便利を手に入れない気持ちよさ
今週自転車を、買いませんでした。
変な一言から始まったな〜と思われるかもしれません。
noteを書く時には、もっと違う書き方から始めるものでしょうから。無印良品の新しい製品を買ったとか。100円ショップの便利グッズがおすすめとか。私も普段はそういった投稿テーマを書くことが多いです。
ですが、なにかを手に入れる経験とは反対の経験もあります。
手に入れないということ。いったん頭の中で、自分の持ち物にしておいて、想像する。そして実際には、買わないという選択をします。
一見何もしていないので、他の人からは何もしていないように見えます。
しかし、これが違うんですよね。頭の中では、手に入れた後のことまで考え終わっている。いわば妄想家です。
今回は自転車でした。しかも電動自転車。利点はレンタルした時によくわかっています。走り出しがスムーズ、巡航速度は(特に坂道では)人力と比べるべくもありません。なによりこれまで持っていた自転車と違う体験ができます。
さらに今回思い立った理由が副業です。今月から配達サービスのWoltで働く予定なので、自転車のちからが必要です。
オンライン通販サイトで、ちょっとお高めのパナソニック製の電動自転車をカートに入れる・・・所までは足を踏み入れました。この時の心境は初めてパチンコ屋さんやカジノの自動ドアの前に立った気分です。
しかし、最終的には買わずに済ませました。パチンコ店の喧騒を背後に、去っていったのです。
どうしてか。
それは、電動自転車を所有するという楽しみや利便性が、その一瞬だけじゃないか?と比べてみたからです。
では何と比べたのか。
それは、その一時の楽しみ以外のことです。
例えば、購入した時の支払い。安いものでも8万円くらいします。
そして、オプションパーツや、保険料などの毎月の維持費や修理費。
加えて、メンテナンスの時間と手間も発生します。
ダメ押し。目に見えない保管場所という考え方も出てきます。それをおいておく場所にも、家賃は発生します。
便利なモノを手に入れるという喜びと、それを手に入れなければ手に入る(失わない)自分の時間と便益。
それを天秤にかけた結果、買わない事に決めました。
こういう時にとても役立てているマインドセット、考え方があります。
(余談ですが、マインドセットというとかっこいいですよね。「人を動かす」の著者デール・カーネギーや、「7つの習慣」のスティーブン・R・コーヴィーさんを彷彿とさせます)
さて、その考え方は、
「今までそれがなくてずっと困っていたか?」
「別のやり方はないか?」というものです。
「ずっと困っていたか」
単身赴任を始めて5年が立ちますが、これまで電動自転車が無くて困ったことがありません。そういった事態にならないように、喧騒を我慢して町中に住んでいるのも理由かもしれません。
「別のやり方はないか」
これは経験済み。レンタル自転車を1日借りるだけで今回の目的は達成します。配達の仕事の時は、その当日だけ借りればいい。そうすれば余分な出費や、メンテナンスの手間も省いて働けます。
自分と息が合った100点満点の電動自転車を持ちたい。そう願いさえしなければ70点の自転車は15分単位で自分のものになるのです。
「吾唯足るを知る」(今すでに足りていると思えば、欲は出てこない)の心です。
ほとんどのものは、無くても困らない。スタージョンの法則のようです。
そして、歩くより速く移動する手段はいくつもある。自分のライフスタイルに合うものは、必ずしも電動自転車を買うということではありませんでした。
こういった訳で、今回は電動自転車を、買いませんでした。
日頃、買うもの、手に入れるものだけ考えてしまいがちですが、その裏にある行為も同時に考える。
所有しない。クローゼットでホコリの巣になっているものは手放す。これらもいっしょに考えると、バランスのいい生活に近づけると信じています。
ご一読ありがとうございました。
今日もバランスのいい1日をお過ごしください。