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#18 コーデの文脈

神奈川県の横浜でパーソナルスタイリストをしています、Caoliです。
パーソナルスタイル=おひとりおひとりへの「似合う」のご提案をしています。

FPSSパーソナルスタイリスト講座第17期が基礎講座に入りました。
10月末に入門講座の集大成のスタイル発表会があったのですが、そこでのフィードバックに思うところがたくさんありました。

私個人に向けたものだと

  • 色がまとまっていている(やってみたいとか自分でも着られそうとか)

  • 脚に自信がないと無理(まぁハーフパンツは好みあるよね)

  • 色が地味(華やかさはテーマに持ってこなかったしね)

  • 子供っぽい(親しみやすさとトレードオフ、と言っていいものか)

  • プロっぽくない(プロっぽいの定義から欲しいところだけど)

  • 汚れてもOKとか室内に入ったらアウターを脱ぐ前提とかが考えてあるのがよい

  • 先生からの講評は「持っていきたい印象、雰囲気にもっと寄せられる」「各アイテムが加えてくるニュアンスを全部拾って検証する過程が不十分」て感じかな

などなど。目についたキーワードは「まとまり」ですかね。
コーデに悩むときに「まとまらない」ってよく思うので、それはとても的を射ていると思う。要は手癖が出ているのですね。
突出してお洒落な印象は作れないかも知れないけれど、それを作りたいと思っているかというと、正直思っていない。オケージョンでここぞと華やかなスタイリングがしたいのではなくて、日々「なんかしっくりこない」と思っている人にしっくり来て欲しいし、「何着ても同じ」と思っている人にはモアベターの難易度はそんなに高くないことと、意図せずモアワースに乗るもったいなさに気づいて欲しい。
別に「みんなファッション楽しもう!」「みーんなお洒落な世界線素敵!」と思っていない。「もったいないんでちょーっと調えません?」て思っている。ので、さもありなんではあります。
まぁ「みーんなお洒落で眼福な世界線、私トク♥」とは思わないでもないけれど、妄想レベルであってリアルに実現フェーズではないかな。「新宿伊勢丹か日本橋三越か銀座の街で3つくらい、好きなものを値札も見ずに買ってみたいなぁ」と同じレベル感。

とはいえ仕事でやっていくならば、オケージョンに対応するスキルも、目を引くようなコーディネートを目指す気概も必要です。
少なくとも、クライアント自身によるコーディネートとの差分は示せなくては、課金価値がないですよね。「使いやすさとお好みを優先して」とか逃げてばかりもいられない。
即席グレードダウンは難しいけれど、即席グレードアップは不可能なので。
自分のスタンスの確認と「ある程度対応可能」範囲はもっと拡げなくてはと思った次第です。
そのためには細部を検証するのを癖づけることだし「まとまった」とき、何が共鳴しているのかを確認することと、狙いから外れているポイントがないか確認することを忘れてはいけないなと思いました。

他の人に対するフィードバックもすごく勉強になりましたよ。
私はフォーマル度合、カジュアル度合を軸にコーデを組みがちなのだけれど、クラスメイトの中にはルーツのあるテイスト「ロック」「ロリータ」「Y2K」「ヒッピー」「スポーティ」「スクール」「アメトラ」みたいなテイストを軸に取る人がいて、ブレなさにいつもハっとします。

テイストをガイドラインとして大切にするひとがいるのは、知っています。
同好の士の間では、ふわーっと共有されている「常識」や「ルール」があるものかと思います。
着物好きの中の話なら「衿合わせの逆だけは許容しかねる」とか「正絹の生地は守れるものなら守ろう」とかね。
それらのポイントを丁寧に拾い上げて「王道」や「定番」を組み上げるスキルがあってから崩すのと、無意識に崩すのでは奥行きが違う気がします。

授業内で「文脈」と表現される通り、明示されずとも伝わるメッセージがあるように感じます。もちろん感度はひとそれぞれだけれど、感度の高い人に合わせられるのは「おしゃれ」なのかなぁと。
たとえば異文化からいらした観光客が鳥居に足を掛けて記念撮影をしていたら「ちょっと嫌」と思うし、ぎこちなく一礼して通り抜けたら微笑ましくはありませんか?前者は有名な映えスポットだから来たのだなと思うし、後者は宗教施設に敬意を払って下さる姿勢を感じます。
後者の方が細部までを意識して地球を歩いている感じがツーリストとして「上級」な気がするし、アパレルに置き換えたら「おしゃれ」なのかなと。

近々のトレンドとしては「はずし」とか「こなれ」がキーワードになっているので、特段の信仰がなければ、バチバチに整えるよりは多少は無視した部分がある方が洒落感は出かも知れません。とはいえ「少し」の程度がわかるのは基準点を知っていればこそ。

「勉強することめちゃめちゃあるぅー。。。」と頭を抱えるような気持ちになる反面「やるよ、その方が絶対いいもん」ととても静かにかつ自然に決意したのでした。

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