老人ホーム紹介業者は使うべきか?
結論:ケースバイケース!ひょっとしたら信頼できるケアマネジャーから地元の評判の良い施設を紹介してもらう方が良いことも十分ありえます!!
老人ホーム紹介業を開業してから再認識したことがあります。
この業界の方たちの一番の顧客が、入居先を探している利用者や家族ではなく、紹介料を頂く老人ホームなのだということがよくわかりました。
私はまだ老人ホーム紹介業者を初めて数か月足らずの「ひよっこ」ですが、場合によっては老人ホーム紹介業者は、あなたに「最善の施設」を勧めていないかもしれない…のです。
不動産業者が入居先を探している人たちを微妙に騙して、取れる手数料を取ろうとしているのとは、少し違うかもしれません。我々、老人ホーム紹介業者は不動産とは違い、大家さんの立場(老人ホーム)からしか紹介料をもらいません。
ここがミソなわけです。もし、あなたが親の介護にかかわることになり、老人ホーム紹介業者を利用するようになったら、ちょっと勇気を出して聞いてみてください。「老人ホームからもらう紹介料金っておいくらぐらいなんですかぁ?」って。
きっと老人ホーム紹介業者は「ドキッ!!!」とするでしょう。
老人ホーム紹介業者がもらう紹介料はだいたいは一律設定されているところが多いですが、老人ホームによって紹介料金が違うこともあるのです。
そうすると業者は、あなたの親にとって良いと思っている施設を勧めるというよりは、たくさん紹介料金をくれる施設を紹介することになるのです。
この仕組みは、大手であろうと小規模であろうと同じことだと思います。
よほど信念のある紹介業者でないと、紹介料が安いところは紹介しないようです。
また広範囲を営業地域としている大手の紹介業者は、新規の老人ホームや地域密着の小規模法人と契約ができていないケースも多々あります。そうすると大手の老人ホームや複数の老人ホームを経営している法人を優先して契約しているので、紹介する老人ホームも必然的に大手の老人ホームがメインとなります。
大手の老人ホームが駄目だということでは決してありません。その方に合っているということであれば何も問題ありません。けれどもその方に合っているかどうかを見極める力はかなり専門性を求められるものです。
元不動産の営業をしていた方、保険のセールスをしていた方、全く介護や医療とは違う仕事をしていた方など、老人ホーム紹介業をしている方の多くは医療・介護系専門職ではない方が多いです。
そうすると、まず介護施設の中身がどのようなものなのか外からしか見たことがなく、細かなところを確認したり、質問したりすることはできません。
もちろん老人ホーム紹介業をしてから様々な施設を見学したり、情報を得たりされていることでしょう。けれども働いたことがあるということとは根本的に違います。
老人ホーム紹介業者よりもケアマネージャーの方がその地域で長く働いている方は地元の社会資源である老人ホームの情報を細かいところまで知っていたりします。私はケアマネジャーを6年間やっておりましたので、自信を持ってそう言えます。自分の元利用者が老人ホームに入所したケースや同じ事務所のケアマネが老人ホームに入所したので情報が入って来たりします。
最近は、老人ホーム紹介業者が本当にたくさんありますので、ケアマネジャーも病院のMSW(医療相談員)も、悪く言えば楽をするためにすぐに老人ホーム紹介業者を活用します。
自分もその老人ホーム紹介業者なので、どんどん活用してほしいという反面、本当に利用者のためになる紹介業者であるかはよく見極めてほしいと思います。
世の中、素人には判断できないことって本当にたくさんありますけど、老人ホームの良し悪しもそうですが、老人ホーム紹介業者の良し悪しも、サイトやSNS(YouTubeやtwitterなど)だけではわかりにくいです。
どの業界でもその業界の人間だからこそわかる情報ってありますよね。
老人ホームを選ぶ際、老人ホーム紹介業者を利用するときには本当に自分たちにとってベストの選択肢を紹介してくれているか疑いの目を持ちつつ利用してください。場合によっては、信頼できるケアマネジャーがついている場合には意見を求めてみるのも良いと思います。
人当たりが良く、優しい詐欺師は世の中いっぱい、いますからね~。
得したと思って騙されていた…ということにならないことを祈ります。