【書き起こし】Finatextホールディングス_決算アフタートークイベント
2023年8月15日、FinatextホールディングスCEOの林さんとの決算アフタートークに参加してきました!
今回は、本イベントのトーク内容の書き起こしを公開します。Finatextホールディングスのユニークネスや強みが垣間見える学びの多い会だったので、ぜひご覧ください!
当日のトークイベントはこちらからお聴きいただけます。https://twitter.com/i/spaces/1lPKqBOnMzAGb?s=20
なお、「そもそもFinatextホールディングスってどんな会社なの?」という方は、同社のリサーチレポートを先日公開しているので、ぜひご覧ください。
清水:本日は株式会社Finatextホールディングスの決算アフタートークにお集まりいただき誠にありがとうございます。本日進行を務めさせていただくFinatextホールディングスの清水と申します。本日はゲストにMutual代表取締役吉田さんをお招きし、弊社CEOである林に事業、決算に関する質問等を中心にカジュアルに対談を行っていただきます。
それでは早速ですが林さん、まずは今回の1Q決算のハイライトをよろしくお願いいたします。
2023年度第1四半期の総括
林:はい。昨日、2023年度の第1四半期の決算を発表させていただきました。簡単にお伝えすると、前年度比売上高+54%、営業赤字もかなり縮小することができ、今期は40%成長と営業黒字化、EBITDA1.2億円というなかなかチャレンジングな通期ターゲットに対して順調な第1四半期の決算を迎えることができたかなと思ってまずひとまずちょっと安心しています。
先ほど機関投資家向けの決算説明会があって、そこでもお伝えしたんですけど、前期の通期決算を発表した際の「チャレンジングな目標ではありますが、何とか達成します」みたいなところに比べると、第1四半期で達成確度が上がったんじゃないかなとに思っているところがまず第1印象ですね。
ハイライトとしてはいくつかあるんですけど、一番大きいのは、セゾン投信さんのシステム移管を一部担当させていただくというプロジェクトを発表させていただいたことです。基幹システムはレガシーな業務と結構紐づいてますから、それを置き換えるっていうのはかなり難しいんですけれど、今回それをお任せいただけるようになったということで、われわれの証券や保険のインフラがお客様に1段階上の評価をされ始めているのかなという感触を持っており、かなり自信がついたということがあります。こちらは簡単なプロジェクトではないんですけど、しっかりこれをデリバリーして、今後「立ち上げのときに使う柔軟なインフラ」だけではなく、「既存のインフラからリプレイスする先として選んでいただけるインフラ」として選んでいただけるようになるための非常に大きな第一歩を踏み出したということが、今回の決算のハイライトでございます。
清水:ありがとうございます。それでは早速吉田さん、よろしくお願いいたします。
吉田:はい、皆さんどうぞよろしくお願いします。今日の流れとしては、冒頭で直近の決算の部分を少しお伺いして、そこから、フィンテックソリューション、ビッグデータ解析、金融インフラストラクチャと各事業について色々質問させていただければと思います。
決算に関する質問
フロー収益が伸びた背景
それではまず決算の部分についてお伺いしたいと思います。
御社はストック収益と従量課金収益とフロー収益と、収益形態が3つあるじゃないですか。今回の1Qの決算を見ていると、フロー収益が伸びているなという印象があるんですが、金融インフラストラクチャの方は今回新規で入ったものがなかったと思うので、フロー収益が伸びたのはフィンテックソリューションの案件がドカッと計上されたことが主な要因としてあるのでしょうか?
林:それはまずありますね。ただ、うちって初期導入費用だけではなくて、「個別で対応してくれない?」みたいな既存のお客さんからの要望に対応することで上がってくるフロー収益もあるんですよ。例えば、ぼくらの金融インフラのパートナーのお客様が「新しいAPIを公開したんですが、これをうまく既存のインフラに乗っけてくれないか?」みたいな形で、アップセルするみたいなことも結構あるんですよ。
もちろんこのQ1でいうとやっぱりフィンテックソリューションでのフロー収益の計上のタイミングが集中したという側面はあるんですけれども、実際金融インフラの方もしっかり+56%と伸びてはいるので、金融インフラにおけるフロー収益の影響も多少はあるかなという感じです。
ストック収益がQoQ減少した背景
吉田:なるほど、ありがとうございます。
逆にストック収益がこの1Qではちょっと減っているのですが、こちらは何か要因があるのでしょうか。基本的には増え続けていくものかと思っていたのですが。
林:これはすごく良い点ですね。これもちゃんと説明しなきゃと思うんですけど、結論からいうと、金融インフラストラクチャのストック収益は伸びています。
その中で、われわれフロー収益、ストック収益、従量課金収益があるんですけど、これはグループ全体のビジネスで存在してるんですね。つまり、フィンテックソリューション事業やデータ事業にもストック収益というのはあるんです。
今期営業黒字化を掲げている中で今はしっかりと利益を出していくフェーズだということもありまして、今期は採算性を結構意識しているんですよ。前期まではガンガン売上を伸ばせみたいなモードだったんですけど、今期から採算性を意識し始めてるんですね。そのような中で、ちょうど前期の終わりのタイミングでソリューション事業やデータ事業は不採算案件みたいなものをクローズしているというのがあります。昔からやっているプロジェクトや、ある程度売上を伸ばすということでやっていたプロジェクトであまり戦略的ではないサービスを僕たちが終了させているものが結構あるんです。
直近ですと、グループで元々買収した会社でK-ZONEという会社があったんですけど、そこのサービスをFinatextに統合させて、月額課金を一通り止めにしたりとか。つまり、採算性を追求するがゆえに、多少ビジネスを整理したというところは結構あります。ただ、内訳は開示はしていませんが、先ほど申し上げたとおり金融インフラ事業のストック収益については伸びています。
吉田:ありがとうございます。
ビッグデータ解析のところはAlternaDataとか日経CPINowとかそういうプロダクトを提供していて課金額が一定であまり不採算の案件とかはないイメージなんですけど、フィンテックソリューションが案件毎に採算性が異なっていたイメージなんでしょうか。
そうですね。だから基本はフィンテックソリューション事業だと思ってもらえればと思います。
フィンテックソリューション事業というのはやっぱり僕らの祖業ということもあって、昔からやっている案件が結構あるんですよ。そこをどんどん整理していってるようなイメージですね。僕らとしてはやっぱり投資家に対してクオリティの伴ったグロースをここから証明してかなきゃいけないフェーズなので、ある程度整理しているみたいな感じのイメージです。
コスト管理の具体的な内容
吉田:ありがとうございます。
あとは営業損失がかなり縮小されているということで、製造原価率も販管費率も相当下がっていると思うんですが、「販管費など適切なコスト管理により」と書いているところについて、具体的にどんな感じで管理してるのでしょうか。
林:実は結構やっていることはつまらないというか、王道のことをやっているんです。例えばふわっとしたコストってあるじゃないですか。この人を採用したいとか、ちょっとリソース足りないから新しく業務委託を増やすとか。そういうときに「これってそもそも適正価格なんだっけ?もう少し縮小できる余地はないの?」とか「これを通じてどれぐらい売上が上がるの?」みたいな、かけているコストが売上にどういうインパクトがあるのかということを1個1個めんどくさがらずに小さい単位まで確認しているということに尽きるんですよね。これはエムスリーの谷村さんに相当感化されている部分があるんですけど。だから、ふわっとしたコストのかけ方はしないし、逆に何でもコストをセーブするということもないです。大胆に使うところは使います。
例えば「現場が大変で人が足りない」というときに、どういうことをどういう風に任せてもらうんだっけ?とか、そういうのを1個1個詰めていくと、意外ともっと効率的なやり方が見つかったり、「本来かかるコストではなくてこれくらいで何とか出来るよね」となったりします。
うちには「TM(タイム&マネー)」という行動規範があるんですけど、そういうのが結構昔から染み付いているんですよね。なので、それをやっているに過ぎないという感じです。
もちろん、仮に無駄なコストをかけてしまった場合でも、終わった話をくどくど言うことはしません。ちゃんとレビューして、同じような無駄なコストをかけるのはやめようねということを意識しています。例えば、「ここでこういうコスト使っていったらこうなるよねって言っていたけど、実際やってみたらそうならなかったので、今度またこれにコストかけるってなったら本当にこうなるのかちゃんと見ようね」みたいな感じです。結局そういうことの積み重ねですよね。
フィンテックソリューション事業
収益形態について
吉田:なるほど。ありがとうございます。
ちょっと数字のところは一旦こんな感じで、ここからは具体的に各事業のところについてお伺いしていきたいなと思います。
フィンテックソリューション事業は、おっしゃっていただいたように祖業だと思うんですけど、基本的には金融系のアプリを御社名義で出されたりとか、もしくはこういうのを作りたいと言っているところに開発サポートに入られたりとか、そういったことをやられていると思うんですけど、基本的には完成してフィーをもらうみたいな感じで大部分がフロー収益というイメージなのでしょうか。
林:そういうわけでもないです。完成したときにドカッと貰うとか追加で開発してもらうというところがあるんですけど、まずフロー収益にもいわゆるリピート案件みたいな継続的な性質もあって、例えば一番最初に導入費用がドカっと入った後にこういう追加も出来ないかとなってどんどんアップセルがされるんですよね。
それとは別に、月額のベースの運営費用というのが、機能が追加されることでどんどん上がっていきます。あとサポート体制によって月額の費用とかももらったりとかするので、もちろんフロー収益の方が規模としては大きいのですが、ストック収益も多少あるというような感じです。
フィンテックソリューション事業はリソースコンシューミングで、ある程度売上の規模に応じて人が必要なところがありますから、今の現段階でこれをガンガン伸ばすとなっても人をめちゃくちゃ増やしていかなければなりません。なので、うまく金融インフラに繋げていくような案件を中心に手掛けています。例えば、三菱UFJ銀行が僕らの保険インフラの導入をしてもらうみたいな。そういう、グループ全体として金融インフラに繋がるようなことをやってくという感じですね。
金融インフラへの接続について
吉田:ここまさにお伺いしたかったんですが、まずはフィンテックソリューションの方で入っていって、そこから金融インフラの事業に振り向けていくために、御社の方から「業務システムも変えていきませんか?」みたいな感じで提案されたりしているんでしょうか。
林:いい質問ですね。まず、例えば僕たちって、AWSの利用だと国内でもかなり屈指のプレーヤーなんですよ。基幹システムとか業務をがっつりクラウドネイティブで金融の領域で開発しているところって実はほとんどなくて。
もちろん使っている人はいるんですけど、クラウドをネイティブでやっていて、そこで実際にがっつり業務を行っているところって僕が知る限りうちがリーダーなんですよね。そうなると、例えばAWSとかそういったクラウド系のカンファレンスのエグゼクティブセミナーでメガバンクや大手金融機関のCIOとなぜかうちがいるみたいな状況になったりするんですよ。そこで情報交換して、相手の課題意識とかを聞きながら案件化していくみたいなところなんですよね。
実はフィンテックソリューションで大きいテーマというのはベタな話ですけどクラウド化なんです。だから、僕らって金融インフラで業務のところをまとめてまるっと変えるというところもやっているんですけど、「業務ところは変えずになるべくシステムとかフロントのところをクラウド化していきたい」みたいなニーズがあるんです。そこを僕らが例えば三菱UFJのやつってクラウドフルネイティブでMoney Canvasとかを提供していたりとかするので、その知見を使ってここの部分をクラウド化していけないか、つきましてはFinatextってAWSの知見もかなりあるし、金融機関のセキュリティチェックシートというかなり重たいハードルを超えてきてる実績とかもあるので、そこを使って彼らのフロント側のシステムをAWSに乗っけていくみたいなこともやっていたりするんですよね。そういったところで入りつつ、「じゃあ業務システムのところもこの際変えませんか?」ということで、金融インフラが出てくるみたいな感じです。
吉田:そういうことなんですね。そうすると、今後もMoney Canvasみたいな案件も増えていく感じなのでしょうか。
林:相談はかなり来るんですけど、結局それだけで終わっちゃう案件ではなくて、これが戦略的に金融インフラやデータ解析に繋がるところを狙っていきたいです。
例えば最近だと、Snowflakeさんと連携して、オルタナティブデータを展開するだけじゃなくて彼らのデータ分析の基盤もやっていこうみたいなところで初めていたりします。その案件だけで例えば「こういうフロントサービスが作りたいです、終わり」っていう話だと僕らは受けないんですけど。そこからもうちょっと深いところに入っていけるとか、そこから他のお客さんの金融インフラの導入に繋がるみたいな話があればやるみたいな感じですね。
吉田:なるほど。確かに事業間のシナジーが活かせるところもあるし、実際クレディセゾンさんとかセゾン投信さんも、データ解析や金融インフラの領域で色々一緒にやっている中で、「これもやっていきましょう」みたいな感じになったりしたのかなと思っていました。
林:そうなんですよ。クレディセゾンさんは証券インフラの領域でセゾンポケットを導入してもらい、そこからうちのデータを用いて商業不動産の分析をやったりした中で実績を買われてセゾン投信さんのリプレースもやらせていただいたという感じなんです。
結局日本って、まぁまぁ大きくてオンラインにもプレゼンスがあるいわゆる伝統的な会社がいっぱいある国じゃないですか。で、そういった伝統的な会社って、大体コングロマリット化してるんですよね。そこの中にうまくどこかの切り口で入ると、実績が買われてそのグループの中で展開しやすいんですよ。例えば、Money Canvasだって、事実カブコム証券とかと連携しているわけじゃないですか。そうすると、カブコム証券からしても、「Money Canvasが連携しているFinatextだったら相談しやすい」となりますよね。そういう形でネットワークを広げてくみたいなイメージです。
ただ、これはせっかく皆さん聞いていただいているからこそ言えるんですけど、最初からこんな綺麗なグランドデザインができたわけじゃなくて、結果としてそうなったって感じですね。最初から狙ってソリューション事業をやって、データ事業をやって、それからインフラ事業をやって、3つ合わせてうまくシナジーを効かせていくということを描いていたわけじゃなくて、お客さんのニーズを浅いところからどんどん深いところに入っていく中で、たどり着いたって感じですよね。
ビッグデータ解析事業
吉田:ありがとうございます。これは非常に興味深い話でした。
次にビッグデータ解析事業のところについてお伺いしていきたいなと思うんですけど、これはいろんなデータホルダーの方々と連携をして、そのデータを御社の方で加工して使いやすい形にして、機関投資家の方や行政、企業向けにもやっていこうとされているということでしょうか。
林:そうですね。これよく使う表現なんですけど、データってやっぱり原油なんですよね。ローデータはあくまで原油で、石油になって初めて車で使えるじゃないですか。だから、データにも価値はあるんですけど、それをうまく加工して洗練させてソリューションにしないと使い物にならないんですよ。だから、僕らってある意味データホルダーではないが故に、いろんなデータ解析のノウハウとか技術があるので、データホルダーである彼らとデータの知見を必要とする誰かとの間にうまく立てるっていうのがあるんですよね。
なので、それがたまたま最初うまく機関投資家に刺さって一気に広がったんですけれども、この知見は事業会社にめちゃめちゃ活かせるねということで、ある程度投資家向けのビジネスが成長したっていうのもあるので、もっと事業会社にも展開していきたいというフェーズですね。
企業向けサービスの注力領域
吉田:ありがとうございます。そこの事業会社のところで、以前住友商事さんとの事例で不動産向けのテナントとか商圏分析を出来るようにするみたいな話があったと思うのですが、当面はデベロッパーというか不動産領域の企業さん向けに注力されていくっていう感じなのでしょうか。
林:そうですね。足元注力しているのは不動産領域ですね。これには理由がありまして、不動産って、業界全体としてそもそも予算感がかなり大きいんですよね。
あと、データ分析をして差別化しようと結構真剣に考え始めている業界を結構狙っているところもあります。なので、僕ってこんなキャラですけど結構手堅くて、周辺領域をやるんですよ。例えば、同じデータを使って似たようなお客さんに何か支援できないか、もしくはデータは同じだけどそのお客さんのもっと深い課題を解決できないか?とか。
実は不動産って全然飛び地じゃなくて、似たようなデータ分析をちょっと変えて提供しているみたいところがあるので、そういうふうに広げていくことができて、且つマーケットが大きいという理由で不動産にしているという感じです。
不動産領域におけるデータ活用
吉田:なるほど。ありがとうございます。
あと、御社の決算資料を見ていると、テナント分析とかはエリアでどういったものが売れてるのかとか、どういう人が来ているのかとかそういうのを基に、「こういう店を入れていくのがいいですよ」みたいなのを、デベロッパーさんに提案されていくみたいな感じだと思います。ここは何かある程度イメージしやすいのですが、CRM分析とか集客と書かれているところは、どういったものをイメージされるのでしょうか。
林:僕らはJCBさんとクレジットカードで連携していますが、例えば、テナント分析をしてこういう人を呼んだ方がいいよねということが分かるわけじゃないですか。そうなるとこういうセグメントでターゲティングして、何かしらプロモーション施策も出来るよねという話です。
つまり、「データ分析してこんなことがわかりました、なるほどそれは参考になりますね」だけだと取れるお金、手数料は一部なんです。最終的に「テナントってこういうのがいいですよね。じゃあもう僕らがテナント説得してきますよ」っていうところで支援したりとかもやっていこうとしているイメージです。
これは全てのビジネスで言えますけど、結局深いところの課題を解決しないと当たり前ですがお金はなかなか出ないじゃないですよね。
吉田:たしかにそうですね。でもそうすると、各業界への知見があって、クライアントさんともコミュニケーションがうまく取れて、筋のいい提案とかコンサルが出来るみたいな人が今後は必要になってくるのでしょうか。
林:まず、お客さんの仕事だけを取ってくるみたいなメンバーはうちにはいないんですよ。なので、今の時点で言うと、プロダクトの開発に携われる人がそのまま営業とかBizDevをやるっていうのが多分一番理想なんですよね。
そうなったときに僕らの今までのやり方全部そうなんですが、ある程度キーになるお客さんを落としていくことが重要なんです。例えばソリューション事業だったら三菱UFJ銀行って申し分なさすぎるじゃないですか。あと不動産業界でも例えば東急SCさんとか住友商事さんとかそういったかなり大手のところでまずはしっかりその人たちに満足いくような分析とかサービスをすると。そうなると、その実績を引っさげて色々なところに行けたりとかするので、あんまり営業で頑張るっていうよりかは、まずはキーになるお客さんを満足させて、そこの横展開をしていくっていう感じですね。
ビジネスモデルについて
吉田:なるほど。そういう感じなんですね。ありがとうございます。
ちょっと質問の順番が前後しちゃうんですけど、ビジネスモデル的なところで、データホルダーの方々に対してはデータを使わせてもらっている利用料を払っているみたいなイメージなのか、レベニューシェアみたいなイメージなのでしょうか。
林:両方あります。僕らのパートナーって、お金を支払ってくれる方だけじゃなくて、データを連携してくれるデータホルダーさんもいるんですよね。彼らがデータ連携をしてくれるからこそ、僕らがそれを使ってマネタイズ出来たり、より利活用出来る。なので、ある程度ビジネスの規模に応じてデータホルダーの皆さんにもしっかり対価をお支払いしているというイメージですね。
金融インフラストラクチャ事業
吉田:なるほど。ありがとうございます。
最後に金融インフラストラクチャのところが今メインの事業かと思うので、ここについて色々お聞きしていきたいなと思っているんですけど、まず、証券インフラのところはBaaSを提供されていて、DWMと組込型投資が存在していると理解しています。
林:そうですね。DWMは富裕層向けのデジタルサービスっていう感じで考えてもらっていいです。例えば今うちはファイナンシャルスタンダードさんという結構大手のIFAとやらせていただいているんですが、多いときは1日で数億円デジタルだけでお金を入れてくるお客さんもいます。
組込型投資っていうのは、例えばセブン銀行さんとやっているように1人当たり1,000円とかで株が買えるみたいなサービスで、そういった感じのすみ分けが行われています。スマートプラスといううちの傘下の証券会社が業務を引き受けてやっているっていう点では一緒です。
運用パートナーからの引き合いについて
吉田:ありがとうございます。DWMのところで運用パートナーと販売パートナーっていうのが資料上でも書かれていると思うんですけど、運用パートナーを増やしていくことが結構肝になってくると思っています。今ここに関しては、新NISAが始まる関係で資産運用系のサービスを作ろうとする機運が高まり、引き合いがかなり増えている感じなのでしょうか?
林:そうですね。なので今期は結構証券インフラが伸びると思います。やっぱりNISAってもう日本最後の投資促進の施策なんじゃないかってくらいすごいじゃないですか。これで逆に証券業界とかに携わる人がうまくニーズを取り込めないと、結構厳しいと思います。だから、まずは大手とかがこぞってやっていき、その後中堅とかがどういうサービスを展開していくのかなという流れを想定しています。
今年はやっぱり、新NISA解禁のタイミングに合わせてよーいドンで提供したいっていう人のニーズが結構旺盛です。実際、セゾン投信もリプレースしようと思ったきっかけはおそらく新NISAに向けてだと思うんですよね。なので、そういうところが今年はある程度旺盛ではありますが、来期以降も第2波第3波がどんどん来ると思うので、かなり熱いテーマなんじゃないかなと思っています。
案件を選別する基準について
吉田:なるほど。そうしたときに、かなりいろんな方々からやってほしいとういう話が来たらどうしても全てにお答えするっていうのが、リソースの観点から難しいと思うんですけど、案件はどういう基準で選ばれているのでしょうか。御社は従量課金の収益とかもあったりすると思うんで、サービスが本当に伸びるのかといったところも見られたりしているのでしょうか。
林:これはですね、機関投資家にも説明しているところで言うと、まず大企業とベンチャーがいるとしたときに、アメリカのBaaSとかって結構メガベンチャーwithメガベンチャーでやったりするんですよ。例えば、MarqetaとSquareとかAffirmとPelotonとか、日本で言うそのメルカリクラスの会社がいっぱいあるので、例えばメルカリがメルペイやりました。そのメルペイの裏側をMarqetaがやります、みたいなのがアメリカなんですよね。
ですが、日本ってやっぱりどうしても大企業が多いんですよ。大企業が僕らを選ぶ理由っていうのは新しいサービスを立ち上げて伸ばしていくっていうのもあるんですけれども、同時に自分たちのところに既にお客さんがいて、ラインナップがちゃんと整っていて逃がさないみたいな意味合いもあるじゃないですか。そうなったときに、レガシーベンダーに頼んでしまうと非常に高くて遅い、故に難しいみたいな話になるわけですよ。
だから、そういう方々は例えばある程度イニシャルとか月額固定ストックとかをちゃんと頂きつつ、従量課金はちょっと低めに設定するなどの対応をしています。
ただ、やっぱり大企業ってちゃんと予算をつけてくれるんですけれども、こちらもそれなりに当然リソースを充てなきゃいけないんですよ。なので、大企業だけやっていても駄目で、しっかりベンチャーとか伸び盛りの会社と組んでいくっていうのも大事なんです。だからうちはファイナンシャルスタンダードさんやJapan Asset Managementさんとか、ここから伸びていくであろうベンチャーにもある程度ベットしています。そういった方々に対してはむしろ初期費用と月額費用を抑えて従量課金の部分をちょっと多めに取らせていただくということでリスクを取るみたいな形にしています。そのバランスでやっている感じなんすよね。
あとはもう一つ、これはロジカルな話でもないですけど、結局うちって今はまだプロダクトカンパニーなのでエンジニアとかプロダクトとかデザイナーの会社なんですよね。だからそこは結構強いんですけど、やっぱり彼らがワクワクする案件かどうかっていうのも大事なんですよ。経済合理性だけじゃなくて、この案件やりたいか?みたいな話や、そもそも面白そうか?みたいな話もあるんですよ。だからそういうところから総合的に判断してやるっていう感じですね。
ただ、それって別にお断りするというよりかは、リソースの優先順位をどうするかとかどういうタイミングでどうリリースするかといったリリース計画をいじるみたいな話でもあります。
販売パートナーの新規開拓について
吉田:なるほど。逆に、販売パートナーの方っていうのは、今回も今村証券さんとかが追加されたというリリースがされたと思うんですけど、ここも御社の方から営業を仕掛けられているみたいな感じなんでしょうか。
林:というのもあります。例えば、ここで言う楽天証券さんは僕らの方から積極的に営業をかけにいきました。
あとは結局当たり前の話ですけど、僕らにお金をお支払いいただいているお客さん、つまりは運用パートナーだったり保険会社ですけど、その人たちのビジネスがちゃんと採算が合わなきゃいけないじゃないですか。そこのお手伝いをするっていう意味合いも実は大きくて、そこに対して僕らが販売チャネルのところもリーチしておくことで、「うちのインフラを使ってくれればこういう販売パートナー経由でも売っていけますよ」っていう訴求もできるわけですよ。
だからうちって今、フェーズとしては次に行きつつあって、元々は既存のレガシーベンダーの「たかい、おそい、まずい」を「やすい、はやい、うまい」にしていくところが最初に受け入れられたきっかけではあるんですけど、「これを使ったらさらにビジネスも伸びるよ」みたいなところまで提案できたら最強じゃないですか。
そんな中、例えばGAさんと東京海上の例ってすごくうまくいってるんですよね。だか、もちろん全てのプロジェクトですごく儲かるっていう保証はないんですけど、こういう成功ケースがあると他のところもお願いしやすくなりますよね。
既存のSIerに発注したら非常に高くて採算がますます合わない中で、うちに頼むことで採算性が上がって且つ実際ビジネスとしても儲かるとなったら、Finatextにしない理由はないじゃないですか。それくらいまで行ってはじめてリプレイスとかの現実味が帯びてくるわけなので、かなり狭き門だと思います。
システム移管の案件について
吉田:ありがとうございます。今回の目玉のシステム移管の案件について少しお伺いしたいなと思うんですけど、こちらは、元々セゾン投信さんが自分たちで使っていた業務システムを、もうBaaSに移行しちゃいますっていう話ですね。
林:そうですね。大部分を移行するっていう感じになります。セゾン投信さんはそれなりにアセットありますよね。そうすると、当たり前ですけど、「これ、Finatextのシステムに移管して大丈夫なの?」って話になりそうじゃないですか。こんな数十万というお客さんがいてアセットも数千億円あって、そんな中でシステムがこけたら「どないしてくれんねん!」ってなるじゃないですか(笑)だからみんなやっぱりなんだかんだで実績があるSIerに高いお金を払い続けるんですよ。
ただ、「SIerにこんな高いお金払って採算が合わない」と思う人も間違いなくいるんですよね。そんな中で、ある程度リスクを取ってわれわれにベットしてくれるという方からの相談が少しずつ来ている状況なので、これからも少しずつ案件が出していけるんじゃないかなと思っています。
吉田:これでセゾン投信さんの件がうまくいっているみたいな感じになると、他の会社が「うちもうちも」みたいな感じになる可能性もありそうですよね。
林:そうですね。そういう状態になってほしいです。ただ、そうなってくるとそれはそれでなかなか大変なんですよね。お客さん側のリテラシーも必要だし、本当のいわゆる一丁目一番地って多分地銀とかの移管をするみたいな話ですが、これをしていくためには僕らの組織力とか顧客対応力とかがまだまだなんです。そうなってくるとサービスカンパニーになっていかないといけないんですよ。
うちって今はプロダクトカンパニーなので、「こんなイケてるものがあるでしょ。すごい説明書があるわけじゃないし使い方もそんなにうまく説明できないけど、見たらわかるし、食べればわかるでしょ。」みたいな感じなんですよ。だから、今はそれを分かってくれるお客さんだけに提供しているんですが、究極もうちょっと進んでいくと、例えばラーメン屋だってラーメンがうまいだけじゃなくて、店構えが綺麗じゃなきゃいけないし、名古屋と東京のラーメンの味は同じじゃなきゃいけないわけじゃないですか。
つまり、ラーメンの味が美味しいだけじゃなくて、他の要素も含めて総合的にサポートするということが必要になってくるので、そのときは組織の変更が必要ですね。例えば500人〜1000人規模になったときにはもうちょっと顧客対応とかの力をつけていくようにしないといけないですし、そうなってくるといわゆるSIerの人とかももっと入れていかなければいけません。中長期的にはそういうフェーズになってくると思うんですよね。
吉田:そうですよね。これ、巨大な会社になっていくためには組織のトランスフォームが不可欠っていう話だと思うんですけど、それってある意味、さっきエンジニアの方々がすごく熱量が高いって仰っていたじゃないですか。徐々に組織が既存のSIerっぽくなっていくと、そこでデモチしちゃうエンジニアの方が出ちゃうとか、そういったこともあったりするのでかなり難易度が高そうな気がしますよね。
林:はい、難しいと思います。正直言って、日本でこれがうまくいっている事例ってあんまりないんですよ。SHIFTさんとかかなりうまくいっている方だと思いますけど、さはされど仕事はSIerじゃないですか。だから、理想はやっぱりAWSですよね。つまり、めちゃくちゃ強いエンジニアが大量にいて、なんなら特定のツールはどんどん安くなっていって、でもフロントの営業はゴリゴリエンタープライズ向けになっているみたいな。
結局やっぱりSIerモデルだと、規模が大きくなってくるとどんどん間接コストが高くなるので、顧客側が切れると思うんですよね。だから僕たちとしては、AWSみたいなポジションにチャレンジしたいと思いますね。
吉田:そこを目指されているんですね。
林:目指したいですね。やっぱりなかなか人がなし得ないところに行きたいですよね。僕も起業家なので、難しいとか前例ないとか言われると、めちゃめちゃやる気が出ますよ。
エンジニアの採用について
吉田:なるほど、ありがとうございます。志が大きくて非常に刺激を受ける話でした。
エンジニアの方々の採用のところで言うと、今後も継続的にどんどんやっていかなきゃいけないと思うんですが、そこは順調でしょうか?
林:正直言って、余裕というわけではないです。常にエンジニアやいいプロジェクトマネージャーを採用するのは大変ですし、これからも大変であり続けます。ただ、昨年に比べたら格段に採用力は上がっています。その理由はいくつかあるんですけど、一番大きい理由はちゃんと株式市場に出て一定期間経って少しずつ認知度が上がってきているというところです。上場によってある程度「Finatext聞いたことあるよね」となって、その上でちょっと調べたら「何か良さそうだな」と思ってもらえるようなコンテンツも溜まってきました。なので、吉田さんのレポートとかは本当にありがたいんですけど、そういうのが蓄積していってみんな見るわけじゃないですか。エンジニアの方もちゃんとそういうのを読んだ上で入社するところを決めますから、そういう情報がたまってきたというのは一番大きいです。
あと、去年CTOに田島くんが就任してもらったのもかなり大きいです。彼は相当レベルが高くて、まだ若くて歳も33歳とかなんですよ。OSCPというセキュリティーの結構すごい資格も持っていますし、かといってビジネスセンスもあってフィンテックおたくなので、彼をちゃんとオフィシャルにCTOとして雇ったことは大きかったですね。
僕はもともと、CTOとかあんまりそういうのはアサインしたくない派だったんですよね。そもそも上司部下とかタイトルみたいなことすごく嫌いなので。なんですけど、逆に彼をちゃんとそういうポジションにアサインして引き受けてくれたから彼の責任感も芽生えたし、外から見て「この人が一応その技術の最終意思決定者なんだ」と分かりやすくなって採用にもすごく効きましたね。
クレジットインフラの立ち上げについて
吉田:そういうことなんですね。ありがとうございます。
もう一つ聞きたいなと思ったのが、これまで証券と保険とやられてきた中で最近クレジットインフラが立ち上がってきているじゃないですか。シンプルに思うのが、基幹システムを作り込んでいこうと思ったら、かなり裏側の業務の仕組みとか理解しないと難しいなと思っていて。クレジットインフラを普通に「やります!」みたいな感じで打ち出されてから、今回ローソン銀行さんとやっていきますと出されたと思うんですけど、どのように新領域の基幹システムを構築しているのかなっていうところがシンプルに気になっています。
林:いやあこれは気になりますよね(笑)いやもう本当バイネームでうちの会社の「このイケてる人が〜」みたいなところはもちろんあるんですけど、うちって実はエンジニアとかってほとんど金融経験者はいなくて、業務で詳しい人がちょっといるみたいな感じなんですけど、その人の知見を吸い取りつつも、既存を踏襲しすぎない形でゼロべースでもう1回理解しにくんですよね。
例えば、保険とかであればエンジニアが保険業法を読んで保険をデリバティブみたいな形で定義し直していますし、クレジットの面でも、今事業をリードしているメンバーが改めて「与信ってなんだっけ」とか、「債権回収ってこういうふうにしたらいいんだっけ」といったところをゼロベースで理解しているところがあるので、それをある意味自社サービスをうまくかませて理解していきながらやっていくみたいなところですよね。
そもそもエンジニアはゼロベースで理解することが好きで、モチベーションにもなるし、ゼロベースで理解した方がドメイン知識もつきます。逆にレンディングにかなり詳しい人を最初から集めるみたいなパターンもあると思うんですけど、僕らはみんなで理解して少しずつ知見を溜めていくといったことをやっています。
あと、証券も保険もレンディングも共通するところがあるんですよ。考え方とかアカウントの持ち方とか、そういった形で共通するところが色々あるので、証券保険の知見を活かせているっていうのも間違いなくありますね。
吉田:なるほど。あと、みんなが学習しに行けるっていうところに、自社でサービスを実際にやり始めてからやるっていうところも結構効いてきているんですかね。
林:そうなんですよね。結構ドッグフーディング(リリース前の製品の品質やUXを自社社員でテストする施策)して自分たちで広告費もほどよくかけてみて、こんなふうにやるんだと理解して、インフラを強くしていくみたいなのが僕らの方法です。
ちなみにクレジットインフラにはすごく期待したいですね。今年はもちろんですけど、どっちかっていうと一丁目一番地である決済とかと領域が近くて、証券、保険、クレジットとどんどん本丸に近づいている感覚なんです。クレジットの領域は市場規模も大きいと思いますし、本当にレガシーなので、僕としてはかなり熱いなと思っています。ということで事業責任者に軽く圧をかけてみました(笑)
IR活動に積極的な理由について
吉田:ありがとうございます(笑)本当に非常に勉強になりました。
あと1個だけ聞きたいなと思っていたのが、弊社が今IRの支援とかをやったりしている関係で私自身他社さんのIRの取り組みとかを結構見ているんですが、御社のIRの取り組みがすごく積極的だなという印象を持っていて。今日もこういったイベントを決算後にやられたりとか、機関投資家向けの説明会も四半期ごとにきちっとされていますし。このあたりのIRを積極的に取り組むところでに、どういった背景とか林さんの考えがあるのかっていうところをぜひ聞いてみたいです。
林:実は積極的にやっているっていう認識はないんですよ。っていうのも、これはエムスリーの谷村さんも言ってたんですけど、僕はこういうIRの場を通じてある種の「自己洗脳」しているんですよ。だから実は自分に対してやっているというイメージに近いんですよ。例えば、「普通にやったら70点だけど、頑張って85点取ります!」みたいな話ってあるじゃないですか。言っちゃった手前「やばい」みたいなところがあって、85点取ります85点取りますと言い続けていると「いやマジで85点取るわ」みたいな感じになってきますよね。人間はストレッチさせすぎるとそれはそれで駄目だと思うのですが、そうやってほどよいストレッチを続けるってことが僕は一番ヘルシーなやり方だと思って、それを意識しながらやっています。
なのでIRも、僕がやりたいことをやっているだけなんですよ実は。だから、決算説明会もIRため、投資家のためというのもちろんあるんですけど、僕自身が四半期に1回そもそもちゃんとやりたいんです。例えば、経営者とはいえども、事細かにビジネスを全部説明することって簡単ではないじゃないですか。そんな中で、発表すること以上にそれを把握することってないですよね。で、こういうTwitterライブとかやるってなると、皆見ているから、ちょっと色々準備したりするわけなんですよ。
つまり、僕がやりたくて、自分たちの業績を上げるためで且つ投資家のためになることっていうのをずっとやっている感覚なんですよね。だからあんま飛び道具をやっているっていうかは、これからも別に放っておいてもやり続けられることをやっているって感じです。
吉田:なるほど。その視点はちょっと初めて聞きました。
林:そうじゃないと株価がすごく下がっているときとか、いいときも悪いときもあるじゃないですか。そんな中で自分がやりたいことをやんないと長続きしないし、結局偉大なことをしようと思ったら長続きさせないと駄目なので。
吉田:こちらの話も個人的にすごい勉強になりました。ありがとうございます。
参加者からのご質問
清水:ありがとうございます。それではこれより、Twitterから寄せられている質問にお答えしてしていきたいと思います。
「ローソン様の店員に対するローンは給与の前払いとはまた別の性質のものでしょうか。 無担保ではあるものの実質、給与を根拠とした範囲での貸出になるのでしょうか。あまりサービスがわからなくて質問させていただいております。」
林:今の時点で言えるのは給与の前払いとはまたちょっと別性質のものです。今後もう少し具体的なところを発表していくので、今しばらくお待ちください。今絶賛やっている最中なので。
清水:ありがとうございます。
次の質問です。「「情報は石油」発言を久々に聴いてホクホクしてます。前回のスペースでは通期黒転予想について厳し目の激励コメントをしてしまい、すみません。今回決算を見て、Finatextチームの強さを実感しました。どの規模までオーガニックで成長し、どこからインオーガニックで行くという今後の戦略はありますか。」
林:まず大前提としてオーガニックでいけるとこまでもちろん行きたいです。Salesforceも一定規模までオーガニックで行ってるんでっていうのはまずあります。このタイミングでインオーガニックで行くっていうタイミングもなかなか設定出来ません。というのも買収とかM&Aって相手あっての話だと思うので。
もちろん、これはすごい機会だなと思ったらそのときに買収するってこともあると思います。私も過去に会社としても買収をやってきて色々うまくいったりいかなかったりとかしたこともあるので、今の方針としては、あんまり大きい買収で「全社運をかけるぞ!」みたいなことは想定していないですね。というのも、そもそも今の僕の経営能力としてそんなPMIも出来ないですし、そういう対象は日本国内にあんまりいないと思います。
なので、今の時点ではなくて、なるべくオーガニックで行きつつ、例えばデータ領域とかで新しくデータを連携するっていう中でそういったM&Aを検討していくとか、ソリューション事業でここの部分が足りないよねみたいなところをとっていくとか、インフラ事業でこの機能を追加したいよねといった小さい買収をしていって会社として能力を上げていくという方針ですね。売上のために買収するみたいなのはやらないかなと思います。
清水:ありがとうございます。ストック収入について御質問が来ております。
「ストック収入について 、今期1Qで減ったストック収入の内訳をなんとなくでも教えてください。」というご質問いただいております。
林:そうですね。これは開示していないので、計画を教えるのはこの時点では出来ないものの、ストック収益については今後もある程度僕らは伸ばしていく方針ではあります。Qごとに今回少しフラットになった理由っていうのはある程度戦略的ではないビジネスを縮小したり撤退したりしたことによる影響があります。金融インフラについてはストック収益が引き続き伸びているのでご安心ください。
清水:ありがとうございます。では質問が以上となります。それでは、以上をもちまして株式会社Finatextの決算アフタートークを終了いたします。林さん吉田さん、お疲れ様でした。