太刀が刀より細いのはなぜ?刀剣展での違和感がとけました
小学生のころから日本刀が好きな40代です。
でもまあ、そこまで詳しくもなく、家に日本刀はありません。小学生のころは百貨店の刀の展示・即売会に出没して、じっと眺めていましたけど。あの刃の濡れた感じがいいんですよね。
ものすごいマニアではないけど、刀は好き、そんなところです。
3年ほどまえには、刀剣乱舞とコラボしていた佐野美術館へ名刀たちをおがみに行きました。
今回の刀剣展も佐野美術館。名刀だらけで、国宝や重要文化財?みたいのも多かったです。家族と夫の友人、オイちゃんの4人で行きました。子どもも成長しているので、わりとじっくり鑑賞できたのもうれしかった。
で、本題に入ります。刀を見ているうちに、なんだか言葉にできない変な違和感があるんですよ。なにかが妙に引っかかるというか。そうそう、3年まえの刀剣展にもあった変な感じ。
刀にはいろんな種類があります。大きい順にいうと、太刀とか刀とか脇差とかね。だから、太刀は大きい刀のこと。
刀剣のそばには、鎌倉時代に名工なにがしが、誰それのために作った云々カンヌンとか、説明文があります。それを読んで、フーンと思ってまた次の刀を見ます。
でも、なにかがおかしい。はじめは戦国時代のブース。勝つものがえらかった時代には、戦闘能力の高い太刀が多いです。刀ももちろんありますが。なんだか、この太刀たちが気になるんです。
???のモヤモヤをかかえながら、江戸時代のブースに移ります。
すると、そこで気づいたんです。
江戸時代の刀って、分厚くて幅もひろい。そして大きいってことに。
そう、それはもはや、太刀よりもBIG。
江戸時代になると、太刀がなくなるんです。天下泰平のころになると、武士が帯刀していいのは刀のサイズまで。太刀振り回されたらこわっ……って、権力者は心配したんでしょうね。
太刀を持つのがNGなぶん、刀がより大きくなりましたとさ、なんです。江戸時代の武士たちも、強くて大きな刀を、ギリOKなサイズで持ちたいっていう考えでしょうね。「これ太刀じゃないよ!刀だもん!!!」って。
同行した刃物マニアのオイちゃんに訊ねました。「太刀って、刀より大きいイメージだけど、実物は刀より小さくて、うすいよね?」と。
オイちゃんは答えます。「たしかに、太刀は初め大きくて分厚くても、ナタみたく甲冑ごと叩き割るものだから、刃こぼれするわ、血ですぐにさびるわで、研ぎが必要なんだよね。研ぐっていうのは、刀身を削っていくことだから。使えば使うほど、研いでいくから、うすく小さくなるもんだ」
なるほど、これでようやくわかりました。
太刀が刀より小さいことにたいするアンサー!
江戸時代から刀が巨大化した
戦国時代のガチの太刀は、刃こぼれ、サビのメンテにより、どんどん刀身がうすく細くなった
結果的に、刀が大きく、太刀が小さくなっていたと。
美術館に並べられていると、へええーくらいで通りすぎてしまう。けれど、それぞれの刀剣にはひとつひとつ歴史があって、使われかたもそれぞれ違う。
そういう背景をふまえると、なるほどなるほど、が増えるんでしょうね。