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2017年08月01日 12:35 自身と全く無関係なものとして観るなど5つ


自身と全く無関係なものとして観る

 書き物を中座した時、別の部屋のテレビに高校野球の注目カードの中継が映っていたけど、ほんとどうでもいいと心の底から思う。この「ほんとどうでもいいと感じ入る」こと、すなわち、自身と全く無関係なものとして観ること、これが物事を客観的に観ている際の特徴である。人間はこの観方を会得しなければ、己の個体の地獄から脱け出すことは生涯にわたってできない。それどころか自分が個体の地獄に何千周にもわたる鉄鎖で幽閉されていることも気付かないのである。
 この世界ではあらゆる物事が彩りの内の一つにすぎない。【それゆえ真に平等でもある】のだ。
 気晴らしやスポーツ、お金、仕事、服装や容姿、他人との序列づけ、多く所有すること、今日の天気、遅刻しないかどうか、ノルマを達成すること、こうした物事があたかも自分にとって本質的で切っても切れない重要なものに思えるのは、まさに本質的なことに気付いていない閉塞から来ている。
 そしてまた、世界を客観的に観ることを始めたとき、真に重要なもの、すなわち本質的なものが、おのずと観えてくるのである。なぜかというと、個体という、一面的な局限された見方であるフィルターが外され、世界のがんらいのありさまが開示されるためなんだぴょ~ん。


何もない

今週はまるまる何もない。いつもは畑に縛り付けられているので(6月は閃きでナガノに行ったけど)、今週は過去に行ったところや閃きを感じた所を色々訪ねようと思う。
きょうは避祭して尾花沢~鍋越峠。例の長命の水も汲んで来た。工事がほとんど終わっておった。
帰りに寄ったH書店にて薬草の本など。書店にて「早池峰山」の文字が目についたので、明日は早池峰山の方へ行こう。
遠野に行って銭湯に入ろうと思ったけれど半日では戻れないと解り一関から平泉を廻って来た。
明日は峠か小国。当然台風に向かって行く。

きょう(上の明日)は、二井宿峠から米沢のデントコーン地帯と工場団地をかすめて峠。峠の茶屋で昼食を食うことと定めた。グーグル地図の画像一枚のうろ覚えで行ったが、工事の誘導員のおっちゃんに訊いたりして無事に行けた。板谷まで行けば大丈夫。ただし板谷以降は離合が全般で困難なので運転は困憊する。板谷自体が半分以上廃街になっていて、往時の体育館や人家は看板には気圧されるものがある。
さらに電車のスノーシェッド上を道路が渡るのが一層印象深い。板谷から5.8km(表示による)で峠。峠の茶屋がある。

入り口に峠の力水が湧いている。うまい。うますぎる。今のワイがいちばん好みの湧き水の味だ。もっちりしている。ここに限らずうまい水は舌に吸着してくる目の細かさのような感触がある。茶屋は異様な山奥に一軒だけ佇んでいる。世捨て人の住まいというより、町の食堂がテレポートして立っているような、一つの立派な異世界感。というのも国鉄時代には80人の集落だったと聴けば納得で、徐々に周りが去っていき今は茶屋だけが残ったという成り立ちであった。「何か(たべるか?)」と言われ「何か温かい汁のようなものを」と言うと「じゃあ雑煮だな」と言い、山菜汁の雑煮を出してくれる。
うまい! 餅の歯応えと、餅の内部から広がる米の青く甘い香り! こんなうまい餅は30年ぶりくらいに食べた! 米沢米で毎日搗いているという。もし米を知らない昔の欧米人がふらりとここで雑煮を食べれば、ここの店の餅を、「とても充足感があり無限に腹の奥から力が湧くような、まるで固い生クリームのような食物をを食べた」とでも言うかもしれない。
かの幽明(有名)な「峠の力餅」もここで販売している。
新幹線の車内販売や米沢のデパートで売っている同名のものは米沢で作ったもので、新鮮な搗きたての餅を使った本物の「峠の力餅」が買えるのは峠の茶屋だけである。1パック買って帰った。うまい! 
が……。餅の柔らかさや歯応えは素晴らしいが、自分の好みからは、餡子に餅の香りがやや消される感があるので、峠の茶屋の一番の餅は雑煮等の塩っぱい餅かもしれない。たぶん、実際に歩いて峠を登って来たら、このくらいの甘さがいちばんおいしく感じるのだと思う。
訪問者ノートにも印象を書いてきた。


清里

清里方面に小旅行する。途轍もない大雨、まさに家に落ちたかと思う雷。へそが震える雷で目が覚める。集合の駅に行くと駅舎が新築されていて「何やこれ……異世界に来たのやなあ」と思う。
当日は、2700メートルの山に12時間かけて往復。
次の日は、清里でライブと、滝の下でごはん。
清里駅前は宇宙人と地球人がごく自然に一枚の構図に収まっていてSFを越えていて笑いにもならない。「はい自然ですね」という感じ。ジャージー牛乳ソフトのうまさがうまい。
八ヶ岳の後、あずさ13号でトーキョー方面へ、直感で立川で下車。名前はトーキョー時代に西武線アナウンスでよく聴いてた拝島へ。
西武新宿線に流れ込み、萩山から東村山、東村山からこれも直感でシン・トコロザワへ。この街の商店街は、現在に未来がある風情。よい映画の中を歩いている構図と緊張感。しばらく歩いていると、いつか行ったJR所沢駅に。そうか~、ここに着くのかー。所沢某ホテルにて宿泊と洗濯。宿の場末感は旅の息抜きと次なる飛翔への屈み込み。
起きて朝は直感により、東武かもしれない謎の線で和光市へ行き、これも直感の月島へ。一旦下車して隅田川を渡り、すぐまた月島から大門。ここから羽田に直行。羽田で野菜カレー。あとずんだシェイク。トーキョーではじめてずんだ茶寮を食べた。これは世界に誇れる味かも。八丈島へ。


八丈島

八丈島では底土の宿、海まで30メートル。この後毎日通うパン屋とスーパーの位置を把握、この夜は就寝。
翌日から二日間は隣の民宿の目力の強いおっちゃんから原付をレンタルし、島内探検へ。
島内の観光地がそこそこの感動を与えるのは分かっている。だが観光地は人間の集まりにより真のオーラは奪われている。当然わたしが得たいのは観光地以上のモノだ。そのモノに会うためにも観光地を最初に消化しておかねばならない。
原付ツアー初日はあさぬまのベンチで、地元から持参のスコーンを食べて朝食とし、まず八丈富士。外輪山と八丈小島が印象的なお鉢巡りを終えて下山までで3時間。
その後は島内一周道路を時計回りに進みつつ、目ぼしい処を漁る。
観光地としての八丈島に相応しい形容は【アリアハン】であろう。この島には冒険の要素と本質とが全て揃っている。しかも最小限で揃っているのが実に感動的だ! 八丈には、沖縄のように観光地として洗練されメタゲーム化していない、原色と原点のゲームがある。
三根に至る前には巨大な廃墟が。わたしの八丈島への印象はこれが象徴している。沖縄でもハワイでも中東でもない。これが八丈という世界観だ! アクトレイザーというゲームのマラーナを思わせる。
登龍峠、みはらしの湯、汐間のすさまじい崖と湧き水と、自生するサトイモ、えこ・あぐりまーとと島瓜、断念した黒砂砂丘、大坂、玉石垣、八重根、南原千畳敷、その後スタート地点に到達し一周終了。
あ、あと島寿司。あしたばパン。道端にあしたば。苦いなー。
次の日は観光マップに(大きくは)載っていない道へ。
これからが本番だ。
枯れ川、峠の鞍部、登頂はしなかった三原山、石碑、小池大池、身に起こった不思議なできごと。現象界が溶けて本質と混ざりだす。
中食は八丈カレー。
前日せっかく八丈富士に登ったものの、火口の中の浅間神社と中央火口丘を見落としていたことに気付き、今一度。清里から先、山に登ってばかりいるな。
冥界へと落ち込む小穴を背にした浅間神社。方向と注意を失わせる、湿り曇ったジャングル。火口丘に到達するも、頂上から見渡せた火口湖には行き着けず。すげえよ八丈富士。この島の日差し、湿気、植生。観光地が好きな人は、この島についてはどうだろう。
この島は世界の表れ方がまったく生々しい。人間の生活、植物と土と生物の生活、それがいっさい遮蔽されずに見せ付けられている。
ここは精霊と悪霊の島なのである。
下山後、黄八丈のお店。歴史民俗資料館とビジターセンターを画策するも原付の時間が迫る。ビジターセンターのみに。だが目的のキョンに行くには時間が足りず撤退。
大坂を登りふれあいの湯、広陵の決勝戦のダイジェストが流れていた。
ひとつ言いたい。三原林道は凄かった。
連日のパン屋ブーランルージュ、あしたばパンが切れているとは……! 
だがこの日の日中の境目で行った地熱館~えこ・あぐりまーと(再)にて買っていた、あしたばパウンドケーキがある。
宿にて長野の野球人と喋る。
次の日は空港。
長野の野球人は空港にて青ヶ島へのキャンセル待ちしていた。
わたしも次は行くよ。青ヶ島にな……。
八丈島乳業のジャージー牛乳アイスは清里よりすき。ジャージー系の最高峰と感じた。
飛行機にて東京へ。(八丈)島から(月)島へ。一本線鉄にて浜松町。電車を乗り継いで、むかし住んでいた上石神井に行くと、駅の周辺は様変わりし、当時のおもかげはないのであった。ヴィドフランス、茶屋、デリピザ、SEIYUくらいしか残ってなかったゾ。
その後、帰宅。
わたしの中で流れていた音楽。八丈島ではスタ→トスタ→と深層マーメイド。トーキョーではPoodlesのBefore I Die。帰りはThe Shattered FortressとThe EscapistとProphet of the Last Eclipseときゅんっ! ヴァンパイアガールと、〆が風花。
現象界旅行記おわり。


旅行の追記と島瓜

去年八丈島農協さんに頼んで送ってもらった島瓜から、今年育てた最初の世代が、やっと収穫を迎えた。
今年、なぜ八丈島に行ったかというと、もともと島瓜に興味があって、島瓜を育てたことで、島にも興味が広がったから。
極端な交雑はしないと予想してゴーヤと隣に植えて育てたが、来年はどういう味ができるだろうか。島瓜の特性を持ったまま、よりよい品種になってもらいたい。画像で比較に置かれているのはレモン。
トップ画像は八丈原産東北育ちの島瓜。(たぶん県内で島瓜を栽培しているのは私一人だろう)


-参考資料-

ご赦免料理
http://www.kaifusha.com/column/
八丈島のシマウリの話
http://fe-tetsu-iron.blogspot.jp/2012/08/blog-post_31.html

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