#17 尖った靴
神奈川県の横浜でパーソナルスタイリストをしています、Caoliです。
パーソナルスタイル=おひとりおひとりへの「似合う」のご提案をしています。
尖った靴が好きです。
合わせるのがデニムでもスウェットでも「外に出る気で出て来てんです」と宣じるようなキレがありませんか。浴衣に白衿白足袋を合わせるような「お出掛け着です」という圧力とも言えるかも知れない。
とはいえ足の特性上、ロングノーズになる程に鋭角だと歩けやしませんが。
あと男性が履いているロングノーズは、どちらかというと嫌いです。理由はまだ分析できていないけれど。
#KuToo なんて問題もありましたし、他人がヒールを脱ぐのはなんとも思いません。でもポインテッドトゥのハイヒールでしか得られない栄養があるので、私は好きだし履きます。
でもそれは自己満足のためであって、異性の為でも業務上のステータスのためでもありませんから、義務化しようとする流れが来たら猛反発すると思います。一方では取り上げないで欲しいとも思うのです。
数センチだけどヒールを履いて踊る男性社交ダンサーは、そのコストを尊重してくれるような気がしています。その靴で立ってるのがまず偉い!と思ってくれているのが分かる。
数センチ延びた脚と、つられて正される背中にどれほどの価値があるかは人それぞれだけれど、男性もヒールを履いてみてから意見を口にした方がいいよとは思いますね。想定外の満足感を覚えるかも知れないし、逆にコンプレックスが膨らむかも知れない。
矢印のように尖った爪先の形が与える印象は、こんなところでしょうか。
カジュアル感よりきちんと感
若々しさより大人っぽさ
温かみよりクールさ
曲線よりは直線
柔らかさよりは硬さ
私は、小柄な身体や幼く見えがちな顔立ちを強く印象づけたいとは思っていないです。
若い頃から、「化粧っ気が強くないのに目力あって背が高く気の強そうな人」が憧れです。年をとるにつれて「嫋やかでいつも微笑んでいる高嶺の花」タイプもスコープインしましたが、いずれも射程には来ませんね。
どちらも大人びた顔立ちが要るのです。
彼女らが着そうな服を私が纏うと、息巻く仔犬がキャンキャンと吠えてるような雰囲気になります。それを避けるためには、顔立ちに合わせた要素と上手に混ぜて馴染ませる作業が要るのです。
幸いキレイめ素材が似合う立体感のある胴囲と、マット肌がパサついて見えない色素を持っていますので「キチンとした大人のスンとすました佇まい」に、色んな要素を少ーしずつ寄せます。ひとつでガサーっと寄せると私自身とズレすぎて違和感まで行ってしまうので、少しずつ、少しずつ。
キレイめ素材をリラックス感のあるサイジングで纏う。
きちんと感のあるセミマット肌にはピンポイントのハイライトでカジュアルダウン。
アイシャドウは丁寧に暈すけれど実はポップめなカラー。
似合うを外さず好みから離れ過ぎず、その塩梅は人それぞれだし、正解はこうとは言えないのですけれど。「好きが似合えば最高じゃーん」と思うので花占いのごとく、ちまちまと、行ったり来たりしつつパンプスに足を入れるのです。
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