたちのためであり、また地域の発展のためにあると考えております。地域づくりはまず人づくりであり、地域と学校は一体のものであると考えております。地域から学校がなくなることで地域の活力が著しく損なわれ、地域の衰退につながることを危惧いたしております。
 現在、珠洲市には、小中一貫教育校も含め、小学校が9校ございます。珠洲市は、昭和29年に3つの町と6つの村が合併し、発足いたしましたが、今もなお、当時の旧自治体に小学校が存在しております。市制施行前にはそれぞれが独立した自治体であったことから、それぞれに特徴ある伝統文化、地域性がございます。珠洲市は、こうした地域ごとにその強みを生かし、魅力を高めることで、全体としての活性化につながると考えております。
 ここ最近、金沢大学との連携による人材育成事業の修了生から成るマイスターネットワークが媒介役となり、青年団や青年会議所、ローターアクトクラブとともに、青年リーダー100人会議が発足したこともあり、先般、木ノ浦ビレッジにおいて、珠洲市10地区を語る会が開催され、多くの若者が参加し、自分たちの地区のよさを語り合うなど、自分たちの地域は自分たちでよくしていこうという動きが活発になりつつあり、心強く感じているところであります。それぞれの地区の地域づくりと学校が一体となって取り組み、児童生徒が生まれ育った地域に誇りと愛着を持つことにより、将来、珠洲市に帰ってくる若者を増やすことができ、また合計特殊出生率を上昇させることにもつながると信じております。公民館活動の中で、子どもたちにお祭りの太鼓や笛、きゃーらげを教えれば事足りるというものではないと思っております。
 自治体によっては、小中学校の耐震化に対する国の補助制度が平成27年度までとされたことにより、予算的な制約から、やむを得ず学校統合を進めたところもあるように思われます。私は、教育をコストで考えるべきではないという思いから、平成17年度からの行財政改革大綱5カ年計画の中に中学校を1校に統合することが盛り込まれておりましたが、これを白紙にし、珠洲市第2次学校統合問題検討委員会において改めて御議論いただいたという経緯もございますし、国の経済対策に係る交付金や過疎対策事業債を活用するなど、財源を捻出し、全ての小中学校の耐震化に取り組んできたところでもございます。
 なお、現在、国では、財務省が財政的な理由から、教職員数の削減に向けて学校統合を推進する動きがございますが、市PTA連合会からの要請もあり、先般、市議会政友会の皆様とともに、馳文部科学大臣及び岡田財務副大臣に対し、学校統合については、地域の事情を考慮し、積極的に推進しないよう要望したところでもございます。
 また、切磋琢磨できる環境づくりは必ずしも人数によるものではないと考えております。市内には、小規模校であっても互いに切磋琢磨し、学力向上等で大きな成果を上げている学校があります。今後とも、ICTの活用や合同行事など、様々な取り組みを通し、小規模校であっても切磋琢磨できる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
 私には、市長として、20年後、30年後の珠洲市に責任があります。学校教育のあり方を決めることは難しいことではありますが、今を誤ると20年後、30年後の珠洲市に多大な影響を及ぼすことになると考えております。だからこそ、学校教育のあり方はアンケートで決めるべきものではないと思います。
 平成20年の「学校統合問題(今後望ましい教育環境)に関する答申」において、今後の児童数の推移等を見ながら、緑丘中学校区では、上戸・飯田・若山小学校と直・正院・蛸島小学校を統合し、2校にすることが望ましいとされております。私といたしましては、この6つの地区の中から、地区を挙げて、自分たちの地区から小学校をなくしてもよいから統合を進めてほしいとの要望が出てくれば考えざるを得ませんが、できる限り現状を維持してまいりたいと考えております。

平成27年第6回定例会(第2号)本文 2015-12-08

平成28年第1回定例会(第2号)
本文 2016-03-07

74 : 3番(米田幸助君)

  1. 地域発展の定義と学校維持の関係:

    • 市長の言う「地域の発展」の具体的な定義を求める

    • 旧町村ごとの学校維持と人口減少の関係性への疑問

  2. 珠洲市の歴史と現状:

    • 合併の意義と現在の人口減少の現状

    • 青年団活動の変化と地域意識の関係

  3. 学校統合に関する住民の意見:

    • 統合を望む声の真意(子どもたちのためという視点)

    • 市民憲章との関連

  4. アンケート実施の再提案:

    • 広聴活動としてのアンケートの意義

    • 市民の声を聞く方法についての質問

  5. PTA連合会の要請に関する疑問:

    • 学校統合に関するPTA連合会の実際の立場

    • 前回の答弁内容との矛盾点

 前回の議会におきまして伺いました切磋琢磨できる教育環境の必要性について、引き続き質問をさせていただきたいと思います。
 前回の質問に対する答弁の中で、市長は、教育はもちろん子どもたちのためとしながらも、地域の発展のためにあることを非常に強調されたように私は記憶しております。さて、市長のおっしゃる地域の発展とは一体どういうものなのでしょうか。
 先にお断りをしておきますが、私が考える地域の発展とは、まずは本市に帰ってくる若者の増加ではないかというふうに考えを持っております。本市には、今もなお、合併前の旧町村ごとに小学校がありますが、果たしてその結果として、今、本市に帰ってくる若者は増えているのでしょうか。本市発足当時3万8,000人いた人口も、今では1万4,000人と、3分の1近くに減ってしまいました。泉谷市長も今年で在任10年目となられますが、学校はその間も各地域に維持されてきました。しかしながら、本市の人口減少は加速度的に進み、この10年間に関しても、誠に残念ながら、人口減少に歯どめがかかっておりません。つまり、旧町村ごとに学校を維持することと帰ってくる若者が増えることとは地域発展に相関性が見られないのではないかというのが私の考えであります。
 もっと踏み込んで言うならば、旧町村ごとに学校を維持することに費やした行政資源を人口減少に歯どめをかけるための施策に振り分けていれば現状は違っていたのではないかという可能性もないとは言えないのではないでしょうか。今のところ、旧町村ごとに学校を維持することを失敗と定義するつもりはありませんが、失敗から何を学び、そして次に生かしていくのか、それができない自治体には、何もしないよりさらに恐ろしい未来が待っているのではないかという予感がいたします。
 この議場にいらっしゃいます皆様も御存じのとおり、本市は、昭和29年に3つの町と3つの村が合併することで発足いたしました。なぜ我々の先人である旧町村の人々は珠洲市という1つの町になることを選んだのでしょうか。それは、旧町村としての誇りは持ち続けながらも、珠洲市として1つになり、子孫にこの地域を残せるよう、町の未来を創造していこうということだったのではないでしょうか。
 市内各地で活躍されている青年団も、10年ほど前には団員数も減り、歴史ある珠洲市一周青年駅伝競走大会に出場する団も少なくなってしまっていました。そのころは、各地での青年団という意識は高かったものの、珠洲市という範囲での青年団としての意識のまとまりが弱く、珠洲市の若者という意識が弱かったように感じます。しかしながら、ここ数年、珠洲市青年団協議会としての団結力が高まり、珠洲市の青年団員としての活動が活発化しています。その団結力が高まり、そのことにより、各地青年団員数も回復し、駅伝に出場する団も増えたと聞いています。そして、もちろんそれは、各地青年団活動の活性化につながっており、自分たちの地域をより考えるようになることにもつながっています。つまり、珠洲市で住まう仲間として団結し、珠洲市のために活動するようになったことにより、自分たちの地域のよさを再認識し、誇りを持ち、自分たちで珠洲市を、地域をよくしていこうということにつながっているのです。
 市長は、公民館活動の中で、「子どもたちにお祭りの太鼓や笛、きゃーらげを教えれば事が足りるというものではない」と発言されています。これもまた、公民館活動に御尽力いただいている皆様に誤解を招くものではないかと思います。子どもたちへの祭りの教室は、地域を担っていく上で大変重要な取り組みであります。また、青年団活動から多くのものを得ることができた私自身の経験上から言わせていただくと、青年団活動においても積極的に支えていただいておりました公民館という存在は大きくありましたし、公民館はそれ以外にも、地域にとって大きな役割を担われております。市内各地を盛り上げる上で、公民館は重要な役割を果たしています。珠洲市において、公民館や祭りが果たす役割は大きなものです。
 また、答弁では、自分たちの地域から地区を上げて、小学校をなくしてもいいと要望が出てくれば統合を考えるという言葉もありました。例えば、小中一貫校となった宝立や大谷では、「旧校舎をつぶしてもよい」、「校歌が途絶えてもよい」という声が上がったわけではないと私は理解しております。それとも、私は把握しておりませんが、住民の皆様の同意を得るために、「旧校舎や校歌、校章もなくなってしまっていいですか。伝統が途絶えますがよろしいでしょうか」と確認されたのでしょうか。宝立や大谷の皆さんは、小中一貫校の設置に当たって、進んで今の学校の歴史が途絶えることを望んだわけではないでしょう。統合を望む声イコール、進んで母校を失うことを望む声と解釈するのは曲解の極みであります。統合を望む声とは、すなわち、子どもたちが一生のうちで極めて大事な時間を過ごすことになる小学校という場所をよりよい環境にしたいと願った上での行為であります。結果として環境がよくなるのであれば、自分の母校が歴史を終えることもやむを得ないという切実な声なのです。
 本市の市民憲章の最後の一節にはこう書かれています。「こども達に夢をもたせ 希望のまちにしましょう」。統合してほしいという声は、この市民憲章にもあるように、自分たちのことよりも子どもたちのことを考え、発せられた声なのです。残念ながら、市長の前回の答弁では、そういったことを知った上での言葉だということが感じられませんでした。しかし、きっとそういったことも市民の声を聞く、例えばアンケートをとることで感じていただけるのではないかと思いますので、ここで、前回質問させていただきましたアンケートの実施について触れたいと思います。
 前回の質問において、私は、学校統合についてのアンケートをとっていただけませんか。皆さんの声を聞いていただけませんかと提案をいたしました。それに対して、市長の答弁は、「私には、市長として20年後、30年後の珠洲市に責任があります」、「学校教育のあり方はアンケートで決めるべきではない」というものでした。私は、アンケートの結果をそのまま脊髄反射的に統合の決定とせよとまでは申し上げるつもりはありません。アンケートをとるということを、皆さんの声を広く聞こうという市政の広聴活動の一環としていただけないかということなのです。アンケートをとること、皆さんの意見を聞くことは、決して市長としての責任を放棄するものではありません。
 そもそも、保護者や地域の人々は、子どもたちの今、そして未来に責任を感じ、本気で思い悩んでおります。20年後、30年後の珠洲市に責任を感じているのは市長だけではありません。
 いま一度お聞きします。市長は、この件に関して、市民の声を一体どのような方法で聞いているのでしょうか。また、学校統合と地域の発展に関し、どのような関連づけをお考えなんでしょうか。市長が考える地域発展について、定義を明らかにした上でお答えください。
 次に、珠洲市PTA連合会からの要請について質問させていただきます。
 前回の議会における答弁の中に、「国では、教職員数の削減に向けて学校統合を推進する動きがありますが」と前置きをしながらも、市PTA連合会からの要請もあり、文部科学大臣、財務副大臣に、学校統合については積極的に推進しないように要望したということでありました。さて、この市PTA連合会から学校統合について推進しないようにという要望は本当にあったのでしょうか。私がPTA関係者からお聞きした話によれば、「珠洲市PTA連合会として、学校統合に関する方針も方向性も示しておらず、学校統合に関しては一切触れていない。もちろん、学校統合を推進しないよう要望もしていない」とのことでありました。また、12月議会での質問翌日に、PTA連合会の要請で文科相や財務副大臣へ統合を積極的に推進しないよう要望したという内容の記事を見て、多くの方から疑問の声や落胆の声が聞かれました。さらには、要望活動に同席された方からは、学校統合に関する要望をしたつもりはないというふうにお聞きしました。
 市長、この本会議の場での答弁は非常に重うございます。当時の記憶を呼び覚まして、前回の答弁の真意をいま一度お聞かせください。

平成28年第1回定例会(第2号)本文 2016-03-07

76 : 市長(泉谷満寿裕君)

  • 学校統廃合と地域発展の考え方:

    • 前回(12月定例会)の答弁から変更なし

  • アンケート実施に関する立場:

    • 前回の答弁から変更なし(実施しない方針)

  • PTA連合会の要請に関する説明:

    • PTA連合会会長からの要請は教職員定数削減への反対

    • 学校統合には直接言及せず

  • 要望活動の経緯と内容:

    • 財務省の動きを背景に、機械的な学校統合推進と教職員数削減に反対

    • 市議会政友会と共に文部科学大臣と財務副大臣に要望

  • 要望の結果:

    • 2028年度政府予算案で教職員定数の改善が実現

  • 謝罪と評価:

    • PTA連合会関係者への配慮が不足したことへの謝罪

    • 要望実現に対する安堵感

米田議員の御質問にお答えいたします。
 学校の統廃合及びその前提となる地域と学校の考え方並びにアンケートにつきましては、前回、12月定例会において米田議員の御質問にお答えしたとおりであり、私の考えは変わっておりません。
 なお、市PTA連合会からの要請につきましては、市PTA連合会会長が市長室にお越しになり、日本PTA全国協議会が平成27年10月29日に決議した教職員定数の削減に反対する緊急要望の実現に協力いただきたいとのことでありましたが、その要望の趣旨は、財政制度審議会において、機械的に教職員定数を削減すべきとの意見が繰り返し出されていることを憂慮し、少人数教育などへの対応が悪化することが明らかであることから、教職員数の削減に反対するものであり、学校統合には直接触れられておりませんが、その背景に、財務省が、財政的な理由から機械的に学校統合を推進し、教職員数を削減する動きがあることは頻繁に報道されているところでありました。
 こうしたことから、市議会政友会の皆様とともに、馳文部科学大臣及び岡田財務副大臣に対し、学校統合については地域の事情を考慮し、積極的に推進することなく、機械的な教職員数の削減をしないよう要望したところでございます。
 この件につきましては、市PTA連合会会長や関係の皆様方を煩わせることとなり、誠に申しわけなく思っておりますが、結果的には、馳文部科学大臣及び岡田財務副大臣の御尽力もあり、平成28年度の政府予算案において、義務教育費国庫負担金に係る教職員定数は、少子化などによる4,000人の定数減を見込む一方、525人の加配定数の改善が実施されることとなり、要望が実現いたしましたことに安堵いたしております。

平成28年第1回定例会(第2号)本文 2016-03-07

平成28年第2回定例会(第2号)
本文 2016-06-21

25 : 11番(赤坂敏昭君)

  • 通学手段の現状:

    • スクールバスの増加

    • マイカー送迎の増加

    • その他の手段(徒歩、自転車、路線バス等)

  • 質問事項:

    • 各通学手段の利用人数

  • 通学の安全性に関する懸念:

    • 不審者対策

    • 保護者や地域の不安

  • 提案と要望:

    • a. 路線バス通学における定期補助の規定見直し:

      • 小学校:3km以上→距離の緩和

      • 中学校:6km以上→距離の緩和

    • b. 路線バスの活用促進:

      • 木の浦線の朝7時台下り便の復活

      • 他の路線(飯田線、三崎線、大谷線、市営バス小屋線)の見直し

  • 期待される効果:

    • 保護者(特に高齢者)の送迎負担軽減

    • 小学生低学年の通学手段確保

    • 中学生の路線バス利用増加

  • 具体的な事例:

    • 三崎中学生の通学距離と定期補助規定の不一致

次は、児童生徒の通学状況についてであります。
 近年、小中学校の統廃合により、通学手段はスクールバスでの比重が高くなりました。平成15年に旧小泊小学校、旧本小学校、旧粟津小学校がみさき小学校になり、小泊、本それぞれにスクールバスを走らせています。旧日置小中学校の直小、緑丘中との統合によりスクールバスを走らせています。旧上黒丸小を若山小へ、旧上黒丸中を緑丘中との統合によりスクールバスを走らせています。旧馬渡小中学校校区の児童生徒を宝立小学校への登下校にスクールバスを走らせています。
 特に近年、保護者によるマイカーでの送迎も多くなってきたように思われますが、ほかに徒歩、自転車、路線バス等があります。各々の人数を教えていただきたいと思います。
 私たちの時代は、徒歩、自転車、バス通学の3種類でありました。私の場合、粟津小学校へはバス通学で、4年生からは自転車通学でした。冬期間は引砂地区、宇治地区の児童は、全員最寄りのバス停より粟津小学校へ通学していました。定期券を運転手さんに見せて乗り降りしていた記憶があります。近年、「不審者の運転する車より声をかけられても絶対に話してはいけません。まして乗ってはいけません」などと、保護者あてに通知が届くことがありました。保護者の皆さんはもちろんのこと、学校関係者、警察、連絡協議会などの皆さんや地域の皆さんの心中を察すると、言葉にあらわせないものがあります。私も3人の子の親であり、今も1人の高校生の子がいます。大きくなったとはいえ、私の経験上、小さい子のときほど心配が絶えないものであります。そんな思いを少しでもしなくて済むように、今の時代は通学路の安全確保の観点から、路線バス通学における定期補助の規定を見直していただきたい。小学校では、最寄りのバス停と校門までの距離3キロ以上、中学校では6キロ以上が通学定期補助の対象でありますが、距離の緩和を検討していただけないでしょうか。
 私の地域で申し上げれば、1年生はマイカー、2年生もマイカー、3・4年生がいなくて5・6年生は自転車での登校と聞いております。今の時期はそれでいいのですが、冬近くになりますと、雨、風の強いとき、まして雪の時期はマイカーでの登下校だそうです。同じ集落にいて、複数の同級生や、学年は違っていても一緒に登校でき得るだけの人数がそろった集落は、年々少なくなってきているように思います。そのようなことから、路線バスの活用を強く訴えるのであります。
 以前、朝の7時台に通っていた木の浦線の下りの便が復活すれば乗車の可能性も高くなり、冬期間の通学手段の確保にもつながると思います。少しでも負担軽減が図れないものか。特に、マイカー送迎による保護者、特におじいさん、おばあさんの運転による負担軽減になればと思います。小学生低学年の児童の登校・下校の通学確保をぜひともお願いいたします。
 三崎中学生の場合は、上雲津から宇治バス停間が5.6キロ、雲津バス停から宇治バス停間が5.3キロ、小泊港バス停から宇治バス停間が4キロです。いずれも規定に満たしていないために、大谷小中学校、宝立小中学校のように路線バスでの登下校はできません。定期補助の規定を緩和していただければ生徒の利用が増えるのではないかと思います。そのためにも、朝7時台の木の浦線下りの便の復活も併せてお願いいたします。木の浦線以外の路線、飯田線、三崎線、大谷線、市営バス小屋線についても、時間帯、経路の見直しをすることにより、利便性の向上が図れないかなどの要望が届いているのであれば、早急に改善をお願いいたします。

平成28年第2回定例会(第2号)本文 2016-06-21

31 : 教育委員会事務局長(鍛治鉄雄君)

  • 通学手段の現状(全児童生徒数744名):

    • 徒歩:342名

    • スクールバス:66名

    • 路線バス:16名

    • 自転車:269名

    • マイカー送迎:51名

  • 現行の通学費補助基準:

    • 小学生:3km以上

    • 中学生:6km以上

  • 補助対象者の見直しについて:

    • 近隣市町の状況を考慮

    • 今後検討する意向

  • バス路線・ダイヤの見直しについて:

    • 珠洲市公共交通活性化協議会で議論中

    • 児童生徒の通学にも配慮

    • 協議会の内容を踏まえて教育委員会で対応予定

 まず、児童生徒の通学状況についてでございますが、市内小中学校の児童生徒の通学手段の現況は、全児童生徒数744名のうち、徒歩が342名、スクールバス利用が66名、路線バス利用が16名、自転車利用が269名、マイカーによる送迎が51名となっております。
 現在、通学費の補助については、交通機関を利用する距離が、児童にあっては3キロメートル以上、生徒にあっては6キロメートル以上の場合を対象としており、補助対象者の見直しについては、近隣市町の状況も勘案し、今後、検討してまいりたいと考えております。
 また、珠洲市公共交通活性化協議会において、児童生徒の通学も配慮しながら、バス路線やダイヤの見直しについて議論されており、その内容を踏まえ、教育委員会で対応してまいりたいと考えております。

平成28年第2回定例会(第2号)本文 2016-06-21

平成30年第3回定例会(第2号)
本文 2018-09-11

72 : 3番(米田幸助君)

  • 学校冷房設置に関する予算について:

    • 調査・設計費用として2,300万円が計上

    • この金額の妥当性への疑問

  • 学校統合に関する意見:

    • 現状での全学校への冷房設置は順番が違うのではないか

    • 人口減少を踏まえ、学校統合を優先すべきではないか

  • 学校統合に関する懸念:

    • 地域衰退や教職員の雇用への影響を理由に統合を避けているのではないか

    • 子どもたちの教育環境よりも経済的な理由が優先されているのではないか

  • 教育環境に関する提案:

    • 子どもたちにとってベストな教育環境を整備すべき

    • 珠洲市全体で子どもたちを育てる姿勢が必要

  • 今後の方針に関する要望:

    • 市民の声を丁寧に聞いてビジョンを作成すべき

    • その上で冷房設置を検討すべき

  • 具体的な質問:

    • なぜ調査設計費用だけで2,300万円もかかるのか

    • この金額で実際に冷房を設置できるのではないか

 今回の予算の中には、小中学校の教室に冷房をつけるための費用として2,300万円が計上されています。この予算は、冷房をつけるための調査や設計のための予算です。今年の猛暑により、県内各地ほとんどの学校で冷房が設置されることになりそうです。当然珠洲市でも全ての学校に冷房を設置するべきだという話になると思いますし、小学校に3人の子どもを通わせる親としても、冷房をつけて、安心で快適な環境で子どもたちが学べるようにしていただきたいというふうには願っております。むしろ今まで全く取り組んでいなかったことに、珠洲市がこれまで子どもたちに対してどのように考えてきたのかが見えてしまい、悲しくもなります。
 しかし、現在の小中学校の状況で、今すぐに市民のお金を使って全ての学校に冷房を設置する方向で動くというのは、順番が違うのではないかというふうに思うわけです。さらに、調査設計だけで2,300万円もかけるのであれば、そのお金で設置してしまえるのではないか、何億円ものお金を使う必要はないのではないかというふうにも思うわけです。1学年数人の広い教室全てに冷房を数億円という大金をかけ設置する前に考えるべきことがあるのではないでしょうか。人口がさらに減っていく中で市民負担をさらに増やすのか、そんな珠洲に子どもたちは戻ってくるのでしょうか。1日も早く学校を統合し、子どもたちにとってベストな教育環境にし、将来に引き継いでいけるようにするべきではないでしょうか。
 地域は、子どもたちのために最善を尽くすべきだと思います。誰もが思う学校統合をなぜしないのか、甚だ疑問です。保護者や市民からアンケートなどで声を聞こうとしないのは、そういった声があることがわかっているからこそ、避けているようにも見えてしまいます。
 「学校が統合したら、地域が衰退するから」と、そんなこと本気で言っているんでしょうか。学校を統合したら、先生の働く場所が減ってしまう、校長の席が減ってしまうなんて考える教育者はいるのでしょうか。珠洲の経済を維持するために学校を残すのでしょうか。何のための学校なのでしょう。同級生が少なくても、いなくても大丈夫なように工夫する。極めて少ない学校ということで起きる弊害を減らすために工夫する。そんなところに力を費やして、毎晩のように残業してどうするのでしょうか。教育はお金じゃないと無責任なことを言いながら、小規模校の弊害として起きた放課後児童クラブは、お金がかかるからという理由で設置しない。結局、保護者や子どもたちが犠牲になっています。子どもたちの教育にとってベストな環境にし、そのべストな環境の中で教育者がベストを尽くす。珠洲市全体で珠洲の子どもたちを育てる。その中では、冷暖房完備というのも必要であると思います。しかし、今の状況で全ての学校に冷房を設置するということには賛同しかねるというのが私の正直な気持ちです。
 学校の今後について、改めて考えるべき時期が来ています。遅過ぎるぐらいだと思います。今後の学校をどうしていくのか、今後の珠洲市を創造していく当事者でもあるべき市民の声を1人1人丁寧に聞きながらビジョンを作成し、その上で冷房の設置についても考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、設置の調査設計費用だけで2,300万円という膨大な費用がかかるようです。全ての学校、全何部屋に冷房を設置するためにこれだけの調査費がかかることになるのかお聞きしたいと思います。
 単純に1つの学校に、複式は考えず、6クラスずつあったとして13校分で78部屋、1台30万円の冷房を設置したとして考えても、2,300万円もあれば78部屋全てに設置できてしまうんじゃないかと思うのですが、そんな単純な話でもないのでしょうか。調査になぜ2,300万円ものお金をかけるべきなのかという点についてもお答えいただきたいと思います。

平成30年第3回定例会(第2号)本文 2018-09-11

74 : 市長(泉谷満寿裕君)

  • エアコン設置と学校統廃合の関係:

    • エアコン設置は学校統廃合とは別問題として考えるべき

    • 現在通学している児童生徒の安全と、災害時の避難所としての機能を重視

  • エアコン設置の方針:

    • 市内全ての小中学校の普通教室を優先して設置を検討

    • まずは実施設計を行い、必要な設備や全体事業費を把握

  • 設置費用の見込み:

    • 1教室当たり約200万円

    • 受変電設備の整備に1校当たり約2,000万円

  • 今後の進め方:

    • 実施設計後、できるだけ早期に整備を目指す

    • 国の交付金に関する動向を注視

    • 財源確保を図りながら進める

米田議員の御質問にお答えいたします。
 小中学校におけるエアコンの設置につきましては、今現在、実際に児童生徒が通っており、また、災害時には避難所ともなることから、学校統廃合とは切り離して考えるべきであると認識いたしております。
 先ほど、番匠議員の御質問にお答えいたしましたとおり、今後、猛暑における児童生徒の安全はもとより、災害時において避難される方の健康にも配慮し、市内全ての小中学校の普通教室を優先したエアコンの設置に向けて、まずは必要な設備や全体事業費を把握するために実施設計を行いたいと考えております。
 実施設計後、できる限り早期に整備を終えたいと考えておりますが、エアコンの整備に1教室当たり約200万円、受変電設備の整備に1校当たり約2,000万円かかると見込まれる中、国の交付金については、現時点において具体的な内容が示されておらず、今後、国の動向を注視し、財源を確保しながら進めてまいりたいと考えております。
 以上、答弁といたします。

平成30年第3回定例会(第2号)本文 2018-09-11

平成30年第4回定例会(第2号)
本文 2018-12-11

66 : 3番(米田幸助君)

  • エアコン設置に関する予算:

    • 補正予算として合計5億5,000万円計上

  • 質問事項:

    • a. 今年の猛暑による問題や対処法

    • b. 過去の猛暑による問題

    • c. 冷房設置の決定理由

    • d. 臨時的合同授業の検討可能性

  • 現状の課題:

    • 出生数の減少(年間約50人、今年は36人)

    • 9つの小学校への分散

  • 学校運営の課題:

    • 教師の多忙化

    • 経費削減と設備投資のバランス

  • 提案:

    • 学校統合(珠洲小学校の設立)と冷房設置の同時検討

  • 前回の回答への反論:

    • 学校統合と冷房設置は切り離して考えられない

    • 統合の有無で数億円の差が生じる

 続きまして、学校のエアコンについて質問をさせていただきたいと思います。先ほどの答弁は大変わかりやすく、ありがたいなというふうに思います。
 今議会には、市内小中学校のエアコンに係る補正予算として1校当たり5,000万円ほど、合計5億5,000万円が見られています。今年、冷房が設置されていない中、例年なかったような問題や学校でした対処法などがありましたらお聞かせください。
 また、過去に起きた猛暑による市内小中学校での問題などがあればお聞かせ願いたいと思います。
 今年の猛暑は、1946年の統計開始以降、最も高い気温になったようです。逆に言うと、今年ほどの猛暑は70年以上もの間、1度もなかったということになります。そんな中、なぜ今、冷房設置に踏み込むことにしたのかお聞かせいただきたいと思います。
 前回の質問では、「もし今年のような猛暑が来年以降あるようなときがあったとしたら、臨時的に数カ所に集まり授業をすることも考えては」という話もさせていただきました。今年のような猛暑は、自然災害という捉え方もできます。全国的には、災害の関係で合同で行った事例もあるのではないでしょうか。当然、臨時的合同授業であっても、先生はその時期だけいなくなり、少なくなるわけではありませんし、むしろ協力して取り組むことができます。やはり今の状況で統合問題に関係なく考えるのであれば、臨時的対応を含めて検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 学校の冷房設置は、子どもの学ぶ環境を守るためということだと思います。その子どもの出生数は年間50人ほど、今年に関しては、残り1カ月しかない中、36名しか生まれていないようです。年間40人しか生まれない珠洲市の子どもたちを9つの小学校に振り分ける、これが珠洲の現状です。本当にこのままでいいのでしょうか。
 各学校では、多忙と言われる先生方は、コピー1枚とるのも、自分の時間を削って、すぐに印刷できるコピー機を使わず、スキャナーを使ってプリンターで印刷するなどされています。学校の建物を維持するために大きな経費をかけ、仕事の効率を下げてでも経費削減に努力する。今でも多くかかっている維持費に追加し、冷房を設置する。このことが本当に子どもたちにとってよいのか、未来の珠洲にとってよいことなのか、疑念を持っています。
 出生数は今後も減り続けます。子どもたちに借金を残すことなく、環境の整った学校で学ばせるためにも、学校統合し、珠洲小学校をスタートさせる計画を立てた上で、それに併せ、冷房の設置を考えるべきだと思いますが、市長、いかがでしょうか。
 前回の質問では、学校統合とは切り離して考えるべきであるということでした。学校を統合してもしなくてもかかるお金は一緒であれば、切り離して考えることができますが、実際には、学校を統合し進めるか、今の学校数を維持して進めるかでは、数億円の違いが出てきます。切り離して考えることはできません。そういった事実も含めて、御答弁いただきたいと思います。

平成30年第4回定例会(第2号)本文 2018-12-11

68 : 教育委員会事務局長(山下浩子君)

  • 今年の猛暑対策:

    • 扇風機の使用

    • 水筒持参と小まめな水分補給の指示

    • グリーンカーテンの設置

    • エアコン設置済みの特別教室での授業実施

  • エアコン設置の必要性:

    • 児童生徒の安全と健康確保

    • 災害時の避難所としての機能

  • エアコン設置と学校統廃合の関係:

    • 切り離して考えるべきという認識を維持

  • 今後の計画:

    • 市内全ての小中学校でのエアコン設置に向けて実施設計中

    • 設計完了後、早期整備を目指す

  • 財源確保:

    • 国の補正予算による臨時特例交付金の活用

    • 有利な財源確保に努める

  • 整備方針:

    • 財源状況を踏まえ、様々な観点から検討後に着工

 小中学校でのエアコンの設置につきましては、9月定例会でもお答えいたしましたとおり、今年の夏はこれまでにない猛暑が続き、その対策といたしまして、市内の小中学校では、扇風機の使用や児童生徒に水筒を持参させ小まめな水分補給の指示、屋外にグリーンカーテンなどを設置し、強い日差しを防いだほか、エアコンがある特別教室で授業を行うなどいたしました。
 小中学校には、今現在、実際に児童生徒が通っており、また、災害時には避難所ともなることから、エアコンの設置は全国的にも喫緊の課題であり、学校統廃合とは切り離して考えるべきであると認識いたしております。
 今後の児童生徒の安全と健康を守ることはもとより、災害時において避難される方の健康にも配慮し、現在、市内全ての小中学校でのエアコンの設置に向けて、実施設計を行っているところであります。
 実施設計が完了次第、できる限り早期に整備を進めていきたいと考えており、国の補正予算により新たに創設された冷房設備対応のための臨時特例交付金を活用することとし、国の動向を注視しながら有利な財源の確保に努めるとともに、得られた財源によって、どのように整備を進めていくか、様々な観点から検討した上で着工したいと考えております。
 以上、答弁といたします。

平成30年第4回定例会(第2号)本文 2018-12-11

令和2年第1回定例会(第2号)
本文 2020-03-04

93 : 5番(濱田隆伸君)

  • 学校数と生徒数の推移:

    • 平成元年:小学校15校(1,875人)、中学校7校(1,180人)、高校2校(1,372人)

    • 現在:小学校7校+宝立小中+大谷小中(407人)、中学校2校+宝立小中+大谷小中(229人)

  • 現状の課題:

    • 小学校の平均児童数:1校当たり約48人、1学年平均8人

    • 一部の学校では1学年1〜3人の状況

    • 大谷小中では今年度卒業生がいない

  • 出生数の現状:

    • 昨年の出生数54人、近年は年間50人程度

    • 今後の増加は困難と予想

  • 学校維持費用:

    • 飯田小学校、三崎中学校の改修費:2億4,038万円

    • 直小学校大規模改造事業費:3,484万円

  • 保護者・生徒の希望:

    • 生徒数の多い学校(緑丘中学校など)への通学希望が多い

    • 多様な部活動、多くの友人を求める傾向

  • 提案:

    • 学校統合の必要性

    • 市内無償バスの活用

    • 自由選択制の導入検討

    • 宝立小中、大谷小中は残し、他の7つの小学校を統合

次の質問をさせていただきます。
 次は、市内の学校統合についてお聞きいたします。
 平成元年、珠洲市では小学校が15校、児童数が1,875人、中学校が7校、生徒数が1,180人、高等学校では2校で生徒数は1,372人でありました。
 それが現在は、小学校7校と宝立小中、大谷小中の合計児童数が407人、緑丘中、三崎中、宝立小中、大谷小中の合計生徒数が229人となっております。
 小中一貫教育を外した小学校7校の児童数は338人であります。これを7校で割りますと、1校当たり約48人余りであります。1年生から6年生の学年で割ると、1学年8人で、現在、幾つかの学校では、1学年に1人、2人、3人と、非常に少ない状況でもあります。
 大谷小中では、今年度は卒業生がいないということで卒業式が行われません。同級生がいない、1人しかいない、2人しかいない。子どもたちにとって非常に寂しい状況であります。
 珠洲市では、今まで何度も学校の統廃合が行われてまいりました。平成元年の小学校数、児童数から比較すると、宝立小中、大谷小中以外では、現在2校でもよいということになります。
 昨年の市内の出生数は54人だったように聞いております。近年では、年間50人程度の出生数だと思います。この先、増加することはかなり難しいと思われます。
 また、来年度の予算案にも、飯田小学校、三崎中学校の改修費に2億4,038万円、直小学校大規模改造事業費3,484万円を計上されており、これからもまだまだ多額の費用が市内の学校維持に使われていくと考えられます。
 平成28年に新しくつくられた大谷小中の人数は、全校生徒で30人、宝立小中は76人とのことです。
 先ほどからも、この後も質問が出ると思いますけども、小学校から中学校に進学するときに、生徒数の少ない中学校ではなく、緑丘中学校への通学を希望される方も多いようです。子どもたちも、現役の子育て保護者も、いろんな部活動ができる、友達がたくさんいる、そんな学校へ行きたいとお聞きしております。
 これからの学校の維持管理の費用を考えたり、子どもたちの気持ちを考えれば、学校統合は必然であると思います。
 また、市内に無償バスを走らせることを考えれば、お年寄りも児童も生徒も利用することにより、一層効果があると個人的には思います。
 小規模校には小規模校のよさがありますが、市内全域、自由選択制も考えるべきではないかと思います。
 既存の宝立小中、大谷小中は残し、ほかの7つの小学校は統合すべきだと思いますが、いかがでしょうか。考えをお聞かせください。

令和2年第1回定例会(第2号)本文 2020-03-04

95 : 市長(泉谷満寿裕君)

  • 基本的な考え方:

    • 地域と学校は一体のものという認識

  • 教育の目標:

    • 地域に誇りと愛着を持てる教育の実施

    • 将来的に子どもたちが珠洲市に帰ってくることを目指す

  • 現状維持の方針:

    • 各学校の特色ある教育活動を通じた地域づくりを重視

    • できるだけ現状を維持する意向

  • 学校統合に関して:

    • 直接的な言及はなく、現状維持を優先する姿勢を示唆

濱田議員の御質問にお答えいたします。
 私は、地域と学校は一体のものであると考えております。本市で生まれ育った子どもたちが、将来、珠洲市に帰ってくるよう、地域に誇りと愛着を持てる教育を目指すことが何よりも重要であると考えており、各学校の特色ある教育活動の取り組みによる地域づくりなどを通して、できるだけ現状を維持してまいりたいと考えております。
 以上、答弁といたします。

令和2年第1回定例会(第2号)本文 2020-03-04

117 : 3番(番匠雅典君)

  • 大谷保育所の休止について:

    • 児童数減少の問題(平成28年度15名から令和2年度4名)

    • 保護者からの保育環境改善の要望

  • 質問事項:

    • 大谷地区の今後の児童数推移予測

    • 他保育所に通う児童の大谷小中学校への進学可能性

  • 懸念事項:

    • 保育所休止による大谷小中学校の児童数減少

    • 友達の少ない環境への子どもたちの適応

  • 提案:

    • 幼稚園児から中学生までの一貫教育の実施

    • 別府市立東山幼、小・中学校の事例を参考に

  • 提案の利点:

    • 一貫した教育環境の提供

    • PTA活動の統合による効果的な取り組み

    • 子どもたちの人格形成への貢献

  • 要望:

    • 大谷地区での幼、小中一貫教育の早急な検討

 大谷保育所の休止に関連して質問させていただきます。
 大谷保育所については、以前より児童数の減少が大きな問題となっていました。市長の提案説明にもありましたが、平成28年度に15名だった児童数が、令和2年度の入所申し込みが4名となったとありました。また、保護者の皆様から、運動会をはじめ保育所行事を少人数で行うことの難しさや、同じ年齢の児童が数多くいる環境で遊ばせてあげたいなど、お子様の保育環境をよくしたいとの意見があったと説明されました。
 まず、ここで、今後の大谷地区における児童数の推移予測をお聞かせください。
 次に、大谷保育所で保育を予定されていた児童は、今後ほかの保育所に行くことになるわけですが、その児童が小学校に進学したときに、果たして大谷小中学校に入学したいと思うのでしょうか。
 大谷保育所の休止はいたし方なかったとしても、地域のためだと割り切って、保育所で一緒に遊んでいた友達がほとんどいない学校へ行くこととなります。子どもたちにそんな寂しい思いをさせてでも大谷小中学校に通わせることを選択する保護者がいるのでしょうか。私がその保護者なら、地域のためには地元行事等で貢献し、学校は友達の多くいる小学校に通わせてあげたいと思います。こんな繰り返しがさらに小中学校での児童数の減少を招いていくのではないでしょうか。
 学校の統廃合問題は、市長の中では整理済みの要件であろうかと思いますが、保護者の気持ちを考えると、まだまだ問題は山積みのような気がします。
 義務教育学校の統廃合問題は、いろいろな事情により難しいのであろうと思いますが、今後の児童数の推移をお聞きしても躍進的に改善することはないようであります。
 今後、大谷小中学校を存続していくためには、自分たちの子どもを通わせたいと思えるような学校づくりが必要になってくると考えます。
 そこで、全国でも取り組みをされているところは少ないようでありますが、以前、教育民生常任委員会で行政視察を行った別府市立東山幼、小・中学校のように、1カ所に幼稚園児から中学生までの一貫した教育を行うことを提言させていただきます。
 東山幼、小・中学校の取り組みはとてもすばらしく、学校に入ると円を描くように建物が建てられており、初めて訪れた方にとっても、子どもたちへの取り組みがつながっていることを感じさせるものでした。
 また、PTA活動についても、組織としては1つで、3部に分かれているものの、保護者にとっても一貫した取り組みができており、子どもたちの人格形成に大きく役立っていると感じたところであります。
 大谷地区だけではなく、ほかの地域でも今後同様なことがないとは言い切れないと思います。今後の大谷小中学校の存在意義にもかかわる問題でありますので、ぜひとも大谷地区での幼、小中一貫での取り組みを早急に御検討いただきますようお願い申し上げます。

令和2年第1回定例会(第2号)本文 2020-03-04

119 : 市長(泉谷満寿裕君)

  • 大谷地区の未就学児童数の現状:

    • 令和2年度の保育所入所申し込み:4名(5歳児1名、4歳児2名、3歳児1名)

    • 在宅保育:1世帯(1歳児1名)

  • 幼、小中学校の導入に対する見解:

    • 乳幼児期の重要性を認識

    • 同年齢の児童が多い環境での育成を重視

    • 幼、小中学校の導入では保育所の問題は解決できないと判断

  • 大谷保育所の休所決定:

    • 令和2年度の入所申し込みが4名

    • 適正な保育環境の確保が困難と判断

  • 今後の方針:

    • 大谷保育所の休所が大谷小中学校の児童生徒数減少につながらないよう努力

    • 地域の皆様と協力して特色や魅力のある学校づくり、地域づくりを推進

 まず、今後の大谷地区の未就学児童数の推移についてでありますが、大谷保育所の令和2年度の入所申し込みは4名であり、年齢別の児童数につきましては、年長の5歳児が1名、4歳児が2名、3歳児が1名という状況でありました。また、在宅で保育している方が1世帯あり、1歳児が1名となっております。
 次に、幼、小中学校の導入についてでありますが、乳幼児期は生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期であり、同年齢の児童が数多くいる環境の中で、子ども相互の関係づくりや互いに尊重する心を育むことが重要であると考えております。
 こうした中、大谷保育所につきましては、来年度の入所申し込みが4名となり、適正な保育環境を確保することが困難であることから、令和2年度から休所するという判断をしたところであり、こうしたことは幼、小中学校の導入では解決できないと考えております。
 これまで大谷地区の皆様には、イベントをはじめ地域行事において、大谷小中学校と密接に連携するなど、地域全体で子どもたちの育成に努めてこられました。
 今後、大谷保育所の休所が大谷小中学校の児童生徒数の減少につながらないよう、今後も地域の皆様とともに特色や魅力のある学校づくり、地域づくりを進めてまいりたいと考えております。

令和2年第1回定例会(第2号)  本文 2020-03-04

令和2年第7回定例会(第2号)
本文 2020-12-08

7 : 4番(濱野隆三君)

  • 高校生徒数の推移と学校再編の歴史

    • 昭和40年から現在までの生徒数の大幅な減少

    • 珠洲市と能登町における高校の統廃合の経緯

  • 現状の課題

    • 飯田高校の定員割れ(特に1年生)

    • 県の再編整備基本指針による統合検討の可能性

  • 飯高応援団への支援

    • 市の支援内容、金額、今後の支援策

    • ふるさと納税制度の活用可能性

  • 生徒の全国募集

    • 県教育委員会の検討状況

    • 全国募集に向けた体制整備(宿泊施設、魅力的なカリキュラム等)

    • ウエイトリフティングを活用したPR戦略

  • 市の対応方針

    • 行政組織内の担当部署設置

    • 学校、PTA、応援団、地元団体との連携

    • 全国募集体制の整備と運営支援

 最初に、飯田高校存続対策についてお聞きします。先ほどの森井議員の質問内容と重複する部分もありますが、よろしく答弁をお願いいたします。
 「統計すず」によれば、市内の高校生が最も多かったのは昭和40年であり、高校は飯田高校と珠洲実業高校の2校、生徒数は合わせて1,588人となっています。以降、生徒数は僅かな増減で推移し、31年前の平成元年には高等学校は2校、生徒数は1,372人を維持していましたが、この年以降、毎年前年比4%前後の比率で減少を続け、令和2年現在は平成元年と比べ、高等学校は飯田高校1校に、生徒数は333人となり1,039人減少し、ピークの昭和40年の5分の1、平成元年の4分の1と大幅な減少となっています。
 また、この大幅な生徒数の減少に対応するため、度々学校の再編整備が行われてきました。珠洲市では、平成20年、珠洲実業高校2学級が募集停止となり、飯田高校に統合され、飯田高校は1学級増の5学級となりました。平成22年には珠洲実業高校が閉校、飯田高校は平成24年に1学級減の4学級、さらに平成30年にも1学級減の3学級となり、現在に至っています。
 生徒減少による高等学校統合再編の動きは他の地域においても同様で、隣の能登町を見ますと、平成12年に宇出津高校と水産高校及び水産高校小木分校を統合し能都北辰高校に、平成15年には柳田農業高校と町野高校を統合し能登青翔高校に、平成20年、小木分校が閉校、平成21年には能都北辰高校と能登青翔高校を統合し能登高校に、さらに平成23年と平成28年に1学級ずつを減じて、現在は2学級となっています。このまま手をこまねいていれば、遠からず、生徒の減少により、さらなる統廃合をせざるを得ない状況となります。
 地域から学校がなくなると、生徒にとっては通学費用や下宿代など負担の増大や、通学に時間を取られ学業や部活動に支障が出ます。また、地域の子育て世代や高校生世代の人口流出を招き、移住定住施策にも支障を来し、地域経済にも大きな損失を与えることは、過去の事例により証明されています。地域の高校存続は大きな意味があり、かつ重要な課題です。
 ここで、飯田高校、飯高応援団への支援についてお聞きします。
 飯田高校の定員は1学年3学級120人、3学年合わせて9学級360人ですが、本年度の在籍生徒数は333人であり定員割れとなっています。特に、1年生生徒は102人で大幅な定員割れとなっています。このまま人口減少、少子化が進行すれば、近い将来、3学級規模の生徒を維持できず、2学級編制の規模となると予想されます。
 また、能登高校の定員は1学年2学級、3学年合わせて6学級240人ですが、本年度の在籍生徒数は214人で、ここでも定員割れとなっています。
 平成11年の石川県「高等学校の再編整備に関する基本指針」では、学校の適正規模について、「最低学級規模は、1学年3学級を基本」「第3学区は、通学可能な範囲に少なくとも1校は適正規模校を維持」となっています。
 また、統合の基準として、「1学年2学級以下の学校で、将来にわたって、学級増が見込まれない場合」と、「1学年3学級の学校で、将来にわたって、定員を維持することが見込まれない場合」とされていますので、この基準に照らせば、飯田高校、能登高校ともに統合検討の対象となります。市は、学級減少の現状と県の再編整備基本指針をどのように捉えられているのかお聞きします。
 また、飯田高校生徒の約3分の1程度は、能登町を中心とした市外の生徒ですので、これ以上、飯田高校生徒の減少を防止するためには、市外を含めた保護者、生徒にとって、より魅力的な学校にすることが大きな課題となります。
 このため、平成30年、飯田高校の卒業生を会員とする飯高応援団が設置され、卒業生以外の地元民や企業、珠洲市などの会員を募り、珠洲市からの支援、会員からの会費により、生徒の通学補助、部活や文体・研究活動への支援を行っていますが、生徒数の減少に歯止めがかからない状況であります。
 珠洲市では、飯高応援団の事業活動の内容、収支規模を把握されているのか。また、現状の市の支援内容と金額、算定理由、今後どのような支援が必要と考えているのかをお聞きいたします。
 また、事業活動には資金が必要です。市のふるさと納税制度を活用し、希望する使い道を「飯田高校応援」として全国から寄附を募集し、活動資金に充てることができないか、併せて考えをお聞きいたします。
 隣の能登高校を応援する会を見てみますと、町の全面的・強力な支援の下、通学費用や部活動の助成のほか、制服購入の補助、給付型奨学金や国立大学入学一時金の支給、校内に開設された公営塾への支援、また、町独自の取組として「まちなか鳳雛塾」を設置し、校内塾と連携して運営するなど、多岐にわたる魅力的な事業を実施し、成果を上げています。
 飯田高校の発展と存続を図るため、飯高応援団の魅力的な支援事業の策定、拡大が必要です。そのために、市が中心となって物心ともに強力な支援をすべきですが、市の考えをお聞きします。
 次に、生徒の全国募集についてお聞きします。
 今年9月の県議会で、平蔵議員の質問に対し石川県教育委員会は、奥能登2市2町にある県立高校5校について、生徒の全国募集を検討する意向を示しました。検討対象となる高校は、飯田、能登、輪島、穴水、門前とされています。これは、奥能登の各市町の人口減少に伴い、高校生徒が大幅に減少しているため、各高校の存続と地域の活性化を図ることを目的としています。
 珠洲市の移住定住の促進や地域の活性化のためには、飯田高校の存続は必須の課題ですし、生徒の全国からの募集は実施すべき有効な事業となります。県教委の方針について、市の考えと対応方針をお聞きします。
 答弁の中で、県教委は、県では例外として七尾東雲高校の演劇科が全国募集を行っている。また、生徒の全国募集は少子高齢化が顕著な離島や山間地域を中心に広がっており、令和2年度入試では、全国35都道府県、341校が実施しているが、県独自の調査によると、このうち県外から10人以上が入学する高校は15校、5%であり、都市部の生徒を受け入れるためには、全国にアピールできる特色、魅力が必要とされています。
 これは、飯田高校において、条件が整えば生徒の全国募集が可能になるということになりますが、同時に、全国にアピールできる体制整備が必要とされることとなります。全国から集まる生徒のための宿舎の整備や全国へ発信できる魅力的な取組、カリキュラムのためのビジョンと戦略の策定も必要となります。これらは高校だけで解決できる問題ではありません。地域の総力を挙げての取組と支援が必要となります。
 全国からの生徒受入れには、生徒の宿泊設備が必要となります。宿泊施設の新設や市営住宅の活用、県の職員住宅などの借り上げなどが考えられますが、市はどのような方策を考えているか、お聞きいたします。
 御承知のとおり、飯田高校のウエイトリフティングは全国的にも有名で、昨年、全国高校女子選手権と全国高校総体ともに優勝するなど、幾多の大会で優秀な成績を収めており、浅田監督ほか優秀な指導者も存在しますので、ウエイトリフティング留学など、すぐに全国に発信できる素材ですが、練習場所や機材、試合会場となる市体育館のさらなる整備など、受入れ体制整備が必要となります。市の対応方針をお聞きします。
 高等学校存続活動の全国先進地の成功事例を見ますと、島根県海士町と隠岐島前高校の魅力化プロジェクト、鹿児島県与論町と与論高校の学力向上策と連携型中高一貫教育、島の最高学府、長野県木島平村と下高井農林高校の2学科8コース設定と農業活性化連携など、学力向上や地域特色による魅力づくりを行政、学校が中心となって図り、地域を挙げての応援が成果を上げています。
 当市においても、行政組織の中に担当箇所を設け、市が中心となって、飯田高校、中学校、PTA、飯高応援団、地元の様々な団体などと連携し、地域を挙げての生徒の全国募集体制の整備、運営支援に動くことが必要です。市の認識と体制づくりなど、対応をお聞きいたします。

令和2年第7回定例会(第2号)本文 2020-12-08

9 : 市長(泉谷満寿裕君)

  • 飯田高校の現状:

    • 各学年3学級を維持しているが、将来的に最少人数81名の確保は厳しい見込み

  • 生徒募集策:

    • 奥能登エリア外や石川県外からの生徒募集が重要

    • 石川県教育委員会の方針や動向を注視

  • 受入れ体制整備:

    • 下宿や寮などの整備について、関係者と協議を開始

  • 飯高応援団への支援:

    • 年間上限300万円の補助金を交付

    • 教育活動支援、スポーツ・文化活動支援、通学支援等を実施

  • ふるさと納税の活用:

    • 直接飯高応援団への支援を重視

  • 今後の支援策:

    • 地方創生推進交付金事業への申請準備

    • 市外、県外生徒の住居・食事確保の支援

  • ウエイトリフティング関連:

    • 専用練習場や設備の整備済み

    • 市外、県外からの留学生募集を検討

  • 行政の体制:

    • まちづくり相談室や企画財政課が窓口となり対応

  • 今後の方針:

    • 飯田高校、飯高応援団、PTA等と連携し、継続的に支援を実施

 現在、飯田高校の生徒数は、1年生102名、2年生120名、3年生111名となっており、いずれの学年も3学級で編制されております。石川県の高等学校の再編整備に関する基本指針によりますと、統合の判断基準となる最少学級規模は1学年3学級を基本としており、現時点で奥能登2市2町の5校におきまして、1学年3学級を維持している学校は、飯田高校と輪島高校の2校のみとなっております。しかしながら、将来にわたり3学級を維持するための最少人数81名以上を確保し続けるには、厳しい状況が続くと予想されます。
 いずれにいたしましても、奥能登5つの県立高校の定員確保という観点からは、奥能登エリア外や石川県外からの生徒募集が重要であり、石川県としての取組が1年でも早くスタートすることを期待しており、今後、石川県教育委員会の方針や動向を注視してまいりたいと考えております。
 また、市外、県外からの入学生の受入れ施設、いわゆる下宿や寮などの整備につきましては、市内で受入れ可能な施設や利用可能な空き家、さらには食事の提供方法などについて、企画財政課において既に関係の皆様と協議を始めております。
 飯高応援団につきましては、先ほど森井議員にお答えいたしましたとおり、飯田高校に対し、昨年度より飯高応援団を通じて様々な支援を行っております。飯高応援団として実施いたします事業の内容や収支予算につきましては、補助金交付申請時において確認いたしており、実績報告に基づき補助対象経費の10分の10以内の額で、1年度につき300万円を上限として補助金を交付いたしております。
 飯高応援団の主な事業内容といたしましては、教育活動支援事業として文化祭開催に係る会場費等の支援及び体育祭におけるデコレーション製作費への支援、スポーツ・文化活動支援事業としましては、探究学習活動、「ゆめかな」プロジェクトへの支援及び部活動への支援がございます。また、通学支援事業といたしまして、市外からの通学生に対する通学費用の支援を行っております。
 なお、濱野議員御提言のふるさと納税制度を活用した活動資金の募集につきましては、まずは飯高応援団としての取組を広く皆様に御認識いただき、市を介さずに飯高応援団へ直接御支援いただくことが重要ではないかと考えております。
 魅力的な支援事業につきましては、能登半島の最先端に位置する進学校としての強みを生かすことで、飯田高校そのものの魅力が高まり、市外、県外の中学生に対する選択肢の1つになり得るのではないかと考えております。このようなことからも、飯高応援団に対する活動支援補助金のほかに、来年度以降の市外、県外生徒の住まいや食事の確保などに必要となる費用の一部を支援するため、珠洲市として、内閣府の地方創生推進交付金事業へ申請する準備を進めております。
 また、ウエイトリフティングをきっかけとし、飯田高校への進学を希望される市外、県外の生徒さんもいらっしゃるのではないかと思います。練習場として御利用いただいておりますウエイトリフティング場は、自治体が所有する県内唯一の専用の練習場となっておりますし、珠洲市健民体育館につきましては、本市でウエイトリフティング大会が開催できるよう、平成27年度に床の補強工事を実施しております。さらには、平成29年度に新たなバーベルを備えるなど、環境は整っていると考えております。
 加えて、本市のウエイトリフティング競技に関わる人材やそのつながり、ネットワークを生かし、飯田高校で学びながらウエイトリフティング競技に励みたいという、市外、県外からの留学生の募集につきましても、飯田高校をはじめ関係の皆様とともに取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、これまでも飯田高校が実施しております「ゆめかな」プロジェクトにつきましては、まちづくり相談室が担当窓口となっておりますし、現在協議中の半島留学の促進並びに飯高応援団に関しましては、企画財政課が担当窓口となっております。
 本市といたしましては、今後とも飯田高校を可能な限り支援してまいりたいと考えており、まずは飯田高校をはじめ飯高応援団、PTAなど関係機関と連携し、引き続き協議を積み重ねてまいりたいと考えております。
 以上、答弁といたします。

令和2年第7回定例会(第2号)本文 2020-12-08

令和3年第7回定例会(第1号)
本文 2021-11-30

8 : 市長(泉谷満寿裕君)

  • 財政状況:

    • 経常収支比率:95.5%(前年比0.5ポイント改善、硬直化進行)

    • 実質公債費比率:13.7%(18%未満)

    • 将来負担比率:47.5%(前年比3.2ポイント上昇、低水準維持)

  • 課題:

    • 大型建設事業による公債費の増加

    • 施設・設備の老朽化に伴う経費増加

    • 義務的経費の増加傾向

    • 新型コロナ対策の継続

    • 市税・地方交付税の減収見込み

  • 対応策:

    • 各分野・施設の必要性、効果、運営コストの検証

    • 施設の統廃合や跡地利用の検討

  • 令和4年度予算編成方針:

    • まちづくり総合指針や総合戦略を踏まえた持続可能な珠洲市の実現

    • 継続的事業(社会資本整備、人材育成、移住・定住促進)の継続

    • デジタルトランスフォーメーションによる利便性向上など新施策の検討

  • 全体的な方針:

    • 厳しい財政状況を踏まえた慎重な予算編成

    • 「デジタル田園都市」構想への対応

次に、令和4年度当初予算の編成方針について申し上げます。
 本市の財政運営は、第4次行財政改革の断行、第1次及び第2次行財政改革推進プランの実施により一時期の危機的状況から脱し、その後、安定的な運営を続けておりますが、経常収支比率につきましては、令和2年度決算におきまして95.5%と昨年度に比べ0.5ポイント改善したものの、財政運営の硬直化が進行していることから、今後の推移を注視してまいりたいと考えております。
 また、実質公債費比率は13.7%と、引き続き公債費負担適正化計画の策定が必要とされる18%を下回っておりますが、令和2年度から着工しております一般廃棄物埋立処分場、一般廃棄物焼却施設や、今年度から着工しております新保育所整備、光ファイバの整備及び珠洲ビーチホテルの長寿命化改修工事などの大型建設事業により、公債費は、今後、確実に増加することから慎重な対応が必要であると考えております。
 将来負担比率につきましては、47.5%と昨年度から3.2ポイント上昇いたしましたが、引き続き低い水準を維持しております。先ほど申し上げました大型の建設事業が本格着工したことに加え、施設及び設備の老朽化に伴う改修、修繕などの削減困難な経費も大幅な増加傾向にあります。今後、本市が行う行政サービスの持続性を確保するためにも、改めて各分野、各施設の必要性やその効果、運営コストなどを把握・検証し、各施設の在り方について統廃合や跡地利用も視野に具体的な検討を継続してまいりたいと考えております。
 さらに、これまでの投資的事業による公債費や介護保険をはじめとする社会保障分野への負担など、義務的経費が増加傾向にある中、新型コロナへの対策も継続していかなければなりません。
 一方で、市税・地方交付税については、減収が見込まれることから、先行きは非常に厳しい状況にあります。
 こうした中、令和4年度の予算編成につきましては、まちづくり総合指針や総合戦略を踏まえ、持続可能な珠洲市の実現に向けて、これまで取り組んでまいりました社会資本の整備や人材育成、移住定住の促進など継続的な事業に加え、岸田政権の大きなテーマである「デジタル田園都市」に呼応するデジタルトランスフォーメーションによる利便性の向上など、新たな施策についても検討を進めながら編成してまいりたいと考えております。

令和3年第7回定例会(第1号)本文 2021-11-30

令和4年第4回定例会(第2号)
本文 2022-06-21

5 : 市長(泉谷満寿裕君)

  • 市債残高の推移:

    • 2006年度末:335億円

    • 2021年度末:244億円余り

    • 約90億円の削減を達成

  • 今後の財政運営方針:

    1. 公共施設の更新・統廃合・維持管理:

      • 公共施設管理基金を活用

    2. 地域振興事業(奥能登国際芸術祭など):

      • 地域振興基金を活用

      • 有利な財源の確保

  • 目標:

    • 市債残高のさらなる削減

    • 健全な財政運営の維持

  • 取り組み:

    • 行財政改革の継続的な実施

 次に、行財政改革についてでありますが、私が市長に就任いたしました2006年度と比較いたしますと、一般会計を含む全会計の市債残高は、2006年度末時点で335億円でありましたが、2021年度末では244億円余りとなり、この間、約90億円を削減することができております。
 今後、公共施設の更新や統廃合など、施設の維持管理につきましては多額の予算を要することから、公共施設管理基金を活用してまいりたいと考えておりますし、奥能登国際芸術祭の開催など、様々な地域振興に資する事業につきましては、地域振興基金を活用するとともに、有利な財源を確保することで、市債残高の削減を図ってまいりたいと考えております。
 今後も健全な財政運営を維持するために、引き続き行財政改革に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。

令和4年第4回定例会(第2号)本文 2022-06-21

令和4年第5回定例会(第2号)
本文 2022-09-13

58 : 7番(中板秀一郎君)

  • 遊休施設の問題:

    • 人口減少に伴い、特に過疎地域で顕著

    • 珠洲市内でもかなりの件数が存在

  • 総務省の要請(2014年4月):

    • 全地方公共団体に対し、公共施設等の総合的・計画的管理計画の策定を要請

  • 珠洲市の対応:

    • 2017年3月に珠洲市公共施設等総合管理計画を策定

    • 計画期間:2037年度までの20年間

    • 見直し間隔:10年ごと

  • 質問事項:

    1. 現在利用のない公共建築物の数と名称

    2. 計画の見直しを内部的に年度ごとに行っているか

      • 議員の意見反映のため、2年ごとの見直しを提案

    3. 統合保育所開設に伴う既存5か所の保育所の活用法検討状況

  • 課題:

    • 見直し間隔(10年)が長すぎる可能性

    • 議員の任期(4年)との不整合によるチェック機能の不足

 今回は、最初に、放置されたままになっている市の遊休施設について、その内容と今後の利活用計画について質問いたします。次に、世界的に課題となっている脱炭素の推進について、そして最後に、今、市民を苦しめている物価対策について、この3点について分割形式でお聞きいたします。
 まず、市が管理している遊休施設について質問いたします。
 この問題は、人口の減少に伴い、日本各地で起こっている事柄でもありますが、特に過疎地域で顕著な傾向にあります。
 遊休施設とは、かつてはなくてはならなかった公共の施設がその使命を終え、取り壊されることもなく、そのままの状態、いわゆる塩漬けとなったままで残されているもののことを指しますが、珠洲市内でもかなりの件数が見受けられます。
 本来ならば、民間に貸出しするか売却するなどして財政負担の軽減を図るべきだと思いますが、中には建物の老朽化で、そのままでは安全性に問題のある施設もあると聞いております。
 総務省でも、2014年4月に全ての地方公共団体に対して、所有する全ての公共施設等を対象に、地域の実情に応じて、総合的、計画的に管理する計画を策定することを要請いたしました。
 本市でも、2017年3月に珠洲市公共施設等総合管理計画をつくっております。その期間は、今後40年間の更新費用を見通しつつ、2037年度までの20年間となっていますが、計画の見直しは10年ごととなっております。
 市の財政状況や経済状況の変化に合わせてとうたわれておりますが、十年一昔と言うように、間隔が開き過ぎではないでしょうか。この見直し間隔の長さは、現在の世の中のスピードと感覚的に大きな隔たりがあるようです。
 ここで質問いたします。
 市が管理する公共施設のうち、現在利用のない公共建築物は幾つあるのか、名称を挙げてお答えください。
 また、計画の見直しは10年ごととなっていますが、市議会議員の任期が4年であることを考えると、見直しの結果に対する質問は、3期以上務めた議員だけが可能となり、市政に対するチェック機能が十分には果たせない状態になっています。
 質問は、10年ごとの見直しを内部的には年度ごとに行っているのかという趣旨であります。希望を言わせていただければ、せめて議員任期の中間点である2年ごとであれば、見直し計画に対する意見、質問も言えると思います。
 また、来年度に竣工する統合保育所の開設に伴い、既存5か所の保育所が閉鎖となります。これは以前にも質問いたしましたが、有効な活用法は検討されたのかをお聞きいたします。

令和4年第5回定例会(第2号)本文 2022-09-13

60 : 市長(泉谷満寿裕君)

  • 統廃合により用途廃止された施設の現状:

    • 旧本小学校、旧上黒丸小中学校:地域の活性化のために利用

    • 一部施設:奥能登国際芸術祭の作品展示会場として活用

    • 現在、未利用の施設はない

  • 公共施設等総合管理計画:

    • 平成29年3月策定、計画期間は令和18年度まで(20年間)

    • 国の要請により現在見直し中

  • 保育所統合に伴う既存保育所の利活用計画:

    • 対象:上戸、飯田、若山、正院、蛸島の5保育所

    • 検討要素:施設・設備の老朽具合、立地場所、利活用コスト

    • 市民からの提言も考慮し、総合的に検討予定

  • 飯田保育所の具体的計画:

    • 地元要望を踏まえ、グラウンドゴルフ用に芝生整備を予定

 統廃合により用途を廃止した校舎や保育所施設等の普通財産につきましては、旧本小学校や旧上黒丸小中学校をはじめ地域の皆様による活性化のために御利用いただいております。
 そのほか、奥能登国際芸術祭の作品展示会場として活用しておりますので、現在、利活用されていない施設はございません。
 次に、公共施設等総合管理計画につきましては平成29年3月に策定しており、計画期間は令和18年度までの20年間といたしております。
 しかしながら、国のインフラ長寿命化計画や、市の個別施設計画等を踏まえた見直しを進めるよう総務省から要請があり、現在、公共施設等総合管理計画の見直しに取り組んでいるところでございます。
 次に、保育所統合に伴う既存保育所の利活用の計画についてでありますが、上戸、飯田、若山、正院、蛸島の5つの保育所につきましては、各施設や設備の老朽具合や立地場所、利活用する際のコストなどを具体的に検証した上で、市民の皆様からの御提言なども踏まえ、今後、総合的に検討してまいりたいと考えております。
 なお、飯田保育所につきましては、地元の皆様からの御要望を踏まえ、まずは保育所の所定でグラウンドゴルフができるよう、芝生の整備に取り組んでまいりたいと考えております。

令和4年第5回定例会(第2号)本文 2022-09-13

令和4年第7回定例会(第1号)
本文 2022-11-29

8 : 市長(泉谷満寿裕君)

  • 財政状況:

    • 経常収支比率:90.7%(前年比4.8ポイント改善)

    • 実質公債費比率:13.6%(18%未満)

    • 財政運営の硬直化が進行中

  • 課題:

    • 大型建設事業による公債費の増加

    • 施設・設備の老朽化に伴う経費増加

    • 義務的経費の増加傾向

    • 新型コロナ対策の継続

    • 市税・地方交付税の減収見込み

  • 令和5年度予算編成方針:

    • 各分野・施設の必要性、効果、運営コストの検証

    • 施設の統廃合や跡地利用の検討

    • まちづくり総合指針や総合戦略を踏まえた持続可能な珠洲市の実現

    • 継続的事業(社会資本整備、人材育成、移住・定住促進)の継続

    • デジタルトランスフォーメーションによる利便性向上など新施策の検討

  • 全体的な方針:

    • 厳しい財政状況を踏まえた慎重な予算編成

    • 新規起債への慎重な対応

次に、令和5年度当初予算の編成方針について申し上げます。
 本市の財政運営は、第4次行財政改革の断行、第1次及び第2次行財政改革推進プランの実施により一時期の危機的状況から脱し、その後、安定的な運営を続けており、経常収支比率につきましては、令和3年度決算において90.7%と、前年度に比べ4.8ポイント改善したものの、趨勢的には財政運営の硬直化が進行しております。
 また、実質公債費比率は13.6%と、引き続き公債費負担適正化計画の策定が必要とされる18%を下回っておりますが、令和2年度から着工しております一般廃棄物埋立処分場、一般廃棄物焼却施設や令和3年度から着工しております統合保育所整備などの大型建設事業により、公債費は、今後確実に増加することから、新たな起債につきましては慎重な対応が必要であると考えております。
 さらに、今後、先ほど申し上げました大型の建設事業に加え、施設及び設備の老朽化に伴う改修、修繕などの削減困難な経費も大幅な増加傾向にございます。加えて、これまでの投資的事業による公債費や介護保険をはじめとする社会保障分野への負担など、義務的経費が増加傾向にある中、新型コロナへの対策も継続していかなければならない一方、市税・地方交付税については減収が見込まれることから、先行きは非常に厳しい状況となっております。
 こうした中、令和5年度の予算編成につきましては、改めて各分野、各施設の必要性やその効果、運営コストなどを把握・検証し、各施設の在り方について統廃合や跡地利用も視野に具体的な検討を行うとともに、まちづくり総合指針や総合戦略を踏まえ、持続可能な珠洲市の実現に向けて、これまでも取り組んでまいりました社会資本の整備や人材育成、移住・定住の促進など継続的な事業に加え、デジタルトランスフォーメーションによる利便性の向上など新たな施策についても検討を進めながら、編成してまいりたいと考えております。

令和4年第7回定例会(第1号)本文 2022-11-29

令和4年第7回定例会(第2号)
本文 2022-12-06

94 : 5番(濱田隆伸君)

  • 金沢市では2024年4月に馬場小と明成小が統合予定(児童数288人、各学年2学級)

  • 珠洲市の現状:

    • 少人数小学校ばかり

    • 全ての小学校が小規模校

    • 一部は極小規模校と言われることも

  • 市長の過去の発言:

    • 児童・生徒数の推移を見守り、必要なら検討委員会を設置

    • 様々な要素を総合的に勘案して判断

    • 学校統合で人口減少が加速した事例もあり、現状維持を考慮

  • 市民の声:

    • 多くの友達がいる学校への通学希望が多い

    • 少人数を望む声は少ない

    • 市政懇談会でも統合に関する質問あり

  • 質問者の意見:

    • 統合学校をつくり、選択できるようにすべき

  • 質問:

    • 市長は「どこかで判断しなければいけない」と発言

    • どのような状態になったら統廃合を考えるのか

 ということは、今回のことに関しては特段そういうことはやってない、今までどおりということですね。
 それでは、次の質問に入りたいと思います。
 次は、小学校の統合についてお聞きいたします。
 12月3日の新聞にも大きく掲載されておりましたが、金沢市の12月定例会で、村山金沢市長が馬場小と明成小の両小学校が2024年4月に統合することで、両校下の了承を得たと報告されております。
 新たな統合小学校の2024年度の児童見込み数は288人で、各学年2学級ずつの計12学級を組めるようになる。2校の統合により、適正な学校規模を維持し、児童の良好な教育環境を確保するとのことであります。珠洲市の子どもを持つ保護者にとっては、大変羨ましい話であります。
 今、市内には少人数小学校ばかりであります。
 平成26年の議会質問で、市長は「今後、児童・生徒数の推移を見守りながら、必要であれば望ましい教育環境について検討委員会を再度設置し、広く関係の皆様方の御意見を伺ってまいりたいと考えております」と答弁されております。
 また、「今後、児童・生徒数の推移のみならず、各学校における教育の内容、登下校の安全をはじめとした学校環境・地域事情など、様々な要素を総合的に勘案しながら、検討委員会の設置について判断してまいりたい」とも言われております。
 あれから8年余り過ぎておりますが、今、どのように考えておられるのでしょうか。
 市長は、「学校統合を進めることによって、さらに人口減少に拍車がかかったという事例もある。小中一貫教育の取組などを通して、できる限り現状を維持してまいりたいと考えております」とも言われております。
 市民の声は、市長の耳に届いていないのでしょうか。そんなことはないと思います。
 今年の市政懇談会でも、正院町でしっかりと市長に対して質問されている方がいます。
 最近、珠洲市の子育て世代の保護者は、多くの友達がいる学校に通学させたいと思われる方々が、圧倒的に多いようであります。少人数の児童・生徒がいいと思う方は非常に少ないようであります。
 学校の規模には、大規模校、中規模校、小規模校等があり、珠洲市の小学校は全ての学校が小規模校であります。
 学校の規模の分類に適正規模校があり、学校規模の標準で学級数は12から18学級とされ、それを上回ると大規模校であります。
 小学校は11から6学級以下になると小規模学校、また、2つ以上の学年を合同にする複式学級のある学校は極小規模校と言われるようです。
 近年、珠洲市でも極小規模校と言われることがあるようにも聞きます。
 小規模校には小規模校のよいところがあると言われる方もいますが、本州の自治体の中で、市では一番人口が少ないと言われる珠洲市では、少人数の教育を受けたい、受けさせたい子どもたちや保護者は、大谷や宝立の小中学校のほうに通学を考え、少しでも同級生が多く、切磋琢磨し、友達もたくさんでき、スポーツの競技が限定されずにできる学校に通学したい、させたいと思っている方のために、統合学校をつくり、選択できるようにすべきだと私は強く思います。
 そこでお聞きいたします。
 市政懇談会で、「小学校の統合は未来永劫考えないわけではなく、この先どこかで判断しなければいけない」と市長は言われておりますが、小学校の統廃合をすべきとの市民の声が圧倒的に多い中、どのような状態になったら統廃合を考えるのか、市長の考えをお聞かせください。

令和4年第7回定例会(第2号)本文 2022-12-06

96 : 市長(泉谷満寿裕君)

  • 小学校統合に関する市長の考え:

    • 地域に誇りと愛着を持てる教育を重視

    • できる限り現状維持を目指す

  • 学校運営の現状:

    • 今年度より緑丘中学校を除く全校で学校運営協議会を組織

    • コミュニティースクール導入元年と位置づけ

    • 地域と一体となった特色ある学校づくりを重視

  • 新たな取り組み:

    • 令和5年度より大谷小中学校を小規模特認校に指定

    • 少人数学級や特色ある教育を希望する児童・生徒の入学・転学を容易に

    • きめ細やかな対応の強化

  • 今後の方針:

    • 様々な状況を勘案

    • 望ましい教育環境の在り方を総合的に検討

 本市における小学校の統合についてでありますが、本市で生まれ育った子どもたちが将来珠洲市で活躍していただけるよう、地域に誇りと愛着を持てる教育を目指すことが何よりも重要であると考えており、各学校の特色ある教育活動の取組による地域づくりなどを通して、できる限り現状を維持してまいりたいと考えております。
 今年度より、緑丘中学校を除く全ての学校で学校運営協議会が組織され、より一層地域と一体となった学校運営が行われることとなります。
 本市におきましては、今年度がまさしくコミュニティースクール導入元年とも位置づけられる重要な年であり、学校運営に地域の声を積極的に生かし、地域と一体となって特色ある学校づくりを進めていくことが重要であると考えております。
 また、令和5年度より大谷小中学校を小規模特認校に指定することにより、少人数の学級でゆっくり学びたい、特色ある教育を受けたいという市内の児童・生徒の入学や転学が容易に行えることとなり、これまで以上に子どもたちへのきめ細やかな対応が可能になると考えております。
 今後も様々な状況を勘案しながら、望ましい教育環境の在り方について、総合的な観点から考えてまいりたいと思っております。

令和4年第7回定例会(第2号)本文 2022-12-06

令和5年第2回定例会(第1号)
本文 2023-02-28

8 : 市長(泉谷満寿裕君)

  • 公共施設等総合管理計画に基づき、施設の必要性・効果・コストを検証

  • 施設の長寿命化や統廃合を検討し、経費削減を目指す

  • 2022年6月19日の地震で被災した施設の対応:

    • 緑丘中学校敷地内の市民体育館

    • 旧正院公民館 → 2023年度に解体・撤去予定

  • 耐震性がなく老朽化した施設の対応:

    • 生涯学習センター

    • 旧正院小学校体育館 → 解体・撤去に向けた調査・設計を実施、早期撤去を目指す

  • 用途廃止した公共施設の活用方法を検討

  • 老朽化施設は公共施設管理基金を活用し、解体・撤去を検討

次に、持続可能な行政運営に向けた取組についてであります。
 まず、本市の公共施設についてでありますが、公共施設等総合管理計画に基づき、各施設の必要性やその効果、運営コストなどを把握・検証し、各施設の長寿命化や統廃合等について具体的な検討を行い、経常的な経費の削減に努めてまいりたいと考えております。
 昨年6月19日の震度6弱の地震により、緑丘中学校敷地内にある市民体育館及び旧正院公民館が被災し、建物自体が危険な状態となっており、生徒や市民の皆様の安全を確保するため、令和5年度におきましては、この2つの建物を解体・撤去したいと考えております。
 加えて、建物自体に耐震性がなく、老朽化しております生涯学習センター及び旧正院小学校体育館につきましても、解体・撤去に向けた調査・設計業務を行い、できるだけ早い時期に解体・撤去を進めてまいりたいと考えております。
 なお、用途を廃止した公共施設につきましては、引き続き活用方法について検討を進めるとともに、特に老朽化した施設につきましては公共施設管理基金を活用し、解体・撤去に向けて検討してまいりたいと考えております。

令和5年第2回定例会(第1号)本文 2023-02-28

珠洲市議会議事録の抜粋は以上です。

後半は、地区住民意見交換会の記録や復興計画策定委員会の配布資料、報道記事から、学校再編についての記述を抜粋したものです。

後半要約

  1. 背景と現状:

    • 珠洲市は1954年に3町6村が合併してできた市で、現在も旧町村ごとに9つの小学校(うち2校は義務教育学校)が存在している。

    • 少子化が進行しており、年間の出生数が50人を下回っている。

    • 2024年1月の能登半島地震後、小中学生の数が約2〜3割減少した。

  2. 統廃合に関する主な意見:

    • 統廃合を支持する意見:

      • 少人数過ぎると学習活動や部活動に制限がある。

      • 友人関係の構築が難しい。

      • 教育の質や競争心の維持が困難。

      • 経済的効率性の向上。

    • 統廃合に慎重な意見:

      • 地域と学校は一体であり、学校がなくなると地域の活力が失われる。

      • 少人数でも質の高い教育は可能。

      • 学校は災害時の避難拠点やコミュニティの中心としての役割がある。

  3. 市長(泉谷満寿裕氏)の立場:

    • 基本的に学校の維持を望んでいるが、児童生徒数の減少を懸念している。

    • 地震直後の急激な統廃合は乱暴だと考えている。

    • 復旧状況を見守りながら、慎重に検討を進めたいとしている。

  4. 市の対応と取り組み:

    • 2023年度から「小規模特認校制度」を導入し、大谷小中学校を指定校とした。

    • 仮設グラウンドの整備や、学校施設の再建を進めている。

    • 復興計画策定委員会で、学校施設の集約や子育て環境の充実を検討項目としている。

  5. 専門家の見解:

    • 和光大学の山本由美教授は、能登地域でも東日本大震災後の東北地方同様、廃校が増える可能性を指摘。

    • 一方で、安全面や地域コミュニティの観点から拙速な統廃合に警鐘を鳴らしている。

    • 統廃合を検討する際は、子どもや保護者、住民への影響を考慮し、徹底した合意形成が必要だと強調。

  6. 今後の課題:

    • 児童生徒数の減少傾向への対応。

    • 地域コミュニティの維持と教育の質の確保のバランス。

    • 災害時の安全確保と学校の役割の再検討。

    • 住民、特に子育て世帯の意見を十分に聴取し、反映させること。

    • 長期的な視点での教育環境の整備と、地域の持続可能性の両立。

この問題は、教育の質、地域社会の維持、財政面、安全性など多くの要素が絡み合う複雑な課題であり、今後も慎重な議論と検討が必要とされています。


地区住民意見交換会

第1回地区住民意見交換会の議事録には、学校の統廃合に関する意見とそれに対する市長の回答が複数あり。

参加者:
 小学2年と幼稚園年中の娘がいる。来月正院小に戻る予定であるが、小学生が少人数すぎる。同級生がいなくなる可能性もある。保育園が一つになり楽しくやっていたが、小学校でバラバラになって、緑丘中学校で一緒になる。全部一緒にできないのか。
 給食は自校方式にしてほしい。正院小は放課後児童クラブも開設されていないので、統廃合をすればそのような課題を解決でき、親も働きながら子育てできる。仮設住宅で学校のグラウンドが使えない状況である。仮のグラウンドを整備するとあったが、学校の統廃合の取り組み等にお金をかけてもらえないか。

市長:
 小人数制には良い面もあるが弊害もある。地域と学校は一体だと思っており、現状維持はしたい。一方であまりに児童数が少ないことも問題だと考えており、時間はかかるが考えていきたい。給食についても温かいものを食べてほしいと考えている。しっかり取り組んでいきたい。
 仮設グラウンドについては、耕作放棄地の活用する場合に、農地転用も法律上省略できることとなったため、今回、小学校のグラウンドとして活用することになった。グラウンドだけでなく体育館も3 使えないという学校もあるため、やはり仮設グラウンドは作りたい。文部科学省の補助金を活用して整備できるため、市の負担なくできるのであまり心配いただかないようにしてほしい。

正院

参加者:
 学校の統廃合は喫緊の課題ではないか。正院小学校は 13 人と聞いている。なぜずっと手つかずなのか。親の考えは統合を望む声が多い。

市長:
 地域と学校は一体と思っている。統合はいつでもできる。子どもの数が少なくても質の高い教育4 は可能である。生きもの観察会、SDGs教育等の発表等を通じて、市内の学校の教育水準は高いと感じている。できるだけ維持したいのは、私の考えである。

蛸島

参加者:
 1点目、教育の件である。子ども達がどんどん流出しており、少子化だった上、地震で更にその2、3割になったと、若いお母さんが言っていた。金沢の方へ出てしまう。子ども達をどう教育するかを、しっかり頭に入れて頑張っていただきたい。

市長:
 教育について、もともと人数が少ない上、地震でぐっと減った。地域と学校の一体性から、地域での児童生徒の育みを大事にしていきたい。地域で出来るだけ維持したいが、先を見据え、考えるべき時に考えていきたい。少人数だからこそ、良い面もあると思う。例えば、いくつかの学校とオンラインでつながるという手もある。

参加者:
 学校の話だが、蛸島の意見交換会でも統廃合の話が出たと聞いているし、市長のお考えも聞いている。一方、保護者同士では、統廃合をした方が良いだろうという声も出ている。住民の意見は聞いたが、その意見は一部だろうと捉えられているのであれば、まずいと思う。地震を機に金沢に出て行ったのは、住まいの問題もあるが、それ以前に外に出て行きたかったという人のことも聞いている。市外に出て行った人の声を聞かないと珠洲市に戻ってこない。

市長:
学校をどんどん統合していくと、もっと地域に元気がなくなるのではないかと考える。一番良いのは、児童生徒の人数が安定し、学校を運営できることだ。地域のこと、児童生徒のことが一番大事ではあるが、保護者のことも考えていきたい。

参加者:
 子育てについて。復興計画は、立派な計画、理念だと思う。そんな中、人がいないと駄目だと思う。若い人を大事にしなくてはいけない。学校の統廃合について、この際、小学校、中学校を珠洲市に1校ずつにしてはどうか。この機会に思い切ったことをしないと金沢に流出してしまう。教育、あるいは部活動をしたいが人数がいないから金沢へ行く。地域には学校がないとだめという考えは古く、もうそのような状況ではない。大事な若い人が出て行っている。

市長:
 学校の統廃合問題の答えが明らかであれば良いが、そうではない。学校を統合して、喜ばれる保護者や児童生徒もいるだろうが、地域の活力が失われ、結果として人が減ることになる可能性もある。早く統合したら良いと言う声は、地域で踏ん張り切れないということなのだろうか。地域で踏ん張り切れないところ、さらに地域の活力が無くなることは避けたい。

参加者:
 金沢へ行った孫は、友だちがいっぱいいるのが楽しいと言っている。

市長:
 多い方が楽しいから、皆多い方へ行けばいいだろう、というのでは珠洲市はどうなるのだろう。すぐに、令和7年度から統合するというのは乱暴だと思うため、慎重に考えていきたい。やるからには腹を括ってやるしかない。統廃合することが絶対正解であればやるしかないが、そうではない。大人数を望むのであれば、金沢ではなく東京のほうが良いかもしれない。

参加者:
 子どもが無競争なままで育ったらかわいそうだと言われている。

市長:
 一旦子どもの人数は減ったが、復旧を進めるにあたって、また戻るというのが一番良い。色々と取り組んでいきたい。

参加者:
 学校には多くの教職員等が働いているが子供が少ない。バスケットも5人が揃わない状況である。緑丘中学校に小中学校や給食施設などを統合することはできないか。働いている人には弊害はあるが、学級の人数を増やしてほしい。

市長:
 学校がなくなった地域の衰退が気になっている。子どもが少なくなっていることもあり、懸念している。児童生徒を増やすためには、ということを考えると正解はないし、難しい状況である。地域で子どもを育むことを考えれば再編をしない考えもこれまでは持っていた。ただ、今回の震災を機に子どもが少なく、市外にも出て行っているとも聞く。児童生徒数も市内で3割程度減少している。学校のあり方について、応急仮設などの復旧が見えてきたタイミングで考えていかねばならないと考えている。今年は市制70年、義務教育学校を含めて、昭和29年の3町6村それぞれごとに学校があり、全国にはなかなか事例がない自治体である。統合する場合は交通手段等も考えていく必要もあるが、復旧が進んだところで検討していきたい。

三崎

参加者:
 学校の再建についても説明があったが、再建も大切だが、具体的な教育プログラムの方針も大事である。大人の目線ではなく、子どもの目線から魅力的でないといけない。子どもが一時期転校したいと嘆いていたが、ダメという自分にも嫌気がさし、子どもを3週間ほど協力してくれる家族に任せて、子どもを珠洲から離れさせた。次第に戻ってくる仲間もいて、珠洲に帰ってきたが、子ども大人関係なく、一人ひとりが生き方を選択せざるを得ない状況にある。子どもも離れている間、色々な人と触れ合う機会が増え、4月からもその場所で過ごしたいと感じていた。現在進行形で、学びの場や人材育成の場を整備しないといけない時に、学校の合併についても本当に考えてほしいと思う。子どもも学びの場について考えていることがあるので、子どもにもアンケートを取ってほしい。まちづくりの計画に色々なメンバーを入れていると思うが、皆さんの声をちゃんと拾い上げて、まちづくりを共に作っていきたい。

市長:
学校のカリキュラムは子どもにとって魅力的な形となるよう工夫して進めたい。地域と学校は一体だと思っている。宝立の皆さんが「この地域から、もう学校はいらない」ということであれば、合併を考えなくてはならないが、学校再編は現時点ではしたくはないと思っている。この地震を機にすぐに合併する、というのは乱暴な考えだと思っている。復旧の状況も見守りながら進めたい。仮設グラウンドも整備していくので、よろしくお願い申し上げる。

宝立

北風区長会長:
個人の意見として、長い間に何とかしようという話だが、小学校、中学校のことを考えてほしい。生徒数が減っていくのも聞いている。長い時間をかけ、土壌を醸成できればと思う。

市長:
 多くの地域で、この話が出た。市外に出られた児童生徒もおり、地震後、2~3割減っている。若いお母さん、小さなお子さんがいるご家庭では中々子育てが難しく、金沢の「みなし仮設住宅」アパートに移られている。今、保育園には160人ほどしか児童がおらず、40、50人は離れてしまっている。断水の解消が中々うまくいっていない。急ぐことも大事である。
 教育環境について、倒壊家屋を毎日見て育つのは、児童生徒の育つ環境としてどうかと言われる保護者もいる。こればかりはどうしようもない。育っても大丈夫というわけにもいかない。私自身も理屈をはっきり申し上げられることでもない。そうは言っても、現在、子どもたちは元気に学校に通っている。正院小学校では、当初体育館に物資が備蓄されていた。避難者を元気にしたいからコンサートを開きたいと児童が言い、避難されている方もたくさんおられたが、支援物資のスペースを片付けて、コンサートを開ける場所を確保し、歌声を披露した。私は直接見られなかったが、テレビで見て感動した。そのような場は、正院小学校が無ければできなかった。地域と学校とのつながりの重要性は大事だと思う。
 児童生徒が少ない中、さらに少なくなるのは考えなくてはならないが、いきなり来年統合するなどのやり方は乱暴だと思う。考える場を設けながら検討していくしかない。賛否両論だと思う。せめて若山には若山小学校があったほうが良いと、私は思うが。子どもたちのため、あるいは地域のためにどうなのか。珠洲市の将来にとってどうか。地域力が低下して、より一層児童生徒の人数が減ることにならないよう考えなくてはいけない。

若山

参加者:
 若山小学校に1人だけ小学生がおり、うちの集落の女の子である。小学校に入っても、体育の時間に縄跳びしかできないと言う。ひとりぼっちになるけれど若山に行くか、お友達がたくさんいる小学校に行くか、と父親が聞いたら、兄と一緒の学校に行くと言った。 大人の視点や教育に詳しい方の視点だけでの判断ではなく、子どもの視点を聞いてほしい。

市長:
 蛸島でも学年で児童が一人だけということがあった。気になってずっと見ていたが、立派になった。しっかりしている児童はしっかりしている。色々な考え方、観点からの指摘もあるが、おっしゃる通りであり、人数が少ないから統合ということでもないと思う。

若山

参加者:
 小学生の保護者として発言させていただく。グラウンドの仮設住宅の入居期間が2年以上伸びてしまうと、子育て世帯は市外に逃げていってしまうと思うが、どう考えているのか。学校のソフト面は先生がなんとかしてくれているが、ハード面はどうしていくのか、統廃合も含めてどう考えているのか教えていただきたい。

市長:
 飯田小学校のグラウンドは一部残すので、体育の授業は出来るようにする。仮設住宅を建設する予定のない緑丘中学校で大会等は行っていきたいと考えている。グラウンド全部を使って、仮設住宅を建設する学校もあるため、耕作放棄地を仮設のグラウンドとして整備するように進めている。
 統廃合の話は別途議論が必要である。現状、地域と学校は一体のものだと考えているので維持していきたい。正院小学校の避難所で小学生が被災者を励ましたいということで、避難所と学校が協力して避難所にスペースを設け、小学生によるコンサートを開いた。直接見に行けなったが、ニュース等の報道を見て感動した。そのようなことも含めて、地域に学校がある事は色々な面で良いことだと思っているが、子どもたちの人数が減っているので、これからのことを見据えながら議論していきたい。

飯田

参加者:
小人数過ぎると出来るスポーツも限られてくる。珠洲市を出れば、すぐ目の前にグラウンドのある学校があるのに、わざわざ子育て世帯は残るのだろうか。地域と学校が一帯という考えは過ぎ去った。ある程度人数がいないと、少人数を活かした学習にも限度がある。もう少し踏み込んで考えてほしい。

市長:
色々な考え方があると思う。しかし、いきなり来年から統合というのは乱暴な話でもあるため、状況を見ながら議論してきたい。

飯田

復興計画策定委員会

第2回配布資料「資料1 意見と対応」に学校の統廃合についての意見と市の対応方針あり。

意見概要
学校の統廃合について、考えてほしい(地:正院、蛸島、三崎、宝立、若山、飯田)

対応方針(案)
2-4 学びの環境の再建に保育施設、学校施設の集約及び子育て環境の充実を位置づけ、検討する

第2回配布資料「資料2 地区住民意見交換会」に学校の統廃合について意見と市の回答あり。

主な意見(会場)
学校の統廃合について、考えてほしい。 (正院 、蛸島、三崎、宝立、若山、飯田)

対応(市)
地域と校は一体である。子どもの数が少なくても質の高い教育環境は可能。この地震を機にすぐに合併するというのは乱暴だと考えている。復旧の状況も見守りながら進めたい。

第2回配布資料「資料3 ホームページによる意見募集の結果」に、学校の統廃合に関する意見あり。

子どもたちの将来を考えたら、1箇所に学校、保育園を集めてほしい。災害があったときにまとまっていると家族は安心なので。住む場所も老後や今後のことを考えて、街や病院、スーパーの近くなどに集めてほしい。

新たな建物を建てるのではなく現在ある旧保育所などをリノベーションしたらよい。小学⽣も少ないので統合して空いた小学校を市営住宅にリノベーションし、住⺠に貸し出す。

小学校の統合について市⻑は地域には小学校が必要との考えでしたが⽣徒数が少なすぎます。人数が多い方が気の合う友達が出来やすいです。またコスト面でも統合する方が良いのではないでしょうか?

子供たちのために早期に学校統合を⾏ってほしいです。子どもの人数が少ないと子供たちのやりたい部活動もできない。学校⾏事も人数が少なく何も楽しそうじゃない。授業も少人数で競うこともできない。統合しないなら子どもを連れて出ていくという意見がほぼ知り合い全員言っています。蛸島小学校が無くなっても誰も困りません。もし高齢者が困るなど言うなら子どもを小学校に出している子育て世帯を優先してください。素人の考えですが、緑丘中学校を珠洲市小中学校などにするのも良いのではないか?という意見もありました。理由としては、立地的にも珠洲の中心で、教室数もあるので、うまく活用できないか?という子育て世帯の意見です。

学校の集約については通う子どもたちの学習環境を第一に考え、移動教室などで各地区を活用するなど、特色あるプログラムを検討してほしい。


その他、珠洲市の公表資料

『珠洲市まちづくり総合指針』・『珠洲市まち・ひと・しごと創生総合戦略』・『珠洲市人口ビジョン』の改訂

珠洲市総合教育会議

『珠洲市公共施設等総合管理計画』の改訂


学校の再編に言及している報道

集約化前提の復興あり得ない=泉谷満寿裕・石川県珠洲市長

 珠洲市は1954年に3町6村が合併してできた。今も旧町村ごとに九つの小学校(2校は義務教育学校)があり、それぞれ地域性や祭りも異なる。「珠洲の人間は住む土地と強く結びついている。ふるさとは重く、都会的な感覚で簡単に移転すればいいという話はあり得ない」と話す。
 6月に行われた住民との意見交換会でもそうした考えをうかがわせた。生まれてくる子どもが年50人を切る中、保護者からは学校の統合を求める声が多く出たが、泉谷氏はその都度反論。「人数が少ないから教育のレベルが下がるということは全くない。学校がなくなることで地域力が低下することの方が怖い」と説く。

https://www.jiji.com/jc/article?k=20240726NH24&g=jti

「人はどんどん離れ…」地震が統廃合に拍車 奥能登では小中学生が2割減に

 珠洲市は23年度から、学区外の生徒も受け入れる「小規模特認校制度」を採用した。大谷小中学校を特認校に指定し、少人数教育の良さを残そうとしている。ただ、学区外からの通学者はいまだにいない状況だ。

https://www.chunichi.co.jp/article/878175

 学校の統廃合問題に詳しい和光大の山本由美教授(教育行政学)は「大震災以降、東北の廃校数は全国的に上位となった。能登地域でも同じような動きが進むかもしれない」と推測する。10年ほど前から国が公共施設の複合化を進め、学校の統廃合も加速したという。「教員の数も減り、経済的なメリットも大きいのだろう」と語る。
 ただ「能登半島地震では道路の寸断が大きな問題となった。統廃合すれば、スクールバスなどで長距離移動することになり、安全面に関わる」と指摘。「学校は災害時の避難拠点や地域コミュニティーとしての役割も果たしている」とも話し、拙速な統廃合には注意すべきだと説く。
 今後、学校統廃合の議論をする上では「学校がなくなれば、子どもや保護者、住民に負担がかかる。徹底した合意形成をしなければならない」と強調した。

https://www.chunichi.co.jp/article/878175



学校の統廃合問題に詳しい山本由美氏の論文

【論文】学校統廃合の新しい段階と対抗軸の可能性

◎要約

  1. 新しい統廃合の傾向:

    • 教育論や「子どものため」の議論を無視した施設建設が計画されている

    • 公的施設の「複合化」「多機能化」を伴う統廃合が増加

    • 公教育の民営化が同時に進められている

  2. 統廃合政策の変遷:

    • 2000年頃から廃校数が高止まり、特に東京都で顕著

    • 新自由主義的教育改革(学校選択制、学力テスト、学校評価の導入など)が背景にある

    • 2014年からの「地方創生」政策により統廃合が加速

  3. 公共施設等総合管理計画の影響:

    • 2014年から全自治体に策定が要請され、学校統廃合の強力なインセンティブとなる

    • 財政誘導(地方債の適用、公共施設等適正管理推進事業債など)が用意された

  4. PFI(民間資金等活用事業)の問題点:

    • 企業の利潤追求と公共性の実現が対立

    • 教育の住民自治の実現が困難になる

    • 行政と事業者の癒着の懸念

    • 企業破綻・撤退時のリスク

    • 経済的抑制効果への疑問

  5. 複合施設化の課題:

    • 子どもの安全やセキュリティ上の問題

    • 情報保護や教育条件の悪化

  6. 対抗軸の可能性:

    • 地域コミュニティのインフラを守る市民運動の台頭

    • 住民投票条例制定運動などの民主的プロセスの要求

    • 「非自民」リベラル系首長の当選による政策変更

著者は、学校統廃合や新たな施設開設に際して、子どもの意見表明や市民の声を反映するルートの保障が必要だと主張しています。また、正確な情報提供により保護者を巻き込んだ学校を守る運動が、新自由主義的な自治体改革への対抗軸となる可能性を示唆しています。

【論文】学校統廃合の新局面と教育論を無視したその問題性

◎要約

  1. 学校統廃合の新たな局面:

    • 公共施設等総合管理計画により、コスト削減を主目的とした学校統廃合が進行

    • 教育的効果の根拠や地域づくりの視点が欠如

    • 財政誘導を通じて、教育学的根拠のない他の公共施設との複合化が進む

  2. 統廃合の背景:

    • 2001年頃から廃校数が増加、高止まりの傾向

    • 「地方創生」政策と公共施設等総合管理計画が統廃合を推進

    • 財政誘導(地方債の適用、国庫負担など)が強力に機能

  3. コロナ禍の影響:

    • 少人数学級の良さが再認識され、35人以下学級の実現につながる

    • 一部自治体で統廃合計画の見直しがあったが、全体的な方向性は変わらず

  4. 教育論からの乖離:

    • 従来の小規模校の価値認識が廃止され、新たな「教育的根拠」が示される

    • 小中一貫校の教育学的根拠が不明確

    • 後発自治体では教育学的視点の軽視が顕著

  5. 統廃合推進のための制度利用:

    • コミュニティ・スクール制度が小中一貫校とセットで導入される傾向

    • 教科担任制の導入が小中一貫校化を促進

  6. 問題点と課題:

    • 子どもの成長・発達保障よりもコスト削減が優先される

    • 地域コミュニティの再編につながる可能性

    • 教育的効果の根拠が薄いにもかかわらず、行政が積極的に宣伝

  7. 対応策:

    • 保護者や地域住民による統廃合や小中一貫校のデメリットについての学習が重要

    • 優れた小規模校の教育実践のイメージを持つことが運動のカギになる

著者は、学校統廃合や小中一貫校化が教育論を無視して進められていることを批判し、住民自治の基盤である学校を守るために、住民の学習と運動が重要であると主張しています。

【論文】学校統廃合で広域化が進む学区域とマンモス校―学校再編の実態と課題―

◎要約

  1. 学校統廃合の急増:

    • 公共施設等総合管理計画の影響

    • 文科省の「適正規模・適正配置等に関する手引」の公表

    • 「義務教育学校」および小中一貫校の導入

  2. 統廃合の実態:

    • 2014-2016年の間に毎年200件以上の統廃合

    • 「義務教育学校」の開設(2016年22校、2017年26校)

    • 過疎地の小規模校と大規模校の二極化

  3. 統廃合を促進する要因:

    • 財政誘導(地方債の適用、国庫負担など)

    • 「義務教育学校」への国庫負担の拡大

    • 合併自治体の財政難

  4. 広域化する学区域:

    • 合併した旧自治体の全小中学校を1校にまとめる事例の増加

    • 小学校区の消滅による地域自治機能の喪失

    • 子育て世帯の流出と地域の衰退

  5. 統廃合の正当化に使われる「教育的」理由:

    • 自治体独自の「適正規模」基準の設定

    • 新学習指導要領の「新しい学び」を根拠とする説明

    • 複式学級への偏見的な批判

  6. 巨大規模校の出現:

    • つくば市や流山市などでの大規模学校の設立

    • 教育の中身よりも「収容」を優先した学校建設

    • コミュニティ形成の欠如

  7. 問題点と課題:

    • 地域コミュニティの解体と新自由主義的再編

    • 教育的効果の検証不足

    • 持続可能なまちづくりビジョンの欠如

著者は、コスト削減や新自由主義的な地域再編のために進められる学校統廃合の問題点を指摘し、特に広域化する学区域とマンモス校の出現に懸念を示しています。また、地域コミュニティが共同して対抗していくことの重要性を強調しています。

【論文】「地方創生」のもとの学校統廃合を検証する

◎要約

  1. 学校統廃合の背景と経緯:

    • 新自由主義的教育改革によるコスト削減と公教育の序列的再編

    • 2002年頃から廃校数が増加、高止まり状態が続く

    • 平成の大合併や学校選択制導入に伴う統廃合の増加

  2. 小中一貫校と「義務教育学校」の導入:

    • 2000年に広島県呉市で最初の小中一貫校が開設

    • 2016年4月から「義務教育学校」が新たな学校種として法制化

    • 教育的効果が不明確なまま統廃合の手段として利用される傾向

  3. 学校統廃合の基準と「手引」:

    • 2015年に文科省が60年ぶりに統廃合基準を改正

    • 通学距離基準の変更と単学級以下校の統廃合検討を促進

    • 小規模校のデメリットを強調し、新たな「教育学的根拠」を提示

  4. 「地方創生」と公共施設適正配置計画:

    • 自治体の「選択と集中」により、学校が廃校計画の対象に

    • 合併自治体での突然の統廃合計画の事例

  5. 小中一貫校の実態:

    • 過疎地の小規模校や被災地での導入

    • 一般校との差異化を図る傾向

    • 施設分離型の「小中一貫型制度」の導入

  6. アメリカの事例との比較:

    • 学力テスト結果による学校評価と統廃合

    • 公設民営化とバウチャー制度の導入

    • 大阪府での類似制度の導入と影響

  7. 統廃合に対する対抗軸:

    • アメリカでの教員組合を中心とした運動

    • 日本での学区レベルの保護者、住民学習会の組織化

    • 教育的効果の検証と各層の共同による対抗軸の形成の必要性

著者は、小中一貫校や「義務教育学校」の教育的効果が十分に検証されていないにもかかわらず、統廃合の手段として利用されている現状を批判しています。また、新自由主義的教育改革のデメリットを検証し、保護者や地域住民との共同による対抗軸の形成が重要だと主張しています。

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