ちょっと待った~!その方法で老人ホーム探すんですかぁ?
具体的にどうやって老人ホームを探すのがベターか
担当してもらっているケアマネジャーに相談して探してもらう。ケアマネジャーが老人ホーム紹介業者を紹介してくる場合もありうる。
入院中の病院に所属しているMSW(地域連携室に所属する社会福祉士や看護師)に相談する。MSWが老人ホーム紹介業者を紹介してくる場合もありうる。
インターネットで検索して、個別に問い合わせをして見学したのちに決める。
自分が生活している中で見かける施設に直接連絡して、見学したのちに決める。
インターネットで地域の老人ホーム紹介業者を検索して、連絡して相談する。
さて、ざっくりと老人ホーム探すうえでの具体的な方法を5つあげました。
大前提として、ここでいう老人ホームはいわゆる特養(介護老人福祉施設)や老健(介護老人保健施設)ではないことを前提に話しています。
特養と老健に関してのみ言えば、上記の方法の一番最後の「老人ホーム紹介業者」に相談する方法はおすすめしません。ほとんどの老人ホーム紹介業者は対応方法を知らないか知っていても対応したがりません。
理由は自分たちの報酬にならないからです。老人ホーム紹介業者は相談者からは謝礼や報酬は受け取らないスタイルがほとんどで、紹介した老人ホームから紹介料を頂きます。
しかし、特養や老健は純然たる介護保険施設のため、今のところは紹介業者に紹介してもらって紹介料を支払う施設はありません。(全国的にはあるのかもしれませんが私はそのような施設を知りません)
この二つの施設に関しては、自ら探すか、ケアマネジャーもしくはMSWに協力してもらって入居申し込みをすることをお勧めします。
ケアマネジャーやMSWによっては、「ご自分でお探しください」とピシャっと跳ね返してくる人もいますので、残念ながらその場合は不親切なケアマネ、MSWに当たったことを嘆きつつ、インターネット等で調べて個別に連絡してみてください。上記のようなケアマネ、MSWは稀であると思います。(思いたい…)
市町村によっては市のホームページから市内の特養、老健の所在地や連絡先が載っていることがあります。インターネットで老人ホームを検索してもだいたい上位に挙がってくるのは特養や老健ではなく、民間の老人ホームであることが多いです。それだけ民間の老人ホームは営業に力を入れていると言えます。また老人ホーム紹介に関する業者や紹介サイトが紹介料を儲けようと必死になっているという証拠です。
私の結論的な意見として、一番のおすすめは担当のケアマネに相談する…です。
ケアマネジャーに関しては完全に当たり外れや相性があるので、相談に乗ってもそれほど親身になって探してくれないということもたまにあります。経験や知識不足のケアマネジャーだと自分が持っている情報量も少ないので、入居検討者の経済力に合った施設や老人ホームの特徴等を知らないため紹介を辞退してくる場合もあり得ます。(ほとんど無いと思いますが)
MSWの場合も上記と同じことは言えますが、よほど経験不足のMSWでなければ地域の老人ホームの2つや3つは紹介してくれるでしょう。
ただし、MSWという職種は本当に忙しいので、施設選びの情報を正しく更新できている方は少ないと言えます。
老人ホームは毎年どんどん増えています。地域によって差はありますが1年前と比べればだいたい増えていますし、サービス内容も豊富になっているのです。長年MSWをしていても情報がどうしても古くなっていることはやむを得ない状況だと言えます。
それでも、MSWからもらえる情報を元に施設さがしをすることは家族にとってはありがたいことだと言えます。
その地域でおおよそ3年以上経験をしているケアマネジャーならそれなりの数の老人ホームの情報を持っていると考えられます。5年、10年ケアマネジャーをしているベテランならもっと多いです。
MSWは先ほども書きましたが、忙しいので燃え尽きてしまって同じ病院で5年続かないで他病院に移ったり、転職して違う業種に移るという方も珍しくはありません。(聞けるのなら担当のMSWがその病院で何年MSWをされているのか尋ねてみてください。)
一番、当たり外れが有りうるのが「インターネットで自分でさがす」のと「老人ホーム紹介業者に紹介してもらう」という探し方です。
前にも「老人ホーム紹介業者は使うべきか?」という記事で書きましたが、老人ホーム紹介業者や老人ホーム紹介サイトは入居者のために働いているようで実は紹介料をたくさんくれる施設のために働いています。
逆に言えば、情報提供だけはサイトや業者にしてもらって、施設を選定するのは完全に自分たちで行う方が良い場合があります。しかし、そもそも選択肢の中に入居希望者にとってベストな情報を提供してくれているかどうか怪しい場合もありえますが、検討している方にはわからない以上、単純に「いいところを紹介してくれた!」で終わってしまうこともあり得ます。
すべての情報がわかっていればこそ、なぜ〇〇老人ホームを紹介してくれなかったのか?という突っ込みができますが、知らなければ突っ込みようがありません。
老人ホーム紹介業者やサイトのメリットになるように仕向けられているかどうかを判断できる一般の方はほぼいないでしょう。
結局のところ、人間的に信用できるかどうかが鍵となってきます。
今、かかわってくれているケアマネジャーのことを信用できるのであればケアマネジャーの情報を信頼して老人ホームを探すことを一番に勧めます。
担当してくれているMSWが信頼に値すると思えるのであれば、MSWに相談するのもありです。
ご自分で探したか、誰かから紹介された老人ホーム紹介業者が信頼出来そうな方なら、その方を信頼することもありでしょう。ただし老人ホーム紹介業者には下心があるということを絶対に忘れてはいけません。
ケアマネジャーとMSWには下心はありません。施設によって彼らの報酬が変わることがないからです。
ネット上でサイトを通じて老人ホームを自分で選んで、たくさん施設見学や質問をして、施設の良し悪しを自分で判断できるようになってから施設を決定するのも悪くない場合もあるでしょう。
ただしその場合は最低でも3か所以上は見てから判断することをお勧めします。もちろん1ヵ所目から客観的にプロが見ても良い老人ホームに当たる可能性もあり得ます。
経験的に言えば、一か所目に見学する施設を好印象として受け入れるご家族が割合的に多い気がします。心理的に不安感を抱いて施設見学をする家族が一番最初の施設に安心感を得るからだと思います。
人間は自分が思っている以上に論理的な判断をするより感情的な判断をしていると言えるのかもしれません。
ある意味では感情的な判断で選ぶ買い物が悪いとは言えないかもしれないので、「知らぬが仏」で満足するのも悪いことではない気がします。
どの老人ホームも自分たちなりに一生懸命運営されていることは間違いありません。一長一短ですべての面において完璧な老人ホームなど存在しないので、最終的には入ってみなければ分からないという身も蓋もない結論になってしまいます。
それでも現状のシステムでは利害関係なく、老人ホーム探しをしてくれる存在でその地域の情報量が多いという点でケアマネジャーが一番おすすめできると言えます。
ちなみにわたくし老人ホーム紹介業者なんですけどね…。