2022年 買ってよかったもの (書籍編)
2022年の購入履歴を眺めて「これよかったな」ってなったものを並べるだけの記事でございます。今年買ったものであって、今年発売のものではございません。
まずは書籍から。
『必殺シリーズ秘史 50年目の告白録』(高鳥都)
必殺シリーズ好き必携の 1冊。可能な限りの関係者に聞き取りをした珠玉のインタビュー集。
調音、効果、衣装の裏話では、秀の簪が刺さっていく首は何で作っていたか、勇次の三味線糸の太さと吊り方、必殺と他の時代劇との効果音の違いなど、特撮の撮影手法の話が好きな人にもオススメ。
『地獄の楽しみ方』(京極夏彦)
文庫版を購入。中高生向けに開かれた講演会をテキスト起こししたもの。京極さんの本が薄いのすごい違和感。
「言葉はアナログで曖昧なものである」ので言葉何かを確実に伝えるということはできないという話。ゆえに SNS は炎上するし、対人トラブルは起きる。常々ぼんやりと思っていたことを言語化されて少しスッキリ。
言語に対する諦観すら感じる論説とは対照的に、書籍の収納に対する執着に満ちた話もまた良かった。
『しみじみパスタ帖 作りやすくて食べ飽きない』(カワウソ(萬田康文と大沼ショージ))
季節ごとの様々な食材を使ったパスタのレシピ本。
何かすごく美味しい凝ったレシピではなくかなりシンプルなレシピなので「あ、これでいいんだ」とシンプルな気持ちでレパートリーを増やせる。
ここからは漫画作品。
『ダンジョンの中のひと』(双見酔) 既刊 3巻
手練れのシーフの女性冒険者であるクレイは、ひょんなことからダンジョンの運営側にまわることになるのだった。
つまりはデバッグルームに迷い込んで開発者側にスカウトされた有名プレイヤーの話である。
こういうシンプルなデザインでしっかりした絵の漫画に弱い。主人公が作中で規格外に近い強さにも関わらず、比較にならない強さを持つキャラクターが数人点在してることで「強い主人公だがさらに強くなれる余地がある」というバランスもかなり好み。
近年のファンタジーものに見られるファンタジーもの設定の再解釈作品でもあるが、ほどよいふんわり感が良い。
『ビーストリングス』(山本四角)
人、獣人、亜人が垣根無く暮らす街のバディものでありラブコメ。
全編フルカラーかつしっかりした画力で多彩なキャラクターが描かれる豪華コミック。
異種族同士のラブラブ大好き人間は必携。
『プロレス保健室』(坂入カツユキ)
新任保健医の佐山先生。彼女はかつて天才ヒールレスラーと呼ばれた “地獄王女” ミサトだった。
佐山のプロレス診断が人の組織の患部を矯正する。
ツッコミ不在の勢いある作風が心地良い。新旧問わずプロレスネタを盛り込んでいるがプロレスを知らなくても全く問題無く読めるので気軽に読もう。
『豊作でござる!メジロ殿』(ちさかあや : 画、原恵一郎 : 作)
農書マニアの郡奉行が主人公の幕末期農業ミステリ、ここに完結。
柔らかなでありながら描写のしっかりしたタッチが江戸時代の農業漫画としてマッチしていて良い。1話完結型なので読みやすく、作画の描きこみも臨場感を感じる良作。 パワー型ヒロインの羽子殿かわいい
『鍋に弾丸を受けながら』(森山慎 : 画、青木潤太郎 : 作)
治安の悪い場所の料理は美味い。危険とされるところ…そういう場所の料理は 20点か 5万点であるという主張の元、様々な国で出会った 5万点の料理を紹介する作品。
「長年の二次元の過剰摂取で脳が壊れたため、全ての人が美少女に見える」という設定で視覚情報をマイルドにして、治安の悪い世界での美味い飯を魅力たっぷりに描いた良作。紹介される料理は現地に行かないと再現すら難しいものが多いが、いずれも「いつかは現地で食べてみたい」と思わせられる。