オークス:2400mは未知の距離 (よそトレ#204)
筆者は牝馬戦に注目している。なので、ダービーよりオークスのほうが気になる。(ちなみに、先週のヴィクトリアマイルでは、1着ソダシ 2着ファインルージュ 3着ソングラインと予想したが、ソングラインがわずかに及ばず残念であった。)
ほとんどの馬は2000m以下のレース経験しかない
さて、オークスである。
ほとんどの3歳牝馬にとって未知の距離であり、実績から距離適性を判断することはむずかしい。クラシック路線の馬は一冠目の桜花賞1600mに合わせてレースを使ってくるのが普通である。なので、本来は2400m向きの馬だったとしても1600mの実績しかなく、それを見て予想をすることになる。
過去6年の1~3着馬18頭のレース距離をざっと拾ってみた。
昨年3着のハギノピリナを唯一の例外として、他の15頭はすべて2000m以下のレース経験しかない。いわゆる別路線組(忘れな草、フローラ)の馬は2000mを経験して出てくるが、それが有利とも言えず、1600m以下しか走ったことがない馬に勝てないことが多い。(オークス1着馬の半分はオークス出走まで1600m以下しか走ったことがない。)
とは言え、下図を眺めていると傾向というかパターンが見えてくる。それを予想に活かそうというのが今回の試みである。
スーパーホースは距離は関係ない
圧倒的に強い馬(デアリングタクト、アーモンドアイ)の場合、前走距離は関係ない。というか、2400mで1着になる能力を持っていたが、たまたま1600m超を走る機会がなかっただけ、と考えることができる。
一方、桜花賞を目指し1600m中心で使ってきたが、桜花賞で勝ちきれなかった馬がオークスで巻き返して1着をとるのはむずかしそうだ。巻き返しに成功したのはシンハライトだけで、アカイトリノムスメ、ラッキーライラックは2着3着にとどまっている。
混戦模様の年と2着3着候補は別路線組に注目
スーパーホースがいない年はやはり2000mのレースで実績を残している馬(別路線組)が浮上してくる。
また、別路線組がまったく馬券にからまなかったのは、2018年のみである。
1600mを最初から捨て1800mで走らせ、忘れな草・フローラを経てきた馬が2着3着に入るパターンもけっこう目につく。
今年は混戦模様、とすれば・・・
今年の桜花賞は1勝馬のスターズオンアースが3勝馬を押しのけて勝った。それだけでも混戦模様なのに、まだ実力を見極めきれないキャリア3戦の馬が5頭も出走している。(過去の例でも、桜花賞1着のデアリングタクトは別にしても、ラヴズオンリーユーとビッシュが4戦目のオークスで馬券に絡んでいる。)
1着は別路線組か
3連勝で桜花賞を勝ったようなスーパーホースがいない今年の混戦模様では別路線組を重視することがまず考えられる。
別路線組の筆頭としてあげるべきはアートハウスだろう。エリカヴィータも候補だがマイル路線から転じているため、2000m3戦2勝のアートハウスのほうが分があると考える。
サークルオブライフは総合的な戦績では一番と考えられ、現に一番人気になっているが、上述のとおり桜花賞で勝ちきれなかったことを考えると2着までと見たい。
スターズオンアースは桜花賞1着でもちろん軽視できないし、デビューから2戦が1800mなのは、将来2000m以上で使うことも想定していたのではと思われる。
2着3着候補を選ぶのは迷うが・・・
桜花賞で勝ちきれなかった馬および別路線で良績をあげてきた馬が候補になる。3戦2勝のルージュエヴァイユ、プレサージュリフトがあがるだろう。
あと、7戦3勝と勝率は微妙だが2連勝でオークスに臨むスタニングローズもちょっとこわいところだ。
消しの基準
最初に示した過去6年の1~3着馬18頭で共通しているのは、直前3走で好走している点である。3戦で2勝が当たり前で、例外はユーバーレーベンとクロノジェネシスの18頭中2頭のみである。その2頭も3戦とも3着以内の馬券圏内にはきている。3着に入れなかったのが3回に1回なら許容範囲だが、それが3回に2回だと、そのような馬は過去6年のオークス1~3着馬にはいないということだ。
この基準を適用すると上位人気馬でもナミュールが該当する。ウォーターナビレラも前3走で3着5着3着では評価を下げるほうがいいだろう。逆に、下位人気馬でも前3走で2勝挙げているシーグラスは可能性があることになる。
ただ、別の消しの基準として、キャリア7戦以上の馬で馬券にからんだのは過去10年で1頭しかいないという事実である。この点でシーグラスはちょっと厳しい。
むしろ、チューリップ賞以来の出走となるサウンドビバーチェに穴っぽさを感じる。(チューリップ賞では0.3差の4位でウォーターナビレラより上位、3位のサークルオブライフとはクビ差であった。)
予想のまとめ 本命アートハウス、対抗スターズオンアース
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