野菜作りは土に汚れてプロジェクトマネジメントを学ぶ機会
おはようございます。前回に引き続いて、家庭菜園から学んだことシリーズ第2回です。
初夏に入り、野菜と向き合う時間が増えると、野菜を通じて気づくことが多くなります。
今日は野菜から学んだ、プロジェクト(短期的な仕事の段取り)の要点をまとめてみました。
野菜作りに挑戦すると、地に足がついたようにプロジェクトマネジメントの流れを納得できる。
これが今回一番言いたいことです。
デスクワークが多い立場で働いているので、普段から外に出ることは少なく、会議の時も、半分以上はディスプレイに向かって話す環境になりました。
おかげで取引先に行く機会は半減。外出ついでに美味しい外食を楽しむチャンスが減ってしまったのが残念でしょうがありません。
そんな中よく関わるのが、期間やメンバーを限定した、プロジェクトという仕事です。
プライベートの野菜作りと、仕事のプロジェクトが一体なんの関係があるのか?と、一見思われるかもしれません。
ですが、野菜を育てるために手足を動かしてみると、
「普段頭の中だけで計画しているプロジェクトを、手で直に仕事に触れている」感覚になるのです。
「誰でもやっている」プロジェクトマネジメント
まずは、プロジェクトとは?そのマネジメンㇳ(管理)とは?という言葉の意味から振り返ってみます。
※詳しい方はここからの一段落は読み飛ばしてもらって大丈夫です。
プロジェクトの定義は、職場での仕事のうち、
「期限が決まっている」
「明確なゴール(成果物)がある」
「メンバーが一時的・限定的である」
これをプロジェクトと呼んでいます。
普段、職能部門制、営業部とか、経理部とか仕事によってグループが分かれている、特に日本国内で多い組織体系、で働いている場合には、
「期限は無限(在籍する限り)」
「ゴールが決まっていない場合がある」
「メンバーも(異動・退職しない限り)恒久的に同じ」
という働き方をしていると思います。
プロジェクトと通常業務の差はとてもわかりやすいですね。
そして、このプロジェクトというワード。
仕事についた最初の頃は、あくまでビジネス用語の1つとして使っていました。経営や、仕事をする上での働き方の一種だと。
しかし、その定義や考え方を学ぶにつれて、普段の生活でも自然にやっていることだ、と考えを改めます。
1つの例として、家族と夏休み旅行に行く、という計画を立てる場合を振り返ってみます。
「期限は夏休み中」
「ゴールは、普段行かない観光地で子供に初めての経験をさせること」
「メンバーは家族4人」
こんなふうにプロジェクトの枠組みで条件を揃えることができます。
家族旅行は特にいい例で、「予算管理」や、「移動方法」
「宿泊先の手配」といった項目も多く、まさにその時限りのプロジェクトと呼ぶにふさわしい家庭のイベントだと思います。
今いくつか、プロジェクトを考える時の要素を使いましたが、
私の知る限りの知識範囲で普段考えている切り口は、以下のようなものがあります(おそらくもっとありますが、頭の中ですぐ浮かぶ量にしぼってみました)
いつから始めて、いつ終わるのか(期限)
何ができていればいいのか?(成果物)
誰がどんなことをやるのか?(メンバーと役割)
どうやって決めるのか(会議方法・決裁者)
お金はどのくらい払うか(予算管理)
事前に思いつくうまくいく理由、失敗しそうな理由は?(成功要因・失敗要因)
うまく行かないときはどうするか?(対策・中止の条件)
列挙すると、うわ〜となる数ですが、どれも大事。
実際始めてみるとこのあたりを抑えているか、いないかで、プロジェクトが成功するか、頓挫するか、その後の結果が大きく変わります。
ちなみに、私がプライベートでよくやる失敗は、4番の決裁者。
家族と食事に行くときや、お休みのお出かけの時です。
思わず、自分本位で決めている時があるんですよね。
今日はカレーが食べたいなぁとか、隣町の公園でラベンダー祭りやっているから見に行こうとか。
そうすると、ほぼ確実に、奥さん、娘から反対されます。
こっちも行きたい場所があるのに。場所の良し悪しではなく、何自分勝手に決めてるの!という非難です。
結果、意見は通りません。
もっと休みの日について、金曜日の夜に話し合っていれば。つまり前もって協議していれば、ラベンダー畑とはいかずとも、もっと近くの公園には足を運べたかもしれません。
私が帰宅した途端に、プロジェクト「マネジメント」をいかに軽視しているかバレてしまう悪例です。
知っていても、やっていなければ意味がないのです。
野菜を育てるときは、プロジェクトマネジメント的に誰もが考えている(はず)
プロジェクトはプライベートでも実践している。これは家族旅行だけではなくて、野菜作りにも当てはまります。
むしろピッタリ。四季という環境変化が著しい日本にとっては、むしろ期間を定めたプロジェクト以外ではできないのではないでしょうか?
タイミングを見計らわないと、美味しい野菜は到底楽しめません。
先ほど並べたポイントをそのまま使って説明してみます。
・成果物は何なのか?
野菜を育て収穫し、美味しくいただくことです。言葉の中に「果物」という文字が入っているあたり、むしろこれこそが成果物そのものです。
・いつから始めていつ終わるのか?
野菜によって、はっきり決まっています。例えばミニトマトであれば、GW前に土作り、事前準備をはじめて、秋の初めである9月頃に収穫を終えます。
反対に、炒め物の隠し味、にんにくを育てる場合には、9月頃に植え付けを行い、6月頃に収穫します。
また、この時期も北海道や東北といった寒冷地か、それとも西日本のような温暖な地域によっても少しずれてくるそうです。私が住んでいる長野は朝が寒いので寒冷地よりですね。
・誰がどんなことをやるのか?
主担当は私、不在時は奥さんが代わりに世話をしてくれます。水やりだけだったら、長女もたまに協力してくれるかも。
土作り→苗の購入→植付け→支柱の組み立て→水やり(定期)
→脇芽摘みと追肥→収穫と施肥・・・
これを作業によってはGoogleのカレンダーに登録します。追肥であれば、二週間に一回、土曜日にスマホにリマインドが流れる、といった風です。
他のポイントも文字にできますが、わかりやすい3点ほど列挙しました。成果物(野菜)のためにいかに計画が大事かが良くわかります。
2年前、まだ家庭菜園レベル1のころは、植え付け時期が適当。
ミニトマトを3月に植え付けてしまい、少し遅い積雪で全滅させる、なんてことがありました。
ミニトマトが雪で埋まって見えなくなるなんて、なかなか見れるものではありません。その後すぐに枯れていく姿は見ていて辛かったです。
まさに「時期を誤り、さらに天災に見舞われた」プロジェクトの失敗例となりました。
ですが、今はそういった経験を経て、「長野県でミニトマトを植え付けるなら、GW後がいい」と計画を立てられるように。失敗は次なる成長につながります。きっと。
冒頭で、「普段頭の中だけで計画しているプロジェクトを、手で直に触れている」感覚と書きました。
この理由は、先程の失敗の例のように、家庭菜園というプロジェクトの成功、失敗が、手で触って、目で見て、匂いで感じ取れるためです。
逆をいうと、仕事上のプロジェクトというのは、分かりづらい。
「きづいたら取り返しがつかない事になっている」ものなんです。
それはなぜか。あまりに失敗が多いからですw
会社によってもちろん差はあると思いますが、お恥ずかしながら自分の勤め先では、まだプロジェクトという考え方や、その管理方法が浸透していません。
その仕事をプロジェクトだと認識していない。
なので、成果物や期限なども意識が浅い。
結果的に、外からみて「あっ、失敗しているな」と思っても、その自覚がない。そもそも何が成功か決めていないですからね。
これに比べると、家庭菜園のなんとわかりやすいことでしょうか。
苗を植える時期を間違えたら。雪が降ってしまったら。水をやり過ぎたら。
何をしても、苗は枯れます(失敗)
これは誰の目にも明らかな結果として伝わります。枯れている野菜を、「枯れてない」とは言えません。
さらに野菜を作る目的が、「食卓で食べること」「(農家の方にとっては)収穫して売ること」と、限られているからこそ、より一層机上の仕事よりもわかりやすいのかもしれません。
以上。長々書かせてもらいました。今回のメッセージはこの1つ。
野菜作りに挑戦すると、地に足がついたようにプロジェクトマネジメントの流れを納得できる。
ということでした。
プランターや露地植えといった規模に関係なく、野菜を育てる楽しさ(美味しさ)はプロジェクトを学びたくなる良いきっかけになります。
ベランダにまだスペースがある方にはぜひオススメしたい趣味。ぜひお試しください。